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あへあほ体操と私の17年:科学的検証への道のり

◽️夢のステージ

17年間、思い続けていた学会というステージで「あへあほ体操」をする事が出来ました。

日本予防理学療法学会にて、
「あへあほ体操」が体幹筋群の筋機能および呼吸機能に及ぼす即時的効果 について発表しました。

演題タイトルを発表し、自己紹介を終えると、早速、会場の先生方を巻き込んで「あへあほ体操」を実施しました。

「あへあほ体操」は、お腹の運動です!
「あーへーあーほー」と発声しながら、「へ」と「ほ」でお腹を凹ませます。
一緒にやってみましょう!
せーの、
『あーへーあーほー、あーへーあーほー』

学会が始まって以来、見たことのない光景が広がりました。

あへあほ実践の後、こう伝えました。

「この体操を北海道札幌で17年間、ずっと続けてきました。トレーナーとして続けてきました。ただ、あへあほ体操の効果は、科学的にはまだ明らかにされていなかったため、本研究に至りました。」

そこからは、ここ1年間、我々、研究チームでやってきた研究内容や結果、考察など、伝えました。

自分の言葉で、必死に伝えました。
トレーナーを志した頃から、あへあほ体操をやり続けてきた今までの想いを胸に。

▫️整形外科リハビリ室での1年間

僕は、理学療法士ではありません。
それどころか、医療国家資格をもっていません。

17年前に、フィットネス現場で指導していた頃に「あへあほ体操」を作って、ずっと現場で指導してきました。

あへあほ体操を作る前、僕は整形外科で1年間勤務していました。医療国家資格も、医療を学ぶ学生としての肩書きもなかった僕が、整形外科のリハビリ室で働く事は奇跡に近かったのです。

求人情報を見ても、ハローワークに足を運んでも、門戸は開かれていませんでした。

でも、諦めたくなかったのです。
5年間勤めた陸上自衛隊を辞めてまで、トレーナーを目指した僕は、どうしても医療現場を肌で感じたかったのです。

当時、タウンページ(電話帳)を手に、整形外科の病院に片っ端から100件以上も電話をかけてアプローチを続けました。その結果、ようやく一件、面接をしてもらえることになり、晴れてリハビリ室のアシスタントとして働く機会を得ることができました。

その現場で出会った医師、理学療法士、柔道整復師をはじめとする多くの医療従事者から、短期間で数多くの知識と技術を学びました。
今でもかけがえのない仲間です。

◽️あへあほ体操17年の歩み

運よく整形外科リハビリ室での経験を経て2005年にスポーツトレーナーとして独立しました。
独立して、1年ぐらい経った頃に地域の体育館やフィットネスクラブで、健康体操を指導できるようになりました。
その頃に、「ドローイン」という息を吐きながらお腹を凹ませるトレーニングをフィットネスで指導していました。
一部の医学書・専門書に、「ドローイン」で腹横筋(お腹のインナーマッスル)が鍛えられ、腰痛のリハビリになるという情報が載っていました。そこには研究成果が掲載されていて、必死にノートに書き写し、予防法として生徒さんに指導していました。

▫️医療従事者の勉強会に潜入

ドローインについて必死に勉強していましたが、僕の指導方法は、本当に正しいのか?
どうしても確かめたくなりました。
そこで、医師や理学療法士、柔道整復師などの医療国家資格者が対象の研修会に参加しました。

研修会の参加条件は、医療国家資格者でしたので、僕は当然、該当しませんでしたが、なんとか誤魔化して(ゴメンなさい)参加しました。

研修会は、目から鱗の情報だらけ。
僕の勉強不足で理解出来ない部分は多々ありましたが、目をギラギラさせながら、講師の話に耳を傾けていました。

気がついたら、最後の質疑応答で手を挙げて、マイクを握っていました。

そこで、自分は医療従事者でないこと、フィットネス分野で指導している事を正直に告げて、「ドローイン」について、講師の先生に質問しました。

講師の前まで行き、スーツ姿で、仰向けになり、お腹を出して、息を「ふぅー」と吐きながら、お腹を凹ませる動作を行い、講師の先生に聞きました。

「これは、腹横筋に効いていますか?正しいですか?」
僕の空気の読めない行動で、会場は、少しピリついていました。舌打ちも聞こえました。

すると講師は、言ってくれました。

『確実に、腹横筋に効いています。後、腹横筋だけではなく、腹筋群(腹筋全体)が働いています!』
『自信を持って指導して下さい』

▫️あへあほ体操の誕生秘話

この研修会の出来事のおかげで、ドローインやその他の運動を自信を持って指導出来る事になりました。

教室に通ってくれている生徒さんからも喜びの声を頂く事が増えてきたある日...

