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参加者その後File.02_abc family株式会社_南中花子さん

2018年5月に日本橋ライフサイエンスビルディングにて開催したAngelHack Tokyo2018。ヘルスケアの課題解決をテーマにし、そこからサービスローンチまで目指すといった日本独自の形式で実施しました。

参加者はその後どのように活躍しておられるのでしょうか?
第2回目はハッカソン前の2017年1月に起業をされ、課題やアイディアの着想のブラッシュアップを期待してご参加されたabc family株式会社代表の南中花子さんにお話をお聞きしました。

A:現在着手されているサービス「はつらつ」の概要を教えてください。
リハビリ専門職の業務を改善できるサービスです。介護施設のリハ職のサポートのみならず、介護報酬の申請に必要な書類を簡単に作成します。
2018年の8月に開発を着手し、APT Womenの3ヶ月間のアクセラレーションプログラムを経て、2018年11月にSaaSのサービスをローンチしました。


A:南さんはすでに起業されていたかと思うのですがAngelHack Tokyoにご参加されたきっかけは?
:現在のサービスについて自分自身の介護家族の目線からサービス提供をするのか、医療現場の目線からサービス提供をするべきか決めあぐねていました。
そんな中で介護に関わる他職種の方から課題に関して意見をもらいたいと考え、AngelHack Tokyo2018に参加しました。

A:過去にハッカソン参加のご経験は
:私自身がクラウドサービスの開発を得意とするエンジニアで、過去にハッカソンのような開発イベント自体にも何度か参加したことがあります。技術寄りのものが多く、現場の目線を入れたり、サービスを体系立ててつくるようなものの参加経験はあまりなかったかなと思います。

A:参加されて。実際得たものはありましたか?
ヘルスケア分野での繋がり、より精緻な意見交換ができるようになりました。特にソーシャルワーカーさんなどこれまで接点のない方から働き方などをお伺いすることができたことは介護業界を知る上で重要な機会でした。
また、ピッチに関しても最初少しためらっていたところもあったのですが、AngelHack Tokyoの参加をきっかけに慣れるようにもなりました。
審査員やメンターの方にVCの方やフィードバックをいただけ、それも参考になりました。

Aメンターさんや審査員などハッカソンで出会った人たちとの関わりは今も続いていらっしゃるのでしょうか。
:ハッカソンで出場された方とはお互いに繋がりがあります。切磋琢磨しつづけることもそうですが、アクセラレーションプログラムや展示会の情報共有、お仕事のご紹介など幅広いお付き合いをさせていただいております。

A:それでは今度は南さんご自身に焦点を当てたいと思います。起業されようと思ったのはどのタイミングですか。
:起業しようと思ったのは高校卒業のタイミングです。父が脳梗塞になった時はちょうど受験の時で学校の先生や親友にも相談できない状況でした。
そんな中で無事に大学に進みましたが、脳梗塞ならではの状況で何度か倒れることがありました。社会人になって、他の仕事に携わっている間もその状況に対して、常に悶々としていたことがこの事業を始めるに至った経緯です。
社会人になってからも、フリーランス的にスタートアップの起業に参画したりして起業がどのようなものかを実体験してました。
立ち上げの段階で協力したりアイディアの提案の質が求められるものだと気付きました。

A実際の起業のタイミングについてはどのようにお考えだったのですか?
: クラウドの分野は精緻な技術を求めればスキルアップやスピードなど真似はもちろん難しいですが、技術が以前より一般化されてきたと感じていたことと、起業するならできるだけ早い年齢でチャレンジした方が良いと考えました。失敗のリスクも少ないはずですし、時間が経つと同じことを遂行するにも難易度は増すのではないかと考えていました。

A起業された中でご自身が得られたものは
:起業してからは大手有名コンサルの方にアドバイスなどをうける機会もあり、スタートアップに参加して成果を出すならば、手元の作業で実績を上げることや困難に当たったときの人格や課題処理能力、多事例を参考にした説明能力も必要だと感じました。どんな時も自分の発言や説明力や行動力でしか、信頼関係は築けないと感じています。

A:南さんの事業の着想ポイントを教えてください。
:単独でソフトウェアとして成り立ちやすい部分はどこかということと将来的に、他のソフトウェアとも連携しやすい部分なども加味して開発をスタートさせました。
また、私はエンジニアだということもあり、「考えるという負担」を減らしたり、「時間がかかる負担」を減らせるような価値をソフトウェアを通して提供できることはとても価値のあることだと感じていました。
また尊敬できる方から「時間が短縮するソリューション(コストを削減する)」、「アウトプットとして先方の売上を上げる」ということは大変価値があることだとと教えていただきました。その点、弊社のサービス「はつらつ」は介護申請も楽にでき、今まで時間がかかっていた自主トレの作成をわずか1分で作成することができます。
これはデイケアなどで100名近く入居者様を抱えていらっしゃる理学療法士の方にとっては、かなり大きなメリットを与えられるのではないかと感じております。

A今のチーム構成は?
: 私を入れて4名。エンジニア一人、コンテンツサポートとして理学療法士とアスレチックトレーナーにサポート頂いています。

A事業の将来の展望を教えてください。
高齢化の進んでいる東北などのエリアでしっかり実績を積んでいきたいと思っています。また、海外に対する意識がつよく、ヘルスケアスタートアップの中には海外でも挑戦している方がおり、弊社も挑戦したいと思っています。
例えばオフショアの場合、中国・東南アジア・アフリカの国の順で広がりや事業機会があったように、介護の分野も日本を皮切りに韓国や中国の東アジアで挑戦できる課題だと思います。
また、さらなるサービスの品質の向上。自分自身で感じた解きたい、解く価値がある課題を納得できる品質で届けたいです。

A:エンジニアならではソリューション視点から自らサービスを設計し、介護の分野で事業をローンチされた南さん。今後の展開に注目するとともに応援をしたいと思います。ありがとうございました。


abc family株式会社 
代表取締役社長 南 中花子
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大学卒業後、エンジニアとして大手建設業のメディアやSaaSなどの開発・運用を経験。
その後、プロジェクトマネージャーとして1年で200名に成長した海外オフショア組織立ち上げから営業までの幅広い範囲を経験。
自身の親の要介護認定を契機に介護業界へ関心が深まる。介護ボランティアを通して、日本の介護環境が少しでも良くなるサービスを作りたいという想いでabc family 株式会社を創業。
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