見出し画像

企業ストーリー|株式会社リ・バース「定着率98%。今いる社員を大事にすれば業績は伸びる」

こんにちは。エージェントセブンの小須賀です。

最近隠れた名企業の記事を読んでくださった方から、「応募したい」「提携したい」といった声をいただけるようになり嬉しく思っています。

今回の隠れた名企業vol.4はこちら!

株式会社リ・バース
http://re-birth-it.com

この会社、凄いです。
離職率の高いIT業界において「社員の定着率98%」を維持しながら業績を伸ばし続けています。


今回お話を伺ったのは代表取締役 古川 英征氏

画像1

なぜこの実績が出せるのか、どこに秘訣があるのか聞いても、「普通のことをしているだけだよ」と仰る古川さん。同社が考える「普通」とは何なのか、とことん聞いてみました。


■一言でいうとどんな会社?

2013年に設立された社員数100名弱の独立系SIerです。
プライム案件・一次請けがメインで、プロジェクトマネージメント・Web開発 に強みをもっています。
設立以来業績はずっと右肩上がり。社員の半数がリファラル採用 、定着率98%という社員満足度の高さを誇ります。

■会社の特徴

営業職は0人。エンジニア全員が顧客の期待を超える仕事をすることで、リピートと紹介を中心に 仕事を獲得している。
相見積もりとられた時点でお断り。「安ければどこでも良い」というクライアントの仕事は受けない。
・常に安定的に高品質を届けることを重視。実現するための”良い仕事の定義”を明確に設けている。
エンジニアの能力を最大限に引き出すアサインメントをするため、部署を作らずフラットな組織にしている。
・自社の数字のために仕事をしない。だから売上目標は掲げない
・業績は右肩がありで成長。設立以来黒字化経営を継続
年に一度の社員旅行は家族同伴OK。交際費(飲み会代)は会社が負担。
・その結果、社員の半数がリファラル採用、社員定着率98%!

■創業ストーリー

代表取締役の古川氏は、同社を設立前は1000名規模のSIerで役員をしていました。25年間在籍していたほど素晴らしい会社でしたが、規模が大きくなるにつれて売上や利益を優先せざるを得ない状況になり、社員の負担が増えて離職率が増加。当然その環境では顧客に提供するサービスの品質も下がり、理想とずれていくジレンマを感じました。
一度会社を離れて考えた結果、自分が考える「理想の会社」を0から作ることを決意し、リ・バースが誕生します。

■リ・バースが目指す理想の会社とは?

画像2

古川さん
「利益を出すためにはクライアントのためになることをやるのは当然ですが、社員の満足度が高くないと良いサービスは提供できません。クライアント・社員・会社どれかが優先されるのではなく、すべて並列で対等であるバランスが理想だと考えています。

この仕事は人が辞めることが一番サービスや業績 に影響をうけるので、いい人が辞めない会社を持続することが大事だと思っています。
最初から辞めたいと思って入ってくる人はいませんよね?仕事をしていくうちに、徐々に辞めたい理由が出てくるんです。

・やってることと給料が見合わない
・残業が多い
・新しい仕事がしたい
・上流にいきたい
・人間関係

エンジニアが辞めたくなるのは大半がこうした理由ではないでしょうか。
このような問題が起きないようにすればいいだけです。

リ・バースでは長年関係性のある優良顧客の案件を中心に受注しています。
高圧的なお客さんから『今日中にやれ』とか言われるような案件は受けないし、社員の成長に繋がるような仕事をひとりひとり考えてアサインメントしています。

素晴らしいクライアントと対等に仕事ができて、自身の成長に繋がるプロジェクトがあって、労働環境や人間関係のストレスがない。社員が長く働きたいと思えるように、こうした環境を整えたいと思っています。
そのためにはクライアントの期待を超える仕事をすることが大前提ですが。」


小須賀
「とても理想的で、実現できたら素晴らしいと思います。どうやってその環境を作っているのでしょうか?」

■理想の会社はどう作るのか

①常に高品質を届ける。
古川さん「ソフトウェア会社は、商店街のラーメン屋と同じです。
一見美味しそうな看板が出てても、入ってみたら麺が伸びてる、水がぬるいなど、店に入ってみないとどんなラーメンが出てくるのかわからない。

例えばメーカーだったら、商品を出す時にサービスが画一されていないとおかしいですよね。でもソフトウェア会社は、同じ会社に頼んでいるのに、担当する人や状況によって受けられるサービスレベルが全く違うんです。
10個のシステムを依頼したら、2つは高品質、3つは失敗、残りの5つは普通みたいに、当たり外れがあることが当たり前になってしまっている。

だからリ・バースでは品質を保つことを何より大事にしています。
やっぱりここに頼んでよかったなと思ってもらえるような仕事をずっと続けていくことが大切です。

②営業職はいらない。現場のエンジニア全員が営業である。
まず、システム開発の現場で問題がおきる要因はシンプルで、
・できないのにできると言ってしまう
・人が足りていないのに案件を獲得してしまう

だいたいこのパターンです。
営業組織を別に置くと、営業は売上目標があるのでなんとか達成させようとする。
すると現場のことを無視した仕事もとってきてしまう。
その結果、人が手配できないとか、無理な体制になりトラブルが起きるのです。

