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インタビュー連載【そのへんの一般人】 #1 そのへんの無職

そのへんの一般人から「普通の人生」を聴こう!
第一回のインタビュイーは、げんちゃんです。

昭和最後に生まれた(同級生ですね!)30歳のげんちゃんは、福岡の自宅と東京のシェアハウスをいったりきたりしている、現在無職の自由人。

人生をどんな風に捉えて「無職」を選び取ったのか?その頭の中を覗かせていただきました!

深夜ラジオの夜更かしで毎朝遅刻した学生時代


――げんちゃんってnote毎日更新してるよね?

「毎日?うーん、毎日……してない。うん、してない。ていうか、24時間起きてて12時間寝るみたいな生活してるから、毎日更新の定義が分かんない(笑)」

――生活リズム自由だね(笑)いつから、そんな自由な人になったの?

「全然自由な人じゃないよ。ただ起きれないだけ。中学の頃から。
ほんとにグレてるっていう自覚とかはなくて。イキって遅刻していくとかじゃなくてマジで起きれなかった。
夜中ラジオ聴くの好きだったから、いつも3時4時まで起きてた。
家と学校が近くて、家まで朝のチャイムの音聞こえてたな。
門の前に先生立ってるの嫌で、その先生がいなくなるのを待ってから学校行ってた」

――高校もずっとそう?

「基本的にはそうだね。高校は男子校だった。髪染めたら先生にバリカンで丸刈りにされたし」

――ヤンキーやん(笑)

「ヤンキーじゃないんだよ(笑)おしゃれしたかっただけ。ご覧の通り、僕ちっちゃいし戦う気ないですよ~って思ってたんだけど」

――先生には理解されそうにないね(笑)勉強はしてたの?

「してたよ、ちゃんと教科書に書きこんでた。教科書に書き込めばノート持たなくて済むから。ノートは邪魔でしかなかったし。
なんか、中学の時に成績の付け方が相対評価から絶対評価に変わって、中学の時もテストの点とか良くないのにカラフルにノート取ってる女子が俺より良い成績貰ってて。なんだよこれって感じだった」

――恋愛は?

「彼女いて、長く付き合ってて、なんか今思えばケータイ小説みたいな恋愛してた。
付き合っては別れ。別れてから元カノの友達に呼び出されたり、逆に巻きこんだり。「恋空か」って思うよ。魔法のiらんどに書いたろかなと思うわ」

――(笑)世代だね!

「そう。世代。それでいうと、note書くのも、mixiの日記が原点みたいなとこあるよね。今あの日記、見たくないけど見たいもん。見たくないけど」

「考える癖」の原点は、元ハガキ職人だったから


――今noteも書いてるし、書くのが好きなのって、さっき言ってたラジオがルーツだったりする?

「うーん、脳内でのひとりしゃべりというか、何か書いたり考えたりするのが好きなのはラジオの影響が大きいね」

――何聴いてたの?ナイナイとか?

「ナイナイもそう。aikoも。ハガキも送ってた」

――えー!めっちゃいいやん!元ハガキ職人!

「そう、だから何か面白い方向へ転がらないかなとか考えるのはその時からの癖だな。読まれたらファーってなるしね」

――読まれたことあるの?!

「あるよ。今でこそツイッターとかメールだけど、当時の俺はおこづかいでハガキ買って一枚一枚大事に書いてた。どうやったら読んでもらえるか必死で考えてた」

――ガチじゃないか!

「それ以外にも、ダウンタウンの松っちゃんが話してること全部書き起こして、『なんで面白いと思ったのか』を考えたりしてたよ。
でも、どうやったら面白いか考えてる時点で、ナチュラルに面白い奴には一生勝てないからなあ」

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「社会人」をやめて飛び込んだのはシェアハウス

――その夜更かしは、社会人になってからもそんな感じ?朝起きるの苦痛だったの?

「そうだね、さすがに仕事だと起きてたけどもう嫌だな」

――不動産の広告営業をしてたんだよね。会社は最近やめたんだっけ?

