誰もが同じ感覚で楽しめる絵本ができるまで
私は、昨年は夢だった絵本を初めて描いた。
それまでは私は建築業界にずっといて、絵を描くと言えば同僚に付箋で渡すメッセージの小さいイラストだけだった。
そんな私がどうして?と不思議に思われるかもしれない。
自分でもなぜだかわからない。
安く出版ができる方法があると知り、
チャレンジしてみたいと無性に思ったのだ。
早速契約した、これまた初めて触るAdobeさんのillustratorを前に
「どんな絵本にしようかな?」とワクワクが止まらない。
絵も描いたことがなく、文章を作ったこともなくイラストを描くソフトも初めて。
無謀にもほどがあるのにいける気しかしなかった。
しばらく考えているとふと、
【誰が読んでも初めての感覚を味わえる本ができないものか?】と浮かんできた。
●子どもが読んでも
●一緒に読む大人も
●日本人も
●外国人も
●そしてみんなが同時に同じ感覚で楽しめる本
我ながら素晴らしい事を思いついたと思った。
そこからはどんどん掘り下げる質問を自分に投げる。
大人が読んでも初めての感覚とは?
↓
言葉がヘンテコなら大人でも読みにくいのではない?
↓
ヘンテコな言葉なら、英語でも読めないモノにすると海外の方も初めての感覚になるのでは?
↓
カタチも見慣れていないモノはどう?
↓
イロも変えてもいいかも!
↓
兄弟やお友達と読めるようにアッチからもコッチからも文字を入れて上下をなくしたら、カタチもより見慣れないようになるのでは?
↓
言葉遊びのようなリズムのあるオトにしてみようかな。
↓
全部バラバラな色とカタチで、
「わたしはこれが好き」「あなたが好きなそれもいいね」とお互いの良さを認め合えるのもいいんじゃない!
楽しくて仕方がない。一人会議でどんどんアイデアが浮かんできた。
頭を突き合わせて読む子ども達が見えてくる。
それからは創作活動。
「全部みんな初めてだから好きに描いちゃえ!」と思っていたが
そうは言っても、慣れない操作と生みの苦しみに四苦八苦。
コトバはGoogle翻訳で意味がないかどうかも確認してみた。
意味があるってことは言葉として使われているという事だから。
ここがなかなかの時間がかかった。
でも、ずっと楽しかった。
そしていよいよ入稿。
しかし入稿の際に、上下に文字入れはできないことが分かった。
ガビーン(リアクションも昭和になるわ)
上側の逆さに文字を入れていたのがいけないらしい。
「まあ、そんなこともあるよね~。」
悩んでいても仕方がない。
気を取り直してすぐ修正する。
今は本に向かって進んでいるのが楽しかった。
しばらくして無事入稿を済ませられたのだった。
月日が流れ、自分の手元に本が届いた。
久々に本当に嬉しかった。
ワークのように薄い本だが、私はこの薄さすら気に入っている。
持ち運びに便利で、好きなページを切り取って額に入れたり、コラージュもできる。どんどん自由に楽しめるモノができたと思っている。
こうして出来たのが『ころん まっるん』だ。
地味な告知にも関わらず、学生時代の友人や知り合いから購入したと連絡をもらった。またある人からは「発想が面白い」「勢いを感じる」など感想をいただいた。
本当に本当に嬉しかった。
こんな思いを込めて出来上がった本。
Amazonさんにて発売中。
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