見出し画像

Growing♡Dreaming

この度、M3春2021にて頒布された「Why don't you eat MONACA? Vol.3」内の楽曲を歌唱させていただきました。

……うーん、この1文を綴っている事自体がもう自分でも夢のようで、宙ぶらりんです。

当記事では、アルバム内の1曲、ラストに収録されています
「Growing♡Dreaming」
について、書き残そうと思います。

この楽曲は、namaoziさんとの「共作」です。
(作詞: 夢芽, namaozi 作編曲: namaozi 歌: 夢芽)

これまで表立った音楽活動をしていなかった自分にとって、「同人音楽」という世界は遠く知らない世界で
曲を一緒に作ること、スタジオで歌を録音すること、それがCDという形でいろんな方に届くこと
全てが初めての経験でした。
まして、「自分の歌」を歌うなんて。

この楽曲は、アーティスト名が「夢芽」になっています。

namaoziさんからお話が来たのは、昨年10月下旬のことでした。

昨年10月のM3秋2020にて、namaoziさんの楽曲で、台詞という形でお手伝いさせて頂いたことがありました。
「魚座とアシンメトリー」様のアルバム「side by side」内の「ハッピー・ホリデー・エクスプレス」という楽曲です。)
M3に思わぬ形で初参加をすることになり、とてもありがたい気持ちでいっぱいな中、「いつか歌で参加出来たらいいな……」みたいなことをふと呟いたら、それを見かけたnamaoziさんが声をかけてくださいました。

「1曲プロデュースさせていただけませんか?」

歌う人に寄り添った作り方をしたい、とのことで、「共作」という形で提案が来ました。
思わぬお誘いで驚きましたが、とっても楽しそうだったのですぐにオーケーしちゃいました。

最初から、私に「私の歌」と思ってもらえるものを作る、というところに目標があったので、私のことをnamaoziさんとたくさん共有して、最後まで私に寄り添った楽曲を一緒に作ってくださいました。
なので、アーティスト名は、楽曲を作られたnamaoziさんでも、feat.〇〇という書き方でもなく、夢芽です。
この楽曲も、「どうかよろしくお願いします」と、namaoziさんから託されました。
よろしく、と言われても、どうやってこの子を次の景色に連れて行こうかな……と、無力な私は今は何も方法が浮かばないんですが
でも、この曲をずっと大切にすること、この曲に、頑張ってる私を見せ続けることが、まずはこの曲のために私のできることなのかな、と思っています。


お声がけいただいた後の11月に、どんな楽曲にしていくかの打ち合わせをしました。
はじめに、自分の歌い方や音域を知ってもらうために、カラオケで歌を聴いてもらいました。
その後は、私について知ってもらうため、自分の活動のこと、好きなこと、それから、夢のこと……
これまでにたくさん人から、たくさんの想いを貰ってきて、支えてもらってきた、という話をしました。
これまでの出会いがどれか一つでも欠けていたら、今ここにいることもなくて。
これまでの、小さくても確かな歩みが、私をたくさんの人と想いと繋いでくれて、だから、ここまで遠くまで歩いてこられた。
本当に、これまで関わってくださった皆さんには感謝しかなくて。
支えてくれた人に伝わればいいな、と、直接的な表現には入っていませんが、そんな気持ちも楽曲に込めました。
namaoziさんがどこまで理解してくださったかは分かりませんが……でも、できるだけそのまま伝えました。

1月半ばにフルのデモを頂きました。
その際に、曲名も決定しました。
「Growing♡Dreaming」
タイトル、まさしく「夢芽」そのものを表したものにしてくださいました。
Growing と Dreamingの間に何を入れるか、いくつか候補を挙げていただきましたが、カンマで区切ったり、スペースにするよりは、ハートで繋ぐことでひとつになるのかな、と思い、こちらにしていただきました。

この楽曲で特にお気に入りのパートが2Bなんですが、
ここの低音は、私が吹奏楽部で演奏していた、大好きな楽器であるバスクラリネットの音を入れてもらいました。
これは、「夢芽さんといえば、という楽器ってありますか?」って訊かれた際に、バスクラの話をお伝えし、ここに組み込んでくださいました。
音の選び方も、私に寄り添うように、私の物語としての説得力があるように、と、私の曲であることを意識したものがいくつもあるな、と感じました。幸せな話です……。

ブレイクの後、3番で曲調が変わるところ、namaoziさんは過去をイメージして作られたそうなんですが(なのでレコード流すようなサーッってノイズもあります)
私は「20℃くらいの水に浸かってる(沈んでる)感じがする」という謎の感想を投げつけていました。
20℃という温度は、入っても冷たくも暖かくもぬるくも感じない、何も温度の感覚はなく、ただ水中の苦しくて重たい感触だけがまとわりついている感覚をイメージでお伝えしました。