「去年の10月に。すごくたくさん嘘をついてることがしんどくてやめた。客をだますとかじゃないんだけど。
例えば、全然興味ないのに『御社の売り上げをあげたいんすよ』って、クライアントに対してそんな顔しなきゃいけなかったり。1ミリも思ってねーんだよなーって」

――1ミリも(笑)

「思ったことね、ない。一度も。今思えば、スキのプロセスが違ったなって思う。俺、家好きなの。内装とか間取りとか見るの好きで。でも、俺家好きだけど不動産屋さん好きじゃねえなって」

――じゃあ、仕事やめたのは「やりたいことがある」ってわけじゃなかったんだね。

「やりたいこととかないんだよ。でもやりたくないことがめちゃくちゃいっぱいあるから、やりたくないことをひたすら避けてるだけなんだよね。
何が幸せかなんか分かんなくて。でも何が不幸かは自分で分かる。じゃあそれを全部避けるしかないじゃんって」

――そうなんだ、おもしろい!

「あと、死にたい願望とかも別にないけど、『人間らしく楽しく生きるのって30代がギリだと思うよ』ってある人に言われて。
30代ってことは(40代になるまで残り)あと10年か、そう考えたら人より5倍の速度で人生経験しなきゃもったいねえな、って思って。で会社やめた」

――それでシェアハウスなんだ。最初勇気いったでしょ?ネットで調べたの?

「うん、ツイッター」

――シェアハウスって何人いるの?

「いっつも住んでるのが5人くらいで、たまに来る人とか、月10日って決めてる人とかもいる。会社員もいるしフリーランスもいるし、本当いろいろ」

――そんなバラバラなんだ!合わない人いたら大変そうだなあ。

「俺って、通知表オール4のタイプなのね。今シェアハウスに住んでて思うのが、そこって良い意味で通知表に1と5しかない人たちが集まってて。
例えば、アマゾンの宅配便を代わりに受け取ってあげるだけですげー感謝されんの。その人すごい優秀で仕事できる人なのに、宅配便受け取るのが苦手で時間分かんなくなっちゃってたりとか。
で、オール4の俺がなぜか重宝される。なんか、自分の知らない環境に身を置いちゃえば勝手に評価されんだなって分かった」

――すごいなあ。私の知らない世界やわ。

「俺すごい神経質で、誰かと暮らすなんて無理だと思ってたんだけど、こうなったら本当に無理なのか試してえなと思って。
自分は、どのタイミングで何が嫌って感じるんだろうって気になって。
そもそもツイッターで『住むとこない』って呟いたら『うち来る?』みたいな、世の中ってわけわかんない人いっぱいいるわって思わない?」

――思う。げんちゃんの話聞いてると特に。

「割とこの実験的に生きてるのがおもしろいよ。人間、どうなったら死ぬんだろうなって思って。意外に死なねーんだよなっていうの繰り返してる。住むことないって言ったら住んでいいよって言う人がいるから、死ねない」

――死ねないね(笑)

「そう。死ねないんだよ(笑)」

不安と不満のバランスを考えて生きる

――げんちゃんすごいなあ。同級生でこんな男の子いなかったかも。どうなったら死ぬのかなーって。住むとこなかったら死ぬのかなーって。そんな風に生きたことないもん。私、小さなことで悩み過ぎなんかな?

「悩む時ってさ、不安と不満のバランスなんだと思ってる。
例えば、仕事を辞めたいなーってときって、何かしら不満があるわけじゃん。職場の人間関係とか。
で、不安は、給料なくなったら食べていけくなるかもってことじゃん。
そうなった時って、人間は不満を選びがちなんだよ。
不満の方は、我慢すれば現状維持が得られるじゃん。俺はその選び方はいいことじゃないって思うようになったんだ。不安の原因を徹底的に考え抜くことが大事だなって。だから、どこまでやべえことになったら人は死ぬのかっていうのを知っといた方がいいんだよ」

――なるほど……

「不満と不安があったら、不安はどうやっても消えないから。それなら不安との付き合い方だけ考えた方がいい。不満は排除する方が楽だなって気づいた」

――……げんちゃんさあ、もっと有名になった方がいいわあ!

