MBA志望者向け:テスト選択と学習計画 (4) GRE 編

MBA志望者向け:テスト選択と学習計画 (4) GRE 編

飯島哲也

MBA(Master of Business Administration:いわゆる「ビジネススクール」)出願を目指している方々を対象に「テストの選択」と「学習計画」についてまとめました。4回目の今日は「(4) GRE 編」です。

(4) GRE編

a) Verbalについて

私は数年前までは「GRE Verbalは単語の試験だ」というイメージを持っていました。ですが、その後GRE講座担当講師の内宮慶一先生と研究を重ねるなかで、そのイメージは少しずつ崩れていきました。

GRE VerbalにもGMAT Verbal同様に異なる「タイプ」が存在するのです。

具体的には

#1: Reading重視タイプ

#2: Vocabulary重視タイプ

の2つであり、Affinity英語学院の受講生データを分析すると「#1:Reading重視タイプ」の方が圧倒的に多いことが分かってきましたし、こちらのタイプを目指すことをお勧めしたいのです。

Aさんの事例で考えてみましょう。Aさんは私の「GRE 攻略法セミナー」を受講されて、本人の「セミナーで習った方法(=単語問題は一旦全てランダムクリックする方法)通りに受験しました」とのコメントからも分かる通り単語問題はほぼ無視することで、Q:170 Q:154 GMAT換算710点を取得されたのです。

GRE Verbalは1セクション20問にて成り立っており、半分の10問がReading(うち1問はGMAT CRと同じ形式)であり、残り半分の10問が単語問題です。Aさんは「いったん単語問題は全てランダムクリック」し、残った時間でReadingに全力投球したのです。

Aさんのdiagnostic reportによると、Verbal 1st Sectionの単語問題10問にかけた時間は以下です。

3秒 ←不正解

2秒 ←正解

6秒 ←不正解

3秒 ←不正解

3秒 ←不正解

2秒 ←正解

18秒 ←不正解

16秒 ←不正解

20秒 ←不正解

31秒 ←不正解

10問の単語問題のうち、正解したのは2問だけで、しかもこれら2問は共に2秒でランダムクリックした問題(笑)です。ちなみに、後半(Verbal 2nd Section)でも単語問題を2問ランダムクリックで正解されたので、試験全体を通して単語問題をランダムクリックで4問「拾った」のです。そんな幸運にも恵まれたものの、Aさんは「単語問題はほぼ全てランダムクリック状態」ながらにGMAT換算で710点という素晴らしい成果を出されたのです。

このAさんのケースは極端な事例です。そもそもGMAT受験時代にRCが絶対的な得点源だった方ですし、ランダムクリックした単語問題が4問も正解した幸運にも恵まれました。ただし、私はランダムクリックした問題の正答率も計算に入れる「確率論」にてテスト攻略法を組み立てており、極端な事例とは言え「GRE VerbalはRCを絶対的な得点源にすること」を目指すこと、つまり「#1: Reading重視タイプ」を目指すことがAffinity流では「王道」であることを如実に示してくれる事例です。

ちなみに、「#2: Vocabulary重視タイプ」は少数派です。前提としてGREの単語は教養があるネイティブでも怖がるくらいレベルが高く、覚えるべき単語数も多いので、単語問題を中心にスコアメイクすることは非現実的なのです。また、いくら単語を詰め込んでも、今のGRE単語問題には文脈があるので、ある程度の精読力が伴わないと高得点にはつながりにくいのです。実はGMATのSCとCRのトレーニングを通して身に付く「精読力」がGREの単語問題を解く際に非常に役立ちます。そういう意味でも、MBA出願へ向けては「初期はSCとCRのトレーニングから開始すること」と「初期からGRE転向を視野に入れて単語学習を充実させること」が大切なのです。

そして、いったんGREを選択した場合には「Reading対策をメインで進めてReadingを得点源にすることを目指す」ことと同時に、「GRE単語を詰め込んで少しでも多くの単語問題を拾えるようになること」を目指してください。

Affinity英語学院におけるクラス受講ですが、まずはGMAT/GRE RC戦略クラスを受講してください。GMATとGREのRCの攻略法は90%程度は同じであり、このクラスを受講することでGMATとGREの両方のRC対策を兼ねることができます。別途GRE Verbal演習クラスも存在しますが、先にGMAT/GRE RC戦略クラスの受講を完了していることがクラス履修の条件ですのでご注意ください。よって、先にGMAT/GRE RC戦略クラスを受講し、このクラスで学んだ攻略法とテクニックを前提としてGRE Verbal演習クラスと独学の両方でGRE Verbal問題(RC, CR, 単語)の問題演習を進めていただきたいのです。

そして、GRE全体の攻略法(全体的な受験計画&勉強計画、テストの攻略法、タイムマネジメント、問題の捨て方、等)についてはGRE攻略法3時間セミナーにて学んでください。このセミナーは上記のAさんが受講されたものであり、GREについて何も分からない状態での受講、つまり「はじめの一歩」としてのGRE全体についいて概要を知るための受講も可能です。

b) Quantitative(Math)について

最近「数学が苦手だからGREを選択しました」や「数学が苦手な人はGREを選択するようにと予備校で言われました」等と言う声を頻繁に耳にするのですが、私はこの論調には賛成できません。

確かに、GRE数学はGMAT数学に比べて問題が易しいのは事実です。また、GRE数学はGMAT数学とは異なり計算機の使用が認められており、さらに問題を飛ばしたり前の問題へ戻ったりもできるので、試験の形式が「取り組みやすい」と言えます。ただし、ここにはトリックがあります。GMAT数学の方が問題のレベルは高いのですが、GMATの方が低めの正答率でも高得点が取れるようになっているのです。逆に、GRE数学は高い正答率を達成できないと高得点は取れません。具体的には、GMAT数学で49点を取得するためには71%から86%の間の正答率が必要になるのですが、GRE数学で167点(GMAT換算で49点)を取得するためには90%程度の正答率が必要となるのです。そして、データを見る限り、GMATとGREを両方受験した方の中ではGMAT 数学の方がGRE数学よりも点数が高い方が多いのです。

そこでお勧めしたいのが、「まずはGMAT数学対策から始めてみる」ことです。GMAT数学を網羅的に対策しておけば、いつでもGREへ転向することは可能です。

ただし、もちろん、最初からGREを選択してGRE数学対策を実施することも可能です。その際には、GMAT同様にジェイマスの「GRE数学完全攻略」をメインのテキストとして修業を開始することをお勧めします。そして、数学に自信がない方や変化球的な解法(プラグインメソッド及び中学受験流の解法)の習得を目指したい方には「GMAT/GRE Math演習クラス」(須美講師担当)の受講をお勧めします。GMATとGREに共通するPS(Problem Solving)形式の中級レベル問題を解いていただきますし、問題を解説する際には「直球(理系流、大学受験流)」と「変化球(文系流、中学受験流、プラグインメソッド)」の両方を取り入れます。

本稿は以上です。



飯島哲也
Affinity英語学院を主宰しています。「テスト対策講師(主にGMATとGRE)」「学習カウンセラー(主に英語と数学)」「メンタルトレーナー(呼吸法、瞑想、等)」として大学院留学(MBA, LL.M, Public Policy, etc)のお手伝いをしています。