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ある会計士のプロボノ奮闘記

自己紹介

こんにちは、AFC の福岡淳(ふくおかじゅん)です。2017 年にAFC に入会し、いくつかのNPO のプロボノに携わっています。
簡単に経歴をお話します。


2010年 公認会計士試験合格
2013年 田中義幸公認会計士事務所入所に入社。公益法人、NPO法人、宗教法人などの非営利法人の会計、税務、監査、区の福祉施設整備費補助の審査等の業務を経験。
2016年 公認会計士登録
2017年 会計系コンサルティングファームに入社。中小法人から上場会社まで、各種法人の会計・税務業務に従事しつつ、事業再生、デューデリジェンス、バリュエーション、内部統制の構築支援などの各種コンサルティング業務に従事

私がプロボノを始めた理由

自分のスキルを活かして社会に貢献したかったということが理由です。
大学時代に極度な貧困の終焉、貧富の格差の縮小、無知の根絶、 環境保全という「持続可能な発展」の課題を達成するために、 どのような政策と行動が必要かを考えることをミッションとするゼミに所属していましたが、自分の中で具体的にどのようにアプローチをしていけば良いかが課題となっていました。
また、会計士として公益法人、NPO法人の会計、税務、監査に携わっていたものの直接的な支援ができないことにもどかしさを日々感じていました。
(※上記のようなサポート業務も重要なことです。)
そのようなときに、菊池さんから社会課題解決に取り組む会計士の集まりであるAFCの存在を教えていただき、「ソーシャルセクター」と呼ばれる社会課題解決を目的としてビジネスに取り組む起業家たちと交流ができることを知りました。
実際に活動を見学させていた後、正式に入会し、AFCを通じて、2つの団体にプロボノとして携わることになります。
(※一部、村越さんの記事と重複するので読み飛ばしていただいても大丈夫です。)

プロボノ活動① NPO 法人 Light Ring.

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2017 年より、AFCの上原さん、村越さんと支援しているNPO 法人です。
日本の若者の死因No.1 は自殺となっており、深刻な社会問題です。その防止のため
には、心の病を抱えている人の悩みを聞く、家族や友人等の「支え手」の存在が欠かせません。
しかし、日本では悩みの傾聴の仕方などを教わる機会はあまりなく、また、心の病へ
の知識不足により、偏見を持つ人も多いです。
そこで、Light Ring.は正しい悩みの傾聴の仕方をマスターし「聴くトモ」になるための勉強会を開催したり、中高生に向けた公演を行ったりしています。

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▲支え手支援コミュ二ティ ringS(Light Ring.のHPより)

多くのNPO法人と同様にLight Ring.も、寄付や財団・行政からの助成金を得ながら活動をしていたため、助成金が適切に使われているかどうか、財団や行政による監査を受ける必要がありました。
財団からの監査に備えて、証憑などを整備するプロジェクトに携わりましたが、当時の本業では補助金の監査をする立場でした。その知識を監査対応のための書類を揃えるというプロボノでの実務面に活かせたことは、非常に充実した体験でした。

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▲寄付金・助成金等の支給団体

現在は、Light Ring.にとっての「長期戦略=セオリーオブチェンジ」の作成といった、より深い部分での支援という貴重な機会をいただいています。
その中では、日本は、先進諸国の中でも自殺が大きな課題となっているが、「自殺対策=自殺を止める」という表層的なハイリスクアプローチに終始しており、「人に相談しづらいから自殺してしまう」といった根源的な問題に取り組むポピュレーションアプローチの視点が少ないといった、本質的な意味で社会課題への理解がより深いものになっています。

プロボノ活動② ごきげんファーム

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ごきげんファームは、NPO法人つくばアグリチャレンジが運営する障がいのある人たちが働く農場(就労継続支援B型の事業所)で、様々な障がいのある人たちが100名以上働いています。
障がいのある人とごきげんな社会を作ることをミッションにしており、どんな障がいのある人でも、地域の中で役割を持ち、地域の中で守られるだけの存在ではなく、地域に貢献して、お互いに助け合えるだけでなく、成長しあえる関係を築いていくことを目指しています。

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▲ごきげんファームの人気メニュー野菜セット

ごきげんファームについては、上原さん、山内さん、田中鉄朗さんと2020年から予算策定を支援しています。
3つの拠点で有機野菜や米作り、養鶏などを行っており、事業所の他に障害がある共同生活援助グループホームや放課後デイサービスを運営しており、新規事業についても積極的なため、支援を行う上では臨機応変に対応しなければならないところが難しいです。
福祉に関する知識は、多少はあったのですが、特に給付金制度は非常に複雑であり、4人の力を合わせて日々勉強しています。

プロボノをするにあたって

「プロボノをするにあたって不安はなかったのですか。」といった疑問があると思います。AFCでは、基本的にはチームで動くことになっていますので、その点については心配しすぎなくて大丈夫です。

また、前代表の横山さんも好きな言葉に

「If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.」

を挙げられているように、
AFCは、「一人でできることは多くないが、皆一緒にやれば多くのことを成し遂げられる。」場所ですので、いきなりプロボノに参加するのでなくとも、まずはAFC参加してみていただければと思います。

プロボノ活動には、多くの学びがありますが、その中でも
①ソーシャルセクターで働く人たち前を向くエネルギーを感じられる、
②自分の持っているスキルによって、社会に貢献している人を直接サポートできる、③シンパシーだけでなく、エンパシーを実践できる
の3点は、他では得難いことだと思います。

プロボノに必要な知識や経験は、必ずしも本業での会計、監査といったものだけではありませんが、学び、実践し、皆で分かち合う姿勢は、会計士としての生き方をより深いものにしてくれると思います。

興味を持ってくださった会計士へ

まずはAFC にお気軽に連絡いただき、ソーシャルセクターとのかかわり方を一緒に模索していければと思います。

ホームページよりご連絡ください!
http://www.accountability4change.com/

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