今回で飲むのは最後になるかもしれないBREWDOGの新作? 3本 1000BeerChallenge(203-205/1000)
■BREWDOGおさらい
ブリュードックはスコットランドのビール醸造所です。歴史はまだ浅いものの、ホップの味わいを引き出すことを重視した、こだわったつくりかたで、いわゆるクラフトビールの旗手として一気に有名になりました。
2016年以降、もともとの拠点であるスコットランド以外にも、アメリカ、ドイツ、オーストラリアと醸造所を拡大していって、世界展開を続けています。その拡大路線にともなって、味が変わった、いやむしろ落ちたなどと言われることも増えているようですが、それでもブランドイメージを保っています。実際きちんと美味しいですし。これで落ちたなら最初はすげえ美味かったんだろうなあ、なんて思ったり。
■圧倒的犬派
ちなみにBREWDOGは創業時にヒト2人と犬1匹で立ち上げたってストーリーを語っています。そして2015年には会社を拡大するための資金調達をする際、通常の金融関係ではなく個人から資金を集めるクラウドファンディングを企画し、実際に調達できたようです。それはいいんですが、通常の金融関係の資本を太った猫と呼んで、ロンドンの金融街に太った猫の剥製をヘリから投げ捨てるパフォーマンスをしています。
いくら金融街が嫌いだからって、自分たちが犬派だからって、こういうことはやっちゃいけないと思うんですけどねえ。
僕は猫好きなので、剥製とはいえ猫を空から投げられたりすると、もう不買運動でもしたろうかって気になってしまいます。この記事のタイトルの意味はこういうことです。
■[beer203] HAZY JANE
■ビール情報
名称:HAZY JANE
メーカー:BREWDOG
産地:スコットランド
タイプ:NEW ENGLAND IPA
アルコール度数:5%
価格:500円くらい
入手場所:信濃屋
■味わいメモ
外観:濁った淡い麦わら色。
アロマ:熟成香。フローラル感。麦っぽさ。
味わい:熟成香。フローラル感。柑橘感。ホップの苦味。酸味。
ボディ:ミディアムボディ。
濁りのある黄色っぽい麦わら色。珍しいのかな。
香りはBREWDOGらしく、ホップの華やかさが感じられて楽しい印象です。柑橘感あるホップの香りとともに、トロピカルな熟成香もあるのかなってところ。色的には濁りがあるものの、香りの酵母感はそんなにないかな。
味わいは意外と苦味もあります。口当たりからホップの華やかさと苦味が両方強めにきて、柑橘感もあって、ホップ感十分。ボディはもやっとしたトロピカルな熟成香。濁りはこっちだったのかって感覚です。喉越しは酸味があるのでサラッと流れてキレはよく、後味はまた苦味がしっかり。
もうちょっと熟成香というか甘みはまったりしててくれた方がいいかなという感じです。ホップ以外がさらっとしすぎていて、ホップの華やかさにバランスできてないかなっていう印象になるのが惜しいところ。
好き度:★★★★
■[beer204] JACK HAMMER
■ビール情報
名称:JACK HAMMER
メーカー:BREWDOG
産地:スコットランド
タイプ:IPA
アルコール度数:7.2%
価格:500円くらい
入手場所:信濃屋
■味わいメモ
外観:くすみのある麦わら色。
アロマ:熟成香。フローラル感。柑橘感。麦っぽさ。フローラル感。カラメルっぽさ。
味わい:熟成香。フローラル感。麦の甘さ。ホップの苦味。
ボディ:ミディアムボディ。
麦わら色。少しだけ濁ってるかな、という感じ。
香りはホップの華やかさが十分。柑橘感もあって、苦味もある。ホップがすごいなーって思うとともに、ちょっとだけカラメル感があるのが特徴的か。
味わいもまた賑やか。まずホップの苦味と華やかさが弾けるって感覚。柑橘感は控えめだけど、アクセントとしてはいい感じ。ボディは意外とコクのある甘みって感覚で、パヤパヤしたホップ感と良いバランスという感じ。後味ではまた苦味が強めに出てきます。
苦味が苦手な人には勧めにくいけれど、苦味メインで甘みもちょっとあった方がいいかな、セッションIPAはアルコール度数が低いんだよなあ、とか思ってる人には良いかも。
好き度:★★★★★
■[beer205] KING'S SHILLING
■ビール情報
名称:KING'S SHILLING
メーカー:BREWDOG
産地:スコットランド
タイプ:スコッチエール
アルコール度数:8%
価格:500円くらい
入手場所:信濃屋
■味わいメモ
外観:黒。
アロマ:熟成香。麦っぽさ。カラメルっぽさ。スモーク感。
味わい:熟成香。フローラル感。麦の甘さ。ホップの苦味。バターのような甘さ。スモーク香。
ボディ:フルボディ。
見た目は黒。スタウトなのかなってくらいの黒。香りもスタウトみたいな感じがします。でも普通の黒ビールの香ばしさだけでなく、ピート香みたいな燻製香がある気がします。
味わいは、口当たり甘い印象。そして麦の香ばしさが来るのは黒ビールっぽい。のですが、そこからホップの華やかさや苦味が出てくるのが珍しい気がします。
全体的に甘くてまろやかな感覚で、後味に樽っぽさやピート感がある感じが不思議。こってり一辺倒ではないのが面白いし飲んでいて楽しい。
好き度:★★★★
■猫派としては許せないんですが
クラフトビールは手間暇がかかったり、原価が高かったりするので、大きな商売になりにくいようです。BREWDOGも同様で、生産量を増やそうとした際に資金調達で手間取ったのかもしれません。その結果として、金融関連の職種の人たちを、太った猫、と揶揄して呼んだとのこと。そこまでは良い。でも、ヘリに乗って上空から猫の剥製を落としたということになると、意味がわかりません。剥製だから許せないのか、ぬいぐるみならまあ仕方ないと言えたのか、