こう感じたのも、私が夢を追いかける中で、苦しい思いをたくさんしてきて、暗い中を、出口も分からず彷徨い続けた、くよくよしてたあの日々と重なったから。
あの時、確かに私は地の底に居たので。
それでも、前を向かせてくれるのは、憧れていたもの、追いかけてきたもの。あの日の気持ち。
だから、どれだけ重くても足を動かし続けてこれました。
そんなイメージも、通話で詳しく共有をさせていただきました。
曲の大枠はデモから変わっていませんが、ここからあの歌詞とモノローグが生まれました。

モノローグ以外の歌詞は、namaoziさんに大枠を作っていただいて、こちらがフィードバックをする、という形で作りました。
初稿はレコーディングの4日前に上がってきたのですが
最初に目を通して、「私の人生を、見ているのか……!?」と思うくらい驚きました。
それくらい、私の物語に寄り添った言葉たちが集まっていて……。
それだけじゃなくて、私を表す言葉が並んでると思っていたら、
3番の「氷を纏った夢の欠片にも 愛も祈りも届かない時はないから」
という歌詞に、私はすごく胸を打たれました。
個人的な印象なんですが、この言葉は私のメッセージというよりも、namaoziさんから向けられたメッセージに感じました。
私はこの言葉に、今でも支えられています。

レコーディングは、1月末に行いました。
コンデンサーマイクで歌を録る、という経験がまず初めてのことで、スタジオに入ってマイクが立っている光景だけでテンションが上がってしまいました。
レコーディングに際しての心構え等、基本的なところから優しくレクチャーをしてくださいました。
なので、こちらとしても安心して臨めるな、と思っていましたが……
テストを終え、いざ録り始めると、すごくガチガチになってしまって、全然声が出なくて……
録音を中断して、15分くらいのんびりお話させてもらったりしました……
スタジオでの収録は、そして誰かと一緒の収録も、初めてのことで、たくさんご迷惑をお掛けしました……。それでもなんとか録り終わりました。

サビの高音(「羽ばたけ」)、デモを頂いた時から「高いな~」と思っていて、当日もご助言を頂きながら歌いました。
レコーディング後に、「夢芽さんなら出せる音だと思っていたけど、挑戦をしている夢芽さんに、歌の中でも挑戦をしてほしかったから、敢えて難しい音程にした」
とお聞きして……物語を乗せた上でのメロディ構成であることを知って「すごい」って思いました……
また、より私の物語に近づくように、当日スタジオ内で歌詞を変更した箇所もあります。
本当に一つ一つを私に寄り添わせてくださって……どこまでも拘ってくださって……感謝しかありません。

3番のモノローグ部分は、私が言葉を考えました。
当初から3番はモノローグにしたいとnamaoziさんが仰ってくださっていたのですが、
レコーディングでは、仮で作っていた歌詞で歌を録りました。
結果、歌だけでも良い感じになったので、このままでもいいかな、という流れになったんですが……

レコーディングの日から、諸事情でTwitterの浮上を控えていたんですが
こっそりnamaoziさんのTwitterは見ていました。
レコーディングの後の編曲作業は、namaoziさんにお任せをしていたのですが、
この曲を最大まで輝かせようと、たくさん考え抜かれて、たくさん頑張っていらっしゃる姿が見られて、とても嬉しいと思いつつ、何もできない私がもどかしく感じていました。

そこで、私の言葉で、歌に重ねるモノローグを提案をしてみました。
この曲に、すごく熱い想いを捧げてくださっている姿を見ていたら、私も「どうしよう……」って躊躇ってはいけないと思って。
勇気を出して踏み出せば、きっと楽曲をより輝かせることに繋がる思って。namaoziさんなら、良い方向に向けてくれると思って。
きっとどんな想いも、namaoziさんならまっすぐ向き合って受け止めてくれると思って。
試しに録ったものを送ったら、返ってきたのは「すごくいい!」という反応と、
ラストにコーラスを追加しないか、という提案でした。
モノローグの声質で最後にコーラスを重ねることで、過去現在未来の全部が一つに繋がるものになるんじゃないか、と。
2日くらいで数パターン録って送りました。
結果、歌と一緒に、良い位置で添えてくださって、とても嬉しく思っています。
モノローグ、慣れないながら紡いだものなので、言葉がちぐはぐかな?と不安だったんですが、皆さん受け入れてくださって嬉しいです。

そして、2月末に、namaoziさんから完成した楽曲が届きました。
その日は帰ってきたのが夜遅くだったんですが、それでも、私もこの想いは今伝えないといけないと思い、namaoziさんにお願いをして1時間ほど通話を繋いで、感想を共有しました。
この曲が一緒に居てくれるから、怖くない。すごく温かい幸せな気持ちを貰いました。