1人の生徒さんが言ってくれました。

「この教室の運動で凄くカラダが楽になってきている。ただ...
家に帰ったら忘れてしまうの。もしかしたら運動ってインパクトが必要なんじゃないかな、、」

衝撃的でした。
運動にインパクト!

その日から、運動×インパクトを探し続けました。

そこで、やっと思いついたのが、ドローインにインパクトのある発声をつけるというアイデア!

▫️ハ行の発声から、あへあほへ

ドローインにインパクトある発声を組み合わせようと悩んでいたある日、改めて「ハ行」は、空気をたくさん使う言葉だと気づいたのです。

口の前に手のひらを当てて、
「アイウエオ、カキクケコ、マミムメモ、ハヒフヘホ、」と息の出かたを確かめていたら、明らかにハ行だけ、手のひらに当たる空気量が違いました。

「これだ!!」と思いました。

考えてみたら、武道とかでも、「ハァ!」とか「フゥー」とか、「カメハメは!」とか、腹に力を入れる言葉、パフォーマンスを上げるのに、「ハ行」を使っていたのです。

そこで、考えに、考えて、
「へ」と「ほ」で、お腹を凹ませる『あへあほ体操』が生まれました。


▫️あへあほ体操を信じ続けて17年

この言葉「あへあほ」を思いついた翌日、教室の生徒さんに、いきなり伝えたのです。

それが、20075。僕が27才の時..

その日から、「あへあほ」の可能性を信じました。

3〜4年は、1人で「あへあほ」をやり、徐々に仲間が増え、あへあほ体操教室が展開され始めました。

口コミやメディア出演の影響もあり、教室や認定インストラクターの数はどんどん増えていきました。

2020年には教室が100クラスにまで増えたのですが、そのタイミングでコロナ禍に突入し、教室は半減してしまいました。逆境の中でも、僕らは「あへあほ」の言葉を信じ続けてきました。

気がついたら、17年。
2024年 僕は、45才になっていました。

◽️研究チーム結成

コロナ禍に負けずに、現場で必死に指導を続けていました。無我夢中で、オンラインでLive配信を行い、オンライン教室を立ち上げ、医療現場との連携も増やし、認定インストラクターが44名になりました。

その頃に出会ったのが、理学療法士で、リハビリテーション科学修士でもある大野先生です。

大野先生とは、とある会合で初めて会い、お話をさせて頂き、その翌日には、「学ばせて欲しい。」と連絡をくれたのです。

あへあほ体操を元々知ってくれていた大野先生。

大野先生がこう言ってくださいました。

「しものさんが歩んできた道は、これまで理学療法士が出来なかった事で、これから理学療法士が取り組んでいかなければならない道なのです。」

そう熱く語っていただき、さらに「学ばせて欲しい」とまで言って頂きました。


その数カ月後には、大野先生が非常勤講師を勤めている西野学園 札幌リハビリテーション専門学校で、理学療法士を目指す学生さんに向けて、僕がやってきた事を講義させてもらいました。

その講義を立ち見してくれていたのが、現在、研究チームのメンバーで、学科長の黒澤先生でした。

その後、黒澤先生の強い推薦で、西野学園 札幌リハビリテーション専門学校の非常勤講師にも就任し、同時に、あへあほ体操の共同研究も始まりました。

この珍しい取り組みが、メディアでも話題になりました。

さらに、保健科学博士で北海道大学客員研究員でもある片岡先生も仲間に加わり、研究チームのメンバーが揃いました。

左から、しもの、大野、黒澤、片岡


この研究メンバーで、あへあほ体操の研究、そして学会発表という未知の領域に挑むことになりました。

それぞれの専門知識と経験を持ち寄り、学会の日を迎えました。誰が欠けても実現しなかったこの挑戦。全員が同じゴールを見据え、互いに力を注ぎ合ってきたからこそ、このステージに立てました。


▫️学会発表を終えて

制限時間内で発表を終え、会場の方々の質問に答え、全てか終了した時には、大野先生は泣いていました。

学会後は、4人で肩を組みました。

理学療法士でない僕が、日本予防理学療法学会という舞台で、代表者として発表出来た事実。
支えてくれた仲間たちがいたからこそ成し遂げることが出来ました。

いつも研究チームのメンバーが「しものさんは現場で実践している」と褒めてくれます。
それは、僕ら、「あへあほ体操」の17年の歩みを全肯定してくれているようで、とても励みになります。

どんな状況でも、諦めずに、あへあほ体操を続けてきたからこそ、最高の仲間に出会えました。

次は、国際論文への投稿
そして、海外での学会発表を視野に挑戦は続きます。

そして、日々の現場を大切に。

あへあほ体操創始者 しものまさひろ


追伸...
いいお酒が飲めました。

学会終了後、仙台某所にて🍺



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