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醜いあひるの子

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瓶底メガネで地味な女の子、屋嘉比智風。苛められていた過去がある為、人と上手く付き合えなかった。しかし、高校2年生になりクラス長を無理やり押し付けられた上、クラスメイトの鮎川匠馬に…
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#小説

【小説】醜いあひるの子 #0話

何時も猫背にして自分を小さく見せようと努力し、教室という空間で息を潜めて椅子に座り、一日…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 1話

放課後の職員室は以外と賑やかで、若干、居心地が悪い。 横を通り過ぎる生徒や教師が自分を笑…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 2話

ーーー18時20分。 鮎川家の前に到着。 家は周りと同じくらいの大きさなのだが、手入れさ…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 3話

※智風が受けた虐め(残酷的表現)の話が出てきます。 それから3日間、『同情』と考えが纏ま…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 5話

次の日。 1限目の授業は担任。 皆が席に着いたと同時、教室のドアが開き、クラスの女子の黄色…

仙堂りえい
3か月前
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【小説】醜いあひるの子 9話

12月25日。本日はクリスマス。 サンタのコスプレをした店員や、お洒落して男性の腕にしが…

仙堂りえい
5か月前
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【小説】醜いあひるの子 12話

「出来ましたー!鶏のたたきに鶏皮の味噌煮。厚揚げのキノコあんかけと貧血予防にひじきと豆の梅和え。それに今日は寒いからポトフで躰を暖めてね(ハート×3)デザートは抹茶のパウンドケーキと焼きプリン!勿論、ちーがいらないって言った小豆は抜いてるよ~!で、で、明日は何が食べたいですか〜?」 テーブルに所狭し、とばかりに並べられる料理。 料理を作るのが苦手な智風はこんなスゴイ物を短時間でこんなに作る匠馬は凄い、と感嘆のため息を吐いた。 すると、そのため息を違う意味で取らえた匠馬は慌て

【小説】醜いあひるの子 13話🔞

 1月3日。 朝食を摂ると先日、匠馬のお婆さんに貸して頂いた青地の拗梅柄の着物を着させて…

仙堂りえい
4か月前
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【小説】醜いあひるの子 14話

『じゃあ、学校でね』 匠馬は額にキスを残すとアパートを出た。 彼が出て行くのを見送ると、…

仙堂りえい
4か月前
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【小説】醜いあひるの子 15話

「知ってた?貞子が波瀬辺さんに友達になろうって言われたの、あれって担任にお願いされたんだ…

仙堂りえい
4か月前
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【小説】醜いあひるの子 16話

※聖也視点の回想です。虐め表現有。 ある日、兄と遊んでいる最中に呼ばれた俺は、家の前の公…

仙堂りえい
4か月前
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【小説】醜いあひるの子 17話

「ショッピングモールで逢った時、俺はすぐに分かったんだけど、智風ちゃんかなり体調悪そうだ…

仙堂りえい
4か月前
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【小説】醜いあひるの子 18話

ーーー2月14日。 「ね、鮎川君にあげる?チョコ。私買って来たんだけど、これ、色気無さす…

仙堂りえい
4か月前
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【小説】醜いあひるの子 19話🔞

あれから何も言われる事も無く、何事も無かったように何時もと変わらない日々が過ぎて行き、春休みに入った。 そして、塾に入る為の新しい試験問題を作って欲しい、と美弥子に頼まれ、鮎川宅に連日泊まり込みで製作していた。 なんせ、幼稚園児から大学生の各学年をひとりで作る為、流石に時間が掛かる。 この日は新中学2・3年生用の問題を作り上げた。 「終わった〜〜〜!」 思いっきり背伸びをすると、畳に倒れ込む。 雲一つない良い天気だったので、暖房を弱にしていて丁度だ。 夕日が部屋に差し込み