「たくさんの人が支えてくれた私の歌に、背中は向けられないのだ。」
何かあるたびに、この言葉を自分に言い聞かせているんですが
この歌を聴くたびに、強く思います。


以下は、私個人として歌に込めたものです。
・1番は、夢に出会った(気づいた)時、そしてそこから踏み出して走り始めた一歩目、のようなイメージです。
自分に重ねるなら、地元に居た時に、想いが膨らみ、じわじわと自分の中で夢を育てていた時、そして地元を飛び出して、夜行バスを降りて見上げた、仄かに明るくなりつつある東京の空……その辺りを思い浮かべました。
・2番は、走り始めたすぐのわくわくから、走り続けて、景色や時間がどんどん移り変わっていく様子をイメージしました。
色んな事があったなぁと、キラキラした、でも綺麗な色だけじゃない、いろんな景色を思い浮かべながら。
Aメロ前半は、春の瑞々しさをボーカルでも出せるように、スタッカート気味に弾む感じに歌ったつもりです。
Bメロの「ヒカリの先へ向かってゆくことも 願いの在り処も理想も信じて」
この歌詞は、前向き、明るい、キラキラだけではない重たさを感じたので、低音が強く出ているといいなぁと思います。
「顔を上げて 何度だって 誓うよ」
失敗しても、転んでも、諦めないよ、だってあなたがいるんだもん……!と強い気持ちを明るく笑顔を見せるように届けたつもりです。

・3番。サビは、言葉は明るい言葉が並んでいるけど、「息ができなくて怖い時にも」のインパクトがすごいですよね。
ここは、全体的に「ひとり」と思いながら歌いました。細々と、「早く助けて」と祈るように、苦しく。
苦しかった時期を、暗い中帰り道を歩いていた景色を浮かべていました。
Aメロ、自分に語り掛けるように歌いました。
その中で、小さくかすかな明かりを見つけて、「あたたかな旋律に変わる」から、少しずつ顔を上げるイメージ。
そこから少しずつ歩きだして、走り出す。もう一度。
モノローグは、この時のことをちょっと先の未来で振り返っているような、天の声のようなイメージです。
でも、これも前半は口にするだけで自然と胸が苦しくなりました……。

・ラスサビは、未来に駆け抜ける、羽ばたいていくイメージです。
3番までを乗り越えた先の位置づけなので、「何も怖くない!」と、本当に心強い気持ちで歌いました。

・アウトロ。ここまでのお話を語った後の、現実の夢芽だと思います。
今ここにある、夢芽への誓い、大好きなみなさんへの誓い。
言葉はすべてnamaoziさんが書かれたものですが、そのまま私の気持ちも全て乗せました。
それまで二人称が「あなた」で続いていたのが、ラストだけ「きみ」になっているんですが
色んな事を乗り越えた後、距離が変化しているのを表しています。
イメージとしては、日記を書き終えて閉じる瞬間、みたいな。
このパートは、デモを聴いた時から、楽曲の外、私が歩んでいる今と地続きな印象を受けたので、この歌を受け取って、今に還ってゆくような、個人的にはそんな物を込めました。

決して上手で良い歌声ではないかもしれないです。
でも、この楽曲は、誰に寄りそうでもない、何かで色づけるでもない、今ここにいるそのままの「私」で届けたいと、ずっと思っていました。
それは、表せているといいなぁと思います。


サウンドに関してはこちらからは本当に何も口出しはしていなくて、送られてきたものを聴いては「いい!!!」って返していただけなので、
だから、本当にnamaoziさんはすごいです……。
音楽にどれだけの「想い」を込められるのか、ということに向き合ってくださって、全ておひとりで作り上げられました。

namaoziさん、普段はガットギターの演奏をされている方です。
ソロギターアレンジだったり、これまでもオリジナルのボーカル曲を4曲制作されていますが、どれも愛されているガットギターを活かしたものになっています。
ただ、今回のGrowing♡Dreamingに関しては、「ガットギターに頼らない」ということをご自身で課していたそうです。
どこまでも、「私に寄り添う音」というものを貫かれていたので……本当に嬉しくて……

この人に、私の大きな想いを、託してよかったなと、心から思っています。


……ここまで書かせて頂いた内容は、音として届けた一部です。
貴方が受け取られたものが、全部で、全部正解だと思っています。

この楽曲は、私が歩んできた色んなこれまでと、今ここにある私と、そしてこれからの景色、憧れ、夢
全部全部、私に繋がっているんです。
私の体の一部、って思えるくらい、特別です。

レコーディングがあってから、楽曲が完成するまで、ずっと不安でした。
何もかもが未熟な私なんかが、歌わせてもらって、よかったのかな……と思っていました。
でも、私の歌に、「夢芽さんに」と寄り添わせてくれた音と言葉ひとつひとつが、全てを受け止めてくれました。
今は、私のこの歌が大好きだって、心から思います。

この楽曲がこれからも生きていくためには、輝いていくためには、私が歩み続けていかないといけないと思っています。
どんな形でも、前を向いて。

これからも、この楽曲が道標になり、追い風になり、光になってくれると思います。
この楽曲があるから、大丈夫って思ってます。


改めて、一緒に楽曲を作るという素敵な機会をくださったnamaoziさん
「Why don't you eat MONACA?」という企画を立ち上げ、まとめ上げ、届けてくださったまくらさん
そして、「Growing♡Dreaming」を聴いてくださった、ふたりで作った"想いの結晶"を、受け取ってくださった皆さん
本当にありがとうございます。

これからも、いつまでも「Growing♡Dreamig」が輝き続けるように
手を繋いで、夢をずっと見ていきます。


夢芽


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?