MBA志望者向け:テスト選択と学習計画 (3) GMAT 編

MBA志望者向け:テスト選択と学習計画 (3) GMAT 編

飯島哲也

Affinity英語学院の飯島哲也(学習カウンセラー)です。

MBA(Master of Business Administration:いわゆる「ビジネススクール」)出願を目指している方々を対象に「テストの選択」と「学習計画」について連載させていただいております。3回目の今日は「(3)GMAT編」です。 

(3) GMAT編

a) Verbalについて

私はAffinity(アフィニティー)英語学院を設立する際に「クラスを細かく分けること」と「パッケージ商品を作らないこと」を大切な方針としました。

たとえば、「GMAT Verbal戦略クラス」を設置する代わりに「GMAT SC戦略クラス」「GMAT CR戦略クラス」「GMAT Verbal RC戦略クラス」とGMAT Verbalを3つに細分化しました。その主な意図は「GMAT Verbal3種目のどれに、いつ、どれくらい時間を投資すべきかは一人一人の戦略次第」だからです。

SC戦略クラス

CR戦略クラス

RC戦略クラス

ところが、このようなクラス実施の方針に対して「いつどのクラスを受講してよいのかが分かりにくい」「パッケージ商品が無いのは受講生に不親切だ」という声も私の耳に届くようになりました。(良かれと思って作ったカリキュラムなのですが、予備校経営って難しいです。)きちんとした理念に基づいて作ったカリキュラムなので、基本的な方向性を変更するつもりはありません。しかし、「クラス受講ガイド」のようなご案内を作らずに今に至ってしまったことは「不親切だった」と反省をしており、今回の連載実施を決めたのです。

私はGMAT Verbalの戦略を以下の4つのタイプに分類しています。トライアスロンにおいて3種目全てが完璧な選手が少ないのと同様に、GMAT Verbalにおいても「優先順位」をつけることが有力な考え方のです。

#1: SC&CR重視タイプ

#2: SC&RC重視タイプ

#3: RC&CR重視タイプ

#4: オールラウンダータイプ

「#4: オールラウンダー」は「突き抜けた人」です。陸上のカール・ルイス(少々古いか?苦笑)のような「なんでも出来る人」であり、比較的短期間(目安として1か月間~3か月間程度)でGMAT 700点~ 770点程度の成果を上げられる傾向があります。本稿ではあまり語る価値が無い「例外」だとお考えください。

「日本人ならSCを得点源にすべき」という都市伝説がありますが、実際にはSCをダントツの得点源にしている日本人は(私のデータでは)マジョリティーではありません。いわゆる「純ドメ」の方でも、RCとCRを中心に得点を稼ぐ方の方が多いのです。たとえば、以下の体験談の執筆者(元Affinity受講生)には思い切ってSCを軽視することをご提案し、ご本人も気持ちの葛藤を乗り越えてRC&CRを軸とした戦略を採用して好成績を収められました。典型的な「#3: RC&CR重視タイプ」だと思います。 

https://affinity-english.com/testimonial/index.html#039

そして「#2: SC&RC重視タイプ」の典型例は以下の体験談の方です。

https://affinity-english.com/testimonial/index.html#018

この方はSCとRCは「私の代わりに講師として教えてほしい」と思わせるほどの実力者でしたが、CRに課題を抱えたままだったので、思い切って「CRは前半の4問程度を解くだけにして、残りは全て捨てる」という戦略を提案し、結果的にVerbal 40点を取得されました。


「#1: SC&CR重視タイプ」

これは「英語力不足や英文読解スピードの遅さを、知力で埋め合わせるタイプ」であり、どちらかと言うと少数派です。たとえば、RCを4パッセージ中3パッセージを完全に捨てる(=RC◯×××戦略)ことで最大690点を取得した方がいらっしゃいますし、RC◯×◯×戦略(RCの2パッセージ目と4パッセージ目を完全に捨てて、浮いた時間をSCとCRに使う作戦)で700点の壁を突破した方も多数存在します。

最後に、これらのタイプ論を前提として、以下に「お勧めのクラス受講計画」について書かせていただきます。

まずは、私は全員に「SCとCRの修行から開始すること」を「安全策」としてお勧めしています。SC戦略クラスCR戦略クラスから受講し、同時並行または時を少しずらしてSCとCRの問題演習も実施し、もしSCとCRが得点源になりそうであればそのまま「#1: SC&CR重視タイプ」として突き進めばよいですし、仮にその後別のタイプへ移行することになっても、SCとCRの学びはRCの好成績につながることが多いのです。SC学習を通して身に着ける文法力とCR学習によって獲得する論理力は、後に「(RC好成績に必要な)高度な英文読解力」へと「昇華」する可能性が高いのです。最初からRC戦略クラスを受講されても全く問題は無いのですが、「SC&CR⇒RC」という順番でクラス受講を進めた方が(特に英文読解力に問題を抱えている方にとっては)効率的なのです。