「(笑)いや俺もさ、まじでやべえなって思うこと人生で一応あったのよ何回か。でも結果死んでないのよ。
やべえときにその時の俺は意外と頑張るみたい。だからこれからも、どうせなんとかするんだろうな俺、って思う」

――げんちゃんおもろいなあ~

「仲良くなる人に言われたのが、『まじでげんちゃんは、時代が追い付くか死ぬかどっちかだよ』って」

――時代追い付かなかったらげんちゃん死ぬしかないやん(笑)

「そう、それか破産(笑)シェアハウスの仲良い友達にも言われんの。『げんちゃん長生きしそうだし明日死んでそうだよな』って」

――自分でもそう思う?

「(笑)でも最近、この感じも飽きたなとも思うようになったきたよ」

――えっ、じゃあもしかして、何か動き出すの?

「いや、まだ全然考えてないけど。でもおもしろくなる予感しかしないよ」

――確信なの?

「確信に近い」

――根拠は?

「ないよ(笑)」

――(笑)


げんちゃんは2時間くらい、レモンのハイボールを飲みながら、私の支離滅裂な質問に丁寧に答えてくれました。

げんちゃんの印象は、綿棒みたいな人!芯があるのに先端が柔らか。だから頭が良いのをひけらかしていないし、人当たりがいい。
話しながら感じたのは、私に「見出し」をくれるように話してくれるなって。
話の上手い人って、相手が聴きやすいように見出しを与えられる人なのかも?と思いました。

特に、「不満」と「不安」のバランスの話はすごく勉強になりました。
給料なくて食べていけなくなるのが「不安」なら、自分が生きるのにいくら必要で、その金額を稼ぐのに何を何時間やればいいのかを理解しておくこと。そうすると漠然とした不安が具体的な不安になるから、打ち手を考えられる……だそうです。すごくね?

ちなみに、「不安じゃないの?」とか質問されることも多いみたい。
それについても「不安じゃないわけないよね。不安を感じないってことは危機察知能力が無いってことだから、動物として超やべーじゃん。消しちゃダメ。だから不安はいつも抱えながら、不安と上手く付き合っていく方法を考えるようにしてる」とのことで。
どうにか不安を消し去れないかな、と試みる癖のある私には、ぐさっと刺さります。共存していくんだね。

インタビュー直後に酔いつぶれて眠ったらしい私をタクシーにスマートに乗せる紳士さも兼ね備える(笑)、第一回にぴったりの人でした。
げんちゃん、ありがとう!

最後に、おすすめnoteをふたつほど。

この「気持ち悪い話」の記事めっちゃ好きなんだけど、「晒し」と言われそうな危険性も孕んでいる。

第2回は「そのへんの新社会人」です!

◇◇◇

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ズッ友だょ
224
銀行員がnote書いてたら書籍が出ました。ちくりと胸を刺す微炭酸エッセイ。心の健康を最優先。たまに小説と音楽の話も。著書『あの子は「かわいい」をむしゃむしゃ食べる』https://www.amazon.co.jp/dp/B086P814HD 気軽に「ちゃこ」と呼んでください。

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インタビュー連載【そのへんの一般人】
インタビュー連載【そのへんの一般人】
  • 13本

「誰が誰に聞いてんねん」なインタビュー記事です。

コメント (14)
めちゃくちゃ面白いです!
ちゃこさん相手の考えてること引っぱりだすの上手だしげんさんも話すの上手だなーと思いました。
個人的にはやりたことは何もないけどやりたくないことはめちゃくちゃあるってところにすごく共感しました
でも私は勇気がないのでやりたくないことを避けずにいやいややってるなー
一般人にインタビューシリーズ機会があれば風俗嬢とかやって欲しいです!
うーん、勉強になった。書きたくなるなぁ💧ご馳走さまでした!不安と共存する!!
面白い同世代の方々がいるものだのぅと嘆息しました。
良い記事です。次回楽しみにしとります。
非常に面白かった!
げんちゃんの人柄も伝わってくるし、これからも楽しみですね☺️
インタビューって、質問力が鍛えられそう!
私も、インタビューしてもらえるように
もっともっと精進させていただきます。
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