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教育者ほどビジネスパーソンであれ!

私は教育をやりたい人なので、絶賛転職活動中の現在も教育系の会社さんをいくつか見ているのですが、改めて感じた教育業界の課題をまとめてみたいと思います。


私自身、一社目は社会人教育・研修のコンサルティング企業で3年半在籍し、営業からコンテンツ設計〜研修講師まで幅広く経験しました。その傍ら、フリースクールで不登校の小学生のメンターをしたり、公立高校の自己探究授業に登壇したり、教育に携わる「ヒト」がどういう特性を持っているのか、それなりに肌で感じてきました。


もちろん、本丸とも言える公教育(学校の先生など)の経験はないので道半ばですが、一応批評家ではなく、当事者の意見としてご覧いただけると嬉しいです。テーマは、「教育者ほどビジネスパーソンであれ!」ということで、ゴリゴリビジネスの世界と教育の世界を両方経験したクサカが、感じていることを書いていきます。


教育者は、ビジネスの感覚がない!

あえて強めの表現をしております。もちろん、私なんかより100倍すごいビジネスパーソンである教育者の方もたくさんいらっしゃいます。ポジショントークではありません。ただ業界の全体感としては、ビジネスの感覚がなく、目の前の生徒と向き合うことだけに集中している教育者が多い印象です。


大前提、とっても素敵なことです。目の前の生徒の人生に全力で向き合えない教育者の声は誰にも届きません。私も探究授業をする中で、「数少ない時間で彼ら・彼女らにどれだけインパクトのある選択肢とキッカケを提供できるかどうか?」に全集中でチャレンジしていました。めちゃくちゃ楽しいし、やりがいしかありません。ただ、それだけではダメだと私は考えております。その理由は後述します。


そもそも、なぜ教育者はビジネスの感覚がないように感じるのでしょうか?ズバリ、日本の教育とビジネスが完全に分断されているからだと思います。


例えば、学校の先生はビジネス経験がないことが多いです。日本の就職活動は、働いた経験のない学生に「働く場所を面接だけで選べ!」という超ハードモードのゲームです。働くとはどういうことか、基本的に学校は教えてくれない印象です。教えられないのかもしれません。


このように、そもそも「ビジネスとは?」「仕事とは?」を教わる機会がないまま、想いやビジョンが先行しすぎた状態のメンバーが多い教育機関や教育系ベンチャーがとっっっっっっっても多いと感じました。


かく言う私もそのひとりです。ある経営者さんからこんなことを言われたことがあります。

最近、自身のビジョンを語る若者が増えていて、それはとてもいいことだと思うけど、結局それを実現する力がなければ意味ないよね

脳天を突き刺すような衝撃を受けたことを覚えています。まさに当時の私でした。そして、そんな私と似たような状態の方が多いのが教育業界なのではないでしょうか??


教育の前提はビジネスです。なぜなら、資本主義社会だからです。価値提供の対価としてお金をいただく力こそ、ビジネス力です。つまり、ビジネス力のない教育者は、資本主義社会を生き抜くことはできない。結果的に、ビジョンを達成することもできないということです。


市場が小さいからこそ、ビジネス力にこだわらないと詰む

想いやビジョンだけじゃダメなのか?
目の前の生徒に向き合うだけじゃダメなのか?

ここからはかなり価値観による問題なので、あくまで私の一意見として受け取ってください。


私はダメだと思っています。なぜなら、教育する側のジコマンに留まり、教育の課題は解決されないからです。私は、公立高校の自己探究授業に登壇した時、自身の限界を感じました。


「私がメッセージを届けられるのは、どんなに頑張っても一クラス分。せいぜい30人程度。これを永遠に続けられる時間も気力も体力もない」


だからこそ、事業を媒介し、1:Nで価値を届けられる仕組みと、その仕組みを構築する力が必要なんです。まさに、ビジネス力ではないでしょうか?


さて、「教育×ビジネス」で価値提供の輪を広げていきたいと思った時に、次にぶつかるのは市場規模です。ちなみに、市場規模の計算方法は以下のようなパターンがあります。

矢野経済研究所さんによると教育業界の市場規模は、2兆8,499億7,000万円だそうです。

一位の卸売業界が、126兆0,819億0,000円程度らしいので、少なくとも上位ではないことは明確です。上位50位に入っていませんでした。

ちなみに、アメリカは教育業界の一部であるeラーニング市場だけで3兆円ほどあるそうです。※以下参照

https://www.bbt757.com/ir/individual/market.html


つまり、市場の小さな教育業界だからこそ、【自分達の取り組みをより多くの方に知ってもらえるような仕組み=サービス・プロダクトが売れる仕組み】がないと、知られずに潰れていく伝統芸能になってしまうということです。


せっかく、自分達が心血を注いで取り組んでいることが誰しも知られずに終わってしまうのはちょっと悲しくないですか??


やるべきことは簡単です。価値提供の対価としてお金をいただく力であるビジネス力を鍛えるんです。もっと簡潔に言うと、たくさん売るしかないんです。さらに言うなれば、自分だけでなく、みんなが売れる仕組みが必要なんです。教育者にも営業力は必要不可欠です。

今日もどこかで、「できない理由探し」が始まっている

私が、ある中学校で探究授業の講師登壇をさせてもらった時の話です。
授業に真面目に取り組まず、周りにちょっかいばかり出している男の子がいました。けど彼はポケモンが大好きみたいで、私に「好きな番号を言って!」唐突に聞いてきて、咄嗟に「123番!」と答えたら、「ストライク!」と即答してくれました。なんと彼は、図鑑の番号とポケモンの名前を全て覚えていたんです。これめちゃくちゃ凄くないですか?!笑


これだけ熱量を持って、ポケモンを大好きになれる彼のエネルギーがとっても素敵だなと感じました。でもやっぱり、授業は真剣に取り組んでくれない。あまりにも輪を乱す言動が多かったので、私からちょっと強めに注意をしました。その時、彼が放った言葉が今でも私の中に残っています。


「どうせ、僕の進路は親が決めるんです。」


私は自分の中に怒りが込み上げてきたことを覚えています。

彼の親御さんに対する怒り? 
こんな社会を作ってしまった世の中への怒り? 
そんな彼の発言に対して何も返すことができなかった自分への怒り?

全部当てはまると思います。


大前提、教育者としてのあり方は十人十色だと思います。ビジョンハラスメントはしたくないですし、他人にそれを強要する権利も余裕も私にはありません。ただ、今もこうやって、できない理由を探して、殻に閉じこもっている人が日本のどこかにいると思うと、私は居ても立っても居られないです。


だから私が、ビジネスを通じて、より多くの人により良い教育を届けていきたい。選択肢とキッカケを提供したい。そのために、次のキャリアも選択したい。教育者ほどビジネスパーソンであれ!!





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