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ウィリアム・モリス展に行ってきた感想

最近、美術系のインプットが足りないなあ…って感じだったので、「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」に行ってきました。
美を堪能したり、スイーツ食べたり、ジュエリー買っちゃう日でした。

展示の概要

ウィリアム・モリス(1834~1896)は、芸術家、詩人、作家、思想家、社会運動家など、多彩な分野で活躍した19世紀の英国を代表する偉人として知られています。モダン・デザインの父とも称され、先駆的なデザイナーとしてアーツ・アンド・クラフツ運動を先導しました。

本展では、これまで顧みられることのなかったモリスの幼少期や学生時代にはじまり、晩年に至るまで、デザイナーとしてのモリスの生涯を紐解きます。

モリスの生涯…引越し先や工房の環境、人間関係の変化にスポットを当てた展示でした。

モリス、めっちゃアクティブな人

裕福な中流層に生まれて、親と豊かな自然の環境に触れ合って、その自然の美しさ、中世の建築に魅了されて育った人のようです。
やっぱり、親がある程度太くないと建築や芸術系は厳しいんだな〜と思いました。

建築を学んだとはいえ、新婚で住む家を仲間と一緒に作っちゃうのはヤバいぐらいアクティブ。
家のアイディアを得るためにフランスに行ったり、行動力すごい。
仲間も良い人が多そう。

商会を立ち上げるまでは、建築や絵画などに挑戦しつつも、やっぱ自分向いてないわ…とするところは親近感湧く。
チャレンジしてみないと自分の適性なんて中々わからないよね。

良いと思った事はとりあえずやってみるし、仲間も増やしてみる、みたいな天性のアクティブ民っぽいところが陽キャさを感じます。
装飾の世界で、壁紙だけじゃなく、タイルやタペストリー作ったり、本の装飾したり、デザイナーとしてやれる事はいっぱいやった人だと感じました。

あと、他の職人さんへのリスペクトをすごく感じた。
モリスはアーツアンドクラフツ運動の先駆けとか、思想の中核にいる人物。

アンドクラフツ運動とは…

19世紀後半のイギリスで興った造形芸術の運動。19世紀末から20世紀初頭にかけて、北米・ヨーロッパ諸国・東アジア、また日本の民藝運動にも影響を及ぼした。根本的には、手工芸の復興を目指す運動で、さらには、人間と事物との全体的な調和を図る社会運動。イギリスにおける同運動は、産業革命を経て生じた社会問題に応答したもので、社会改革への高い関心を特徴とする。思想の中核は、中世における職人の制作と労働のありかたに芸術の理想を見出したJ・ラスキンと、彼の理論を実践したW・モリスにある。

こういう人だからこそ、アーツアンドクラフツ運動が出来たのかなって思った。

今って、大量消費の社会から少しずつ転換してきて、ミニマルだったり製造過程の透明性だったりが高まっている気がするけど、この価値観が再び必要にされてる気がしたり。

自分の喜びのために、職人の手で丁寧に作られたものを使うってめっちゃ贅沢と感じるし、そういう暖かさみたいなものって大事なんだと思う。

作品の特徴

なんていうか、密度がすごい。
彩度はやや低めで、自然の草花をモチーフにした幻想的で密度の濃い装飾が多いです。

作っているのは男性だけど、なんとなく女性みを感じる柔らかな線や色彩が多くて、めっちゃ癒しを感じる家庭にぴったりなものが多い。

ただし、めちゃくちゃ密度の圧が強くて、モリスの壁紙を使ってしまった日には全てを「うるさく」する強迫観念に駆られてしまいそうなぐらい、今の日本で実際に使うのはハードルが高い。

遠くで見る時、近くで見る時で見えるものが違うので、線や色で密度の見え方を変えるのはめっちゃ参考になりました。

インテリアのハードル高そうっていうのはこういうところですね…。

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めっちゃ暖炉が可愛い。
しかし壁紙の圧がめちゃくちゃ高い。

私の推しはモリスよりダール

ダールは、モリスの弟子でありパートナーなんだけど、「青は藍より出でて藍より青し」な言葉がピッタリの人。
モリスよりモリスっぽいっていう人もいるけど、私は展示を見てダールはダールだと思ったので、どういう違いを感じ取ったのか書きます。

モリスは色数控えめ密度で押してくるタイプだとしたら、ダールはポップと意外性で攻めてくるタイプってイメージ。
そこにそんな柄持ってくる?????みたいな驚きを得たので一瞬で好きになりました。

ダールはモリスより捻りやヒラみが好きみたいで、モリスより躍動感に富んだ優美な構成が多いかも。

この「リスとナイチンゲール」はモリスとミュシャを合体させたようなめちゃくちゃ優美かつファンタジーなタペストリーです。

「ゴールデン・リリー(緑)」だと、百合の花弁にさらにめっちゃ可愛い草花の模様があって、百合というだけで優美なのにそこに可愛さ乗せてきます?????って感じで意外性ショックを受けた。すごい…。

むしろモリスもいいけど、ダールの展示も欲しい!

装飾におけるファンタジー性

モリスやダールの作品を見ていると、実物を見る事、そしてファンタジー性の大事さを感じました。

壁紙というパターンの制約を抜きにしても、「絶対、葉っぱとか茎はそんな方向には伸びない!」みたいな表現なんだけど、でも、そのファンタジー部分がすごく綺麗で心にグサッと刺さるから、きっとそういう美しい嘘は大事。

人の手を経るからこそ、見たままじゃなくて、しっかり見た上でどうアレンジするのかって事が大事なんだと思った。

浮世絵でもそうだけど、見たままじゃなくて、誇張や省略、創作などのファンタジーが入ってこそ光るのかも。

写実から一歩進んで、どこかアレンジして人に夢や楽しみを与えるってことは、デザインやエンターテインメントの基本かも。

ウィリアム・モリスの指輪が可愛い

とりあえず、気に入った展示の図録は買って帰る派なのですが、図録をお会計した時に、隣に飾ってあったショーケースの見た指輪が可愛すぎて…。

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買ってしまいました!!!

他にもめっちゃ可愛いラインナップだったので、気になる方はこちらを見てください。

指輪の方がリーズナブルで2万円しないので、結構カジュアルに買える感じが良い〜!
「ウィリアムモリス 指輪」で検索すると楽天とかでも出てきます。

当然ですが、図録も良かったですよ!
特に映像系が中止になってしまった分、図録で細かい解説が補完されるので、是非買ってください。

まとめ

☑︎ モリス商会の製品は可愛い
☑︎ 壁紙をインテリアで使うのはハードル高すぎ
☑︎ 装飾はファンタジー性も大事

久々に美術館に行けて、めっちゃ楽しかったです!
モリスの展示はもしかしたら行けないかもなーって思っていたので、ギリギリで滑り込み出来て良かった!

あと、宮城県立美術館のカフェにあるタルトケーキ、乗ってるフルーツがめちゃうまだったので良かった!

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タルト自体も美味しいけど、フルーツが宝石か〜〜〜!って感じ。



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