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インスタグラマーが独立するまでのポイント整理

どうもこんにちは、栗山喬@age_cox です。

フリーランスのフォトグラファーとして独立して2年ちょっと経ちました。現在は主にローカル地域の風景を撮りながら、行政団体や企業のプロモーション企画の立案や撮影をしてるんですが、その前はまったくの異業種でサラリーマンをしてました。

独立まえから現在にいたるまで、Isntagram上で写真を投稿しながら社会に自分を知ってもらっていったので、取材してくださる方やクライアントからは「インスタグラマー」と呼ばれたり、自分もときどき戦略的にそう名乗ることもあります。

自分は現在、福岡県の北九州市を拠点に活動してるんですが、他県にお住まいの風景を撮っているインスタグラマーの方達からコンタクトを頂くことも多いです。なかには、わざわざ北九州まで訪ねてきてくださる方も。

で、そのコンタクトのなかで一番多いのが「Instagramきっかけでフリーランスのフォトグラファーになるためには?」という質問や相談なんですよね。

ということで、いろんな方の相談にのってる間になんとなく「インスタグラマーが独立するまでのポイント」みたいなものが自分のなかで整理されてきたので記事で残しておこうと思います。

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まず今回の記事ですが、一番相談が多かった「異分野の会社での雇用状態からフリーランスへシフトするためには」という設定で書きました(自分もそれしか経験ないし)

内容としては、撮影とかの物理的なスキルじゃなくて考え方とかマインドについての整理です。

というのも、やっぱり考え方とかマインドが一番大切だと思ってるんですよね。活動の基盤になる部分だから大事だというのもありますし、撮影スキルみたいなものは短期間じゃあんまり変わらないけど、考え方は一瞬で次元が高まったりするので学習効率も良いと思うからです。

1. 自分の写真が社会に価値を提供する、という意識を持つ
2. 仕事がきてから独立するんじゃなくて、独立したから仕事がきはじめる
3. どうやって独立するか < いつ独立するか < どうやって仕事を増やすか
4.
開業する / 順調そうに演出する
5. Instagramきっかけで独立するなら2019年までに
6. 結局、やるかやらないか


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1. 自分の写真が社会に価値を提供する、という意識を持つ

自分オリジナルの色味を研究したり、他のインスタグラマーと交流したり、フォローワーの増減の動向を気にしたりみたいな活動って、反応が返ってくるし数値結果が見えるし、SNS特有の仲間との繋がりが楽しいですよね。

それはそれで自分も楽しんでるんですが、それを繰り返しながら「いつか仕事が来たらいいなー」と思ってるだけだと、なかなか仕事は来にくいと思います。

それだけじゃなくて「自分が撮った写真が社会にどんな価値を提供できるのかなと想像することが大事かなと。

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そもそも仕事でお金を稼ぐって、自分が社会に何かしらの価値を提供して対価を受け取るってことですよね。なので、自分の写真がどんな価値をクライアントに提供できるか具体的に想定できないなら、たぶんクライアント側もその人に依頼する仕事の内容が見えないということだと思うんですよ。

戦略的に考えるなら「自分は写真を通して社会にこんな価値を提供できるし、もうInstagram上で誰に頼まれなくてもやってます!」ということをblog等で発信したり、クライアントとなり得る人たちの前で常々スピークしてれば自ずと状況は好転すると思います。

あとは、すでに写真やグラフィックデザインや文章とかを制作するような仕事の親和性が高いクリエイターと繋がることも効果的かなと思います。その人たちと一緒に価値を提供できるような仲間になることで、いままで思ってもいなかった新しい提案ができるようになったり、仕事の依頼がくるかもしれないですね。

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自分の場合は、大都市でも有名観光地でも絶景があるわけでもない日本のローカル地域に魅力を感じていて、自分の写真がそういう地域の未来に貢献できたら嬉しいなと思っています。

なので普段からいろんな地域を訪ねて写真を撮ったりInstagram等で情報発信してるんですが、結果的にそういうローカルの魅力を発信するような仕事を依頼されることが多いです。

そういう活動や仕事をしているうちに、自然と価値観を共有できるフリーランス仲間とも繋がっていって、自分ひとりでは出来ないような、より大きな企画も提案できるようになってきました。

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2. 仕事がきてから独立するんじゃなくて、独立したから仕事がきはじめる

Instagramでフォローワーが増えてくると、アカウントを見つけてくれた人や会社から撮影案件のお誘いが来たりしますよね。

案件の大小はあると思いますが、時計タダであげるから撮ってインスタに載せほしい、みたいな連絡はみんな一度は来るんじゃないですかね。フォロワー数の目安でいうと5000人ぐらいでしょうか。

で、自分の写真の腕が上がったりフォロワー数が増えて来ると、きっと誘われる案件も大きくなって稼げるようになるから、そしたら独立するぞ!て考えてる方が結構多い気がするんですよ。

そのルートを否定はしませんが、自分は考える順序が逆だと思ってます。仕事が来はじめたから独立しようじゃなくて、思い切って独立したから仕事が来はじめるんですよね。

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自分はサラリーマン時代、どちらかというとクリエイターに仕事を発注する側でした。ポジション的には課長職ぐらいだったんで、完全な決定権限はないけど発注先を探したり社内提案するような立場でした。

で、フォトグラファーやグラフィックデザイナーをアサインしようと思う時にどのような思考でそのクリエイターを選ぶかというと、まずその人の作り出す作品の素晴らしさはその人を知るうえでのキッカケであり、選考基準の一つでしかないということ。

作品の素晴らしさを踏まえたうえで大事になってくるのが「文章として説明できる実績があるか」「安定して活動しているか」みたいなところなんですよね。

なぜかというと、まず、そのクリエイターが社内で推せるような実績が無いと上司から発注許可取るの大変なんですよ。とくに知り合ったばかりの人を間接的に褒めるプレゼンって、社内であっても結構ハードル高いんです。

あと、仮にそのクリエイターに発注することが決まっても、納期が迫った頃に「やっぱり出来ませんでした」みたいなことになったら堪らないので、相手が安定して活動できている(ex. 独立している、チームで活動している)ことは必須なんですよね。

おまけで言うと、クリエイター当人のWebページで活動実績や活動歴が追えるようになっていることもすごく大事だし、クライアント界隈での評判(信頼や人柄含む)も大事だと思います。そのへんの話は、作品自体の素晴らしさとは別次元の話です。

「クライアントが安心して発注しやすい」ということも立派なフリーランスのスキルの一つだと思います。

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3. どうやって独立するか < いつ独立するか < どうやって仕事を増やすか

フリーランスって独立する前から現在に到るまで、それぞれのフェーズで悩みは絶えません(ま、仕事全般そうですけど)

けど、自分はフリーランスになってみて、振り返るとそれぞれのフェーズでの悩みやその苦しさにはかなり違いがあったような気がしてます。

具体的に振り返ると、まず「どうやって独立しようか」と考えている時期の悩みが一番辛かったです。

自分の場合、写真が撮りたくて独立したわけではなく、独立するための手段が写真だったわけですが、「自分の写真を誰かが買ってくれるためにはどうすればよいか?」「他のフォトグラファーと競争せずに自分が選ばれる必然性は?」「何をどれぐらい撮ることをいくらに設定しよう?」みたいなことを考えるのが一番大変でした。先が見えない不安が大きかったんですね。

で、そのつぎに「いつ独立するか」で悩むんですよ。

「次のボーナスまでもらうか、次の次のボーナスまでもらおうか」「失業保険は半年後からしかもらえないけど何月頃にしようかなー」「いつ独立宣言したら目立つかな」みたいなことを考えてたんですが、悩みながらも気づくと少しワクワクしてる自分もいました。

そしていざ会社辞めて活動し始めると「どうやって仕事増やそう」という悩みが出て来ます。

「ご祝儀的に知り合いが仕事発注してくれたけど、今後安定するためにはどうしようか」「いまだいたい月○万円ぐらい稼げてるけど、働く時間と稼ぐお金の幸せなバランスはどんな感じかな」「写真撮る以外にも誘われる仕事もあるな」「なんか企画自体を提案できると仕事の幅広がるな、というか年間契約たのしいな」みたいなことを考えるわけです。

もうお気づきかもしれませんが、これはもう悩みじゃありません。ただ毎日楽しく戦略練ってトライ&エラー繰り返してるだけです。真剣に考えてはいるけど1ミリも悩んでないんですね。

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ということで、独立より前になればなるほど悩みは深くて、一つ一つ決断していけばドンドン悩みは減っていったんですね。

独立すると決める・仮の事業メニューを決める → いつ独立するか決める・開業届出す → もっと楽しく沢山稼いでいく方法を考える、という感じでフェーズが進むにつれ悩みの質が変わりつつ、どんどん楽しいことが増えていきます。

だから、独立する前に「いま辛いなー」と感じている人がいたら、どんどん決断して行動すると良いと思います。嘘のように悩みが減っていきますよ。

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4. 開業する /  順調そうに演出する

人によって現職の種類も雇用条件も違うと思いますが、もし副業OKとか申請すれば確定申告を自分でやっていい会社だったら、すぐに開業届を出すことをおすすめします。

2.で書いたとおり、独立しているだけで仕事が来やすい面はあると思うので、たとえ写真が副業だとしても開業して屋号名乗って活動してるだけで信用されやすいと思います。要は、他人から(クライアントから)の見え方が全然違うんですよね。実際、自分が発注側だったときは、そう感じてました。

