【小説】醜いあひるの子 #0話
何時も猫背にして自分を小さく見せようと努力し、教室という空間で息を潜めて椅子に座り、一日を過ごす。
前髪の隙間から覗く世界はとても暗く、あたしの周りは無音に近い。
誰とも話さずに怯えて過ごす日々は何時になったら終わりを告げるのだろうか。
全て自分のせいだと分かっている。
内気な性格で自分から声をかける事も出来ない。
それが全ての原因だとも。
しかし、どう頑張っても無理な事もある。
それが余計に暗い影を落として、心を闇に落として行く。
あたしは醜いあひるの子。
誰にも相手にされず、独り寂しく死んで行くのだ。
物語のようにハッピーエンドなんてある訳ない。
それでも魔法をかけてくれる人が現れないか、と密かに夢見るあたしは醜いあひるの子。
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