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留学を通して思った事。中国人の力と日本人の力

アヒルです。今日は留学時代の経験談をもとに、中国人の力と日本人の力について考えてみたいと思います。力と言っても、頭脳や身体面のことで無く、国としての地政学的な側面です。

私は地政学の専門家ではないので、これはマクロの視点で中国と米国の対立がどうだこうだと言った話ではなく、私がイギリスにいた時に感じた中国の力について語ってみようと思います。

大挙して留学に訪れる中国人

私は縁あってイギリスの大学院に一年ほど留学させていただきましたが、その際、プリセッショナルコースと呼ばれる大学の本コースが始まる前の英語勉強コースに通わせていただいていました。そこで驚いたのが中国人の人数。あたり一面中国人という感じです。数年前、否、ひょっとすると十数年前からそうなのですが、中国では20代の若い学生を大量にイギリス等の有名大学に送り込んでいるそうです。

ここで少し余談ですが、世界大学ランキングというものがあります。そのうちの一つで恐らく最大手のQS world university rankingでは日本の大学はほとんど入っていません。唯一頑張っているのが東大ほか少数の国立大学くらいで、Best10は全てイギリスやアメリカの大学に独占されています。これは現在政府においても問題視されており、大学ランキングにおける日本の大学のプリセンスを上げることが文科省としても取り組まれておりますが、現状日本の大学は、例えば日本では有名大学の早慶でもランキングの100には入らないという事態になっています。

重要なのは、中国人は大量に学生をここイギリスの名門大学に送り込むことにより、いくつもの今後の国際ゲームにおける利点を得ているということです。まず一つは、(当たり前ですが)人材育成です。世界トップクラスの大学でしのぎを削って勉強することで、英語力やグローバルに活躍する力を彼らは身に着けることができます。これらは日本の多くの学生に残念ながら欠けているところだと思います。これを大規模に何十年も続けていったときに、人的資源という意味でどれだけの力の差が出るのかは気になるところです。

もう一つは大量に中国人の学生を送り込むことで、彼らはイギリスの大学に間接的に資金源として影響を与えることができるということです。海外の大学で勉強する学費は非常に高く、学生を大量に送り込んでいる中国は、間接的にイギリスの大学のパトロンのような存在になることができます。事実イギリスの大学側もこの点は懸念しており、中国人学生の存在は間違いなく、イギリスの大学にとって切っても切れない(ファイナンスの面で)インフラとなっています。英語ですが関連するガーディアンの記事を上げさせていただきます。

中国人の特質~親切で功利的~

次は私から見た中国人の性格の特徴を上げさせていただこうと思います。一言でいうと、中国人はめちゃくちゃ親切です。全く関係ない日本人の私にさえ、フラットで宴会があったりすると、何の差別や偏見もなく、お、一緒に遊ぼうよ!と誘ってくれるような人たちです。彼らは大陸系の民族のためか日本人と比較して、文化の違う人々と共存することに慣れています。そのためか、日本人に対しても(国レベルで問題はありますが)とても親切で優しく常識的に接してくれています。

これと比較してみたときに、日本人が果たして同じ対応を取れるか、疑問です。日本人のことを悪くいう記事ではないですが、我々は島国気質のせいか、この点で少し閉鎖的なイメージがあると思います。現実そうです。特にNIKEのCMでも話題になり、一部反発がありましたが、事実として我々は自分たちと違う人々に対して偏見を抱きがちではないでしょうか。それを考えてみたときに、現在は、日本の外交は一部のできる人々が担ってくれているので問題はないですが、これから日本が国際金融都市として羽ばたいていこうとするときに、いわゆる普通の日本人の外国人に対する需要度が確実に問題になってくるかと思います。

まとめ~中国との差は開くばかりなのか?

中国と日本人を比較してみてみたときに、私は日本人と比較して中国人の方が、国際的に影響力が強い理由が、人的リソースの面から現れてきていると思います。いま、海外に羽ばたいている留学生の中国人はこれから国際舞台で活躍し、その人数はこれからも増え続けていくでしょう。日本の大学のランキングは(バイアスがかかっているランキングなのでそれが実態を反映しているとも限りませんが)低下傾向にあります。国際的にみれば、彼ら中国人は、私たちのエリート大卒業者よりレベルの高い大学を出た優秀な人材なのです。こういった人々が出ていくにつれて、日本と中国の差はさらに開いていくばかりではないか、仮にもはや対抗できないにしても、どうすれば日本はこの居心地がよく平和な国を米中対立の中で守っていくことができるのか、そんなことを考えるアヒルでした。





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