だからリ・バースでは製販分離の体制にしません。現場のエンジニアひとりひとりが自分の顧客の期待を超える仕事をすれば自然とリピートや口コミで仕事が増えていくのです。

売上目標を掲げないのも、社員にはクライアントに向き合ってほしいからです。
売上、利益は当然意識しなければいけないですが、それが目的になってはいけないんです。

③相見積もりをとるクライアントとは取引しない。
ソフトウェア業界の経営における一番の課題は不景気になった時です。
不況になった時に社員を切らなくてはいけなくなるのは最悪の事態です。

だから世の中が不景気になった時にこそ、自分の会社が不景気にならないようにするのが経営者の仕事だと思っています。

バブル崩壊、リーマンショック、9.11、3.11といろいろ浮き沈みありました。
バブル崩壊時、相当厳しい経験をし、いろいろな思いをしましたが、そこから学んだことがたくさんあります。
相見積もりをとるということは、どの会社でも安ければいいということ。仕事がある状態でその考えなら、仕事がない時にはもっとその傾向が強くなります。そんなクライアントに汗水たらして努力する時間があるなら、うちの会社とやりたいと言ってくれる信頼できるクライアントに注力したいんです。

多くの会社の中からリ・バースを選んでくれているクライアントには絶対に失礼なことはできません。最終的には絶対責任を果たすスタンスで向き合います。だからこそできないことはできないとハッキリお伝えします。
お互いに感謝しあえるような関係で仕事をするのがうちのスタイルです。」

④「良い仕事の定義」を明確に設ける
い仕事の定義は個人の価値観でそれぞれ違います。でも会社という同じ船に乗ったとき、みんなが違う方角を目指してオールを漕いだら船は進みません。だからリ・バースとして”良い仕事とは”を明確に定義し、みんなが同じ方向を目指してまっすぐ進めるようにしています。

・その仕事に発展性はあるか?
・メンバーの成長に繋がるか?
・リ・バースの存在感を示せるか?

など、リ・バースが考える良い仕事の定義をまとめた「RMB(Re・Birth Method Book)」という小冊子を入社時に全社員に渡しています。

画像3

1冊すべて読み終わると、業界構造はもちろん、給与はどう支払われるのか、景気が悪化した時でも選ばれ続けるためには何が必要かなど、ビジネス知識が身につくようになっています。
エンジニア全員が技術だけではなくビジネス視点をもって仕事に取り組めるように教育している会社はなかなかないのではないでしょうか。

「利益が上がる→社員の条件がよくなる→良い人が集まる→良い仕事ができる」という好循環が埋まれることをみんなが理解しているのです。

■私がオススメしたい理由

①社員全員が、自分のためではなく、クライアントのためになることを考えている
最近は「市場価値をあげたい」という方が増えています。
自分のスキルアップ、キャリアという目線で仕事を選びがちですが、リ・バースでは“決して自分のために仕事をしてはいけない”と考えています。
“クライアントのために良いサービスをどう提供するか”という目線で、そのために必要な技術や知識、方法を主体的に考えるべきというスタンスが浸透しているのです。
採用においても、自身の市場価値が一番大事な方はミスマッチになるので採用しません。

古川さん「ノウハウというのは、クライアントのプロジェクトを成功させたいと強く願い、考え、本気で取り組んだ人だけが得られるものです。ノウハウを得ようと思ってプロジェクトに取り組んでも何も得られません。」

この仕事をしても自分は成長しないのではないか、あっちのプロジェクトの方が面白そう、新しい技術が身に付きそう、など自分のことだけを考えると隣の芝生が青く見えるものですが、改めて「相手のために」を起点に考える重要性を教えていただきました。

②会社は野球と同じ。最高の試合をするためのチーム作りが鍵。
古川さん「会社は野球と一緒です。中にいる人は同じなのに、監督が10人いたら10通りの全く違うチームができるんです。

ピッチャー向いてない人に無理やり投げさせたり、足が遅い人を1番バッターにしたら負けますよね。でも、もともと適性が異なる人を見当違いなところにアサインしてしまっていたとしたらそれは任命責任です。会社ってこうしたミスマッチがたくさんおきている場所だと思います。
常にひとりひとりの適正をみて、強いチームをどう作るのかを考えています。

外からどんどん連れてくるのではなく、今いる社員が最大限力を発揮できる役割を任せることで絶対に勝てるチームになると信じているんですね。

③今いる社員を一番大切にする
野球チームの話にも通じるように、今いる社員が活躍できること、安心して働けることを最も重視している同社。
福利厚生も、リ・バースならではの社員想いの制度がたくさんありました。

『交際費・飲み会代は会社が負担』
社員同士の飲み会、パートナーとの飲み会など、仕事に関わる交際費は1回につき1人5000円まで、回数無制限で支給されます!
普段客先に常駐している社員が多いため、社員同士が気軽に交流しやすいように設けられた制度です。

『社員旅行は家族同伴』
1年に1度の社員旅行は、社員の家族も同伴OKです。
「家族がどんな職場で働いているのかわかると安心する」という声も多いようです。
旅先では古川さんが社員のお子様と一緒に釣りをしたり、船に乗ったり、全力で遊びます。
なんと旅行のアルバムは古川さんの手作り!(全員の家族が写っているかひとりひとり確認しているそうです!)

画像4
画像5

■最後に

高品質を徹底するプロフェッショナル集団で、業績は右肩あがりで成長。
帰属意識を持ちづらい客先常駐の仕事が多い業界でありながら、リファラル採用が多く、 社員定着率98%…
なかなかこうした会社には出会えません。

古川さんに「御社は本当にすごいんですよ」と言っても、「普通のことしてるだけなんだけどね」とお答えになるのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?