さらに、SCとCRの修行から開始して、仮にSCが得点源になりそうな種目だと判断された場合は「#2: SC&RC重視タイプ」を想定してSCとRCを中心にクラス受講や学習を進めればよいですし、逆にSCよりもCRの方にポテンシャルを感じる方は「#3:RC&CR重視タイプ」を想定してCRとRCのクラス受講と問題演習を進めてください。

尚、この「#3: RC&CR重視タイプ」であっても、理想論としてはいったんSCの修行を経たほうが前述の通り「安全」なのですが、思い切った戦略としてSCの修行を一切せずに(クラスも受講せずに&問題も解かずに)Verbal対策にかける時間を全てRCとCRへ投入し、Verbal 40点を取得した方がいらっしゃるのでご紹介しておきます。この方はGMAT本試験においてRCとCRの両種目で全問正解を達成されました。(以下のESRデータを参照)

画像1

この方は、日本語と英語共に読書歴が豊富な方だったので、SC学習を経なくてもRCとCRが順調に得点源になったのだと私は理解しています。学習カウンセリングおいて話し合って決めた戦略がばっちりとハマったケースでした。

さらに、タイプに如何にかかわらず「他の予備校でSCの修行は済んでいるからCRとRCのみクラスを受講したい」方や「既にSCとCRは得点源になっているからRCのみクラス受講をしたい」という方もAffinity英語学院としてはもちろん歓迎です。そもそも、そのような方を想定してVerbal 3種目をそれぞれ別々のクラスに設定しているのですから。

最後に、最初からGREを選択して学習を進めて成功する方も存在することを強調させてください。ただし、このタイプの方はGRE学習開始以前に「人生における読書量(日本語&英語)が豊富な方」や「受験勉強を全般的に(中学受験→高校受験→大学受験と)きちんとこなしてきた方」に多いです。今年HBSへ進学される方が典型例なので、以下に体験談のリンクを貼っておきます。

 b) SC偏重のリスク

日本のGMAT受験生の間にはSC学習に時間を使いすぎる方が多いので注意してください。SC(Sentence Correction)に「文法や単語の細かいルールを暗記すればどうにかなりそうだ」というイメージを持つ方が多いのですが、実際にはSCは総合的な意味判断や分析力が必要な深みをもった種目であり、データ上もSCはRCやCRと比べると「時間対効果」が低いので注意してください。つまり、SCはどんなに多く対策に時間を費やしても具体的な成果につながらないリスクがあるのです。私はSC「から」GMAT対策を開始することはお勧めしていますが、SC「ばかり」を対策することを推奨しているわけではないので注意してください。SC学習には大学受験の文法学習の延長上だという「ノリ」があるので、ついついSCばかりを惰性で勉強しがちなので警戒してください。

c) Quantitative(Math)について

GMAT Math対策の「はじめの一歩」として、私はジェイマスという予備校の「GMAT数学完全攻略」という教材を推薦しています。GMAT数学で出題される範囲を網羅的に説明してくれている良書ですし、質問にも丁寧に対応してくださいます。教材作成者は数学の専門家であり、解説はどちらかと言うとオースドックスな「理科系流」「大学受験流」です。

そして、ジェイマス教材が終わった後に公式問題集(Official Guide)を独学で解き進めることで目標点数に到達する方もいらっしゃいます。仮に「ジェイマスのGMAT数学完全攻略と公式問題集によるトレーニングで「GMAT公式模試で安定的に49点以上」が取得できるのであれば最低限のノルマは達成だとお考えください。また、私は月に1回「GMAT Math 3時間セミナー」を実施しています。難問を多めに解いていただくセミナーなので、対策の「仕上げ」に参加されることをお勧めします。

逆に、数学が苦手な方には「GMAT/GRE Math演習クラス」の受講をお勧めしています。担当講師の須美真奈美先生は数学の専門家(筑波大学数学科卒)なのですが、お子様たち(かわいいんです!)の中学受験支援経験を通して「文科系流」「中学受験流」「プラグインメソッド」等にも対応できるようになったバランスの良い講師なのです。ジェイマス流の「直球勝負」だけではGMAT数学の攻略が難しそうな方は、是非このクラス受講を通して「変化球」を習得してください。

本稿は以上です。



飯島哲也
Affinity英語学院を主宰しています。「テスト対策講師(主にGMATとGRE)」「学習カウンセラー(主に英語と数学)」「メンタルトレーナー(呼吸法、瞑想、等)」として大学院留学(MBA, LL.M, Public Policy, etc)のお手伝いをしています。