5月29日(金) 今シーズン初めて夏影を聴いた日

未来のえすも様
読者各位

お世話になっております。えすもです。

掲題の件につきまして、
本日昼休みに街を歩いていた折、夏としか言いようのない情景に胸を衝かれ、
今シーズン初となる『夏影』(作曲:麻枝 准)を拝聴しましたことをご報告致します。

以上、宜しく御願い致します。

何を?
奔放に長文Yahoo!メールを打ち合っていたあの頃に戻りたい。

そういうわけで本日は夏の手前に建つ城(会社の隠語)へ足を伸ばした。それは土曜日の手前に建つ城でもあった。
病みもせず喜びもせずといった時間を過ごしていき、昼は前述の通り炎天下を歩いた。
夏というものが実在したことに驚き、その驚きの感触にまた驚いた。油断すれば熱中症になりそうで、去年持ち歩いていた塩タブレットを思い出す。

夕方、感染症予防の貼り紙を貼ろうと誰もいない会議室に入ると思いがけないほど西日が射し込んでいた。柔らかに漂う金色の光、壁に描かれるブラインドの影、労働現場であることを凜と拒否するような光景だった。
ブラインドを指で下げて外を覗く動作を思わずやってしまった。窓の向こうに輝く恒星は間違いなくこの城から望める最も美しい存在だった。

サボり場(トイレの隠語)で沢山サボった成果もあり終末は早く訪れた。紺色のハードパステルを擦り広げたような空の下、自由へと帰還する。

朝は『東方フィルハーモニー交響楽団10 秘』とかいう恐ろしい完成度のCDを二周したから帰りは『東方フィルハーモニー交響楽団11 神』に進む。
これでようやく10日前に大人買いした交響アクティブNEETsのシリーズを一通り聴けた。第1バイオリンの伊藤友馬さんがひたすらに神だった。
それでやっぱり私は私の手で東方の曲を奏でてみたいと10年越しに思う。

約12年前から憧れ続けたバイオリン、二回始めて二回ともすぐ挫折したアコギ、何も作らないまま三日で飽きたDTM、それが私の音楽経験の全てだった。
逆に言えば楽器を習わされなかったからこそ音楽への純粋な憧れが持続している。鑑賞の解像度は低いけれど自分に寄せてネガティブな気持ちを喚起することもない、そういう聖域としての音楽をリスペクトし続けるのも手ではある。
それでも好きな曲を一曲も奏でずに死ぬのはあまりにも無念だ。ピアノをやってみようか、家にあるし。

地元駅に帰還し、有安杏果さんが表紙を飾るカメラ雑誌を本屋で買おうとしたが税抜2700円だったためひとまず立ち読みをした。有安さんがライカで撮った作品も、有安さんをライカで撮ったハービー・山口さんの作品も非常に良くて胸が踊る。
本屋を出て歩いているとこれは、と思う光景があり、いつもなら人目を気にして通り過ぎるところをなんとか立ち止まって相棒のフィルムカメラを向けた。やはり良い写真は写真を撮らせる。
二回シャッターを切ると自粛中に長々と撮り継いで来た36枚フィルムが終わった。

夜はカレー。まさにNavy。
と毎週のように書いてきたが、参照してきたはずの「まさにNavy」というリリックは存在しないことを知った。「まさにWavy」「フリーキーなNAVY」「カレーはフライデー」が頭の中で混ざった結果だった。
この度は大変ご迷惑をお掛け致しましたことを、心よりお詫び申し上げます。

以上、宜しく御願い致します。

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