あと写真に関する機材ってカメラ本体からレンズから、フィルムや現像ソフトのランニングコストまで含めるとかなり高額じゃないですか。だったら、早く開業して全部経費にできるようにしたほうがいいですよね。写真を撮りにいくための交通費や宿泊費もしかり。

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他人から(クライアントから)の見え方で言うと、とくに自分みたいな独立後初期の人に言えることですが、なるべく順調そうに自分を演出することも大事だと思います。

もちろん嘘は論外ですが、Webページに載せる自分の撮影実績も、載せる業務名やその順番などを他人から見て印象に残る・信頼を得やすい見え方を意識して載せるのが大事だと思います。

ときどき、blogやSNSでフリーランス生活のトラブルや愚痴みたいなことを書く人がいるんですが、自分はそういう発信はしないように心がけてます。書いた自分はスッキリするかもしれませんが、書き方によっては社会的な信頼を失うリスクがあるかもしれないので。

自分の発言や発信する文章が他人からどう見えるのかを意識することは、今の時代は特に重要だと思います。基本的にフリーランスには、自分を守ってくれるような会社組織はありませんしね。

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5. Instagramきっかけで独立するなら2019年までに

自分みたいに日本の風景を中心に撮影しているインスタグラマーは特にそうだと思うんですが、海外からどう見られているかを意識することも大事だと思います。

自分のフォロワーの86%は海外にお住まいの方なんですが、日々のコンタクトのなかで日本という国自体や観光に対する質問やコメントも結構多いです。

体感として、2020年の東京オリンピックをピークに海外からの日本への注目度は高まっていくと思います。なので、その波に効率的に乗ろうと思うならInstagramきっけで独立するのは2019年までがおすすめかなと。

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2019年までだったら日本のインスタグラマー自体がある程度注目されていると思いますし、自分が想定していないような海外からの追い風も吹くかもしれません。

あと戦略的なことを言うと、2020年に向けて海外からの観光客増員を目指して、国内でも新たな企画を立ち上げたり予算を増額する行政団体や企業は結構多いんです。

だからこそInstagram上で海外に向けた発信をしているインスタグラマーが企画に協力できる場面が増えてるんですよね。撮影するテーマだったり撮り方、時期やキャプションで伝える内容など、インスタグラマーだから提案できることは沢山あります。

もちろん2020年以降も他の潮流や、それに合わせた戦略は立つかと思いますが、2019年までの波に乗らない手はないと思うので独立を考えている方はぜひ一緒に乗りましょう。

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6. 結局、やるかやらないか

そんなこんなで、気をつけたほうが良いこととか戦略的に取り組んだほうが良いと思うことなどあるんですが、一番大事なのは結局やるかやらないかなんですよね。

いまの職業にもやりがいとか安定した給料とかの魅力もあるだろうし、独立することには不安や周囲の人たちからの反対もあったりしますよね。たぶん、独立しない理由は山ほどあると思います。

その山ほどある理由と「独立してフリーランスで働いてみたい」というたった一つの気持ちを天秤にかけみて自分が判断するだけです。

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どんな働き方をしていても写真は撮れるし、それは写真の質や自分のクリエイティビティとは別の話です。仕事で写真撮ってる人より上手く撮れるサラリーマンの方も沢山いらっしゃると思います。

だからこそ、結局は「独立してフリーランスとして働いてみたい」かどうか、判断基準はそれだけです。

そしてその気持ちが強いなら、現職の魅力や将来への不安、周囲の反対なんて全部乗り越えられるんですよね。だって自分の人生なので、判断するのも責任取るのも自分自身。

自分が勇気を出して決断したなら、周りにはきっと応援してくれる人が残ります。一緒に仕事をしたいと言ってくれる人も絶対現れるし。

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最後に

ということで、自分が独立するまでのポイントとなったような考え方を振り返りましたが、多分に自分への勇気付けや自戒の言葉もあったと思います。

意識して前向きな考え方とか戦略的な判断みたいなものを中心に書きましたが、もちろん実際にはうまくいかなかったことやネガティブに考えたときもありました。

けど、こんな感じでポジティブに自分の思考を振り返ることができたのは、いま現在、自分が毎日楽しく働いているからなんですよね。北九州に住みながら様々なローカル地域の仕事を中心に、写真を撮ったり企画を提案したりしてるんですが、本当にこの生き方を選んでよかったと思っています。

テーマの性質上、フリーランス礼賛主義だったりInstagramのビジネス活用を推奨してるように感じられる部分もあったかもしれませんが、そのあたりは自分がそういう仕事をしているということを差し引いて読んでいただければ幸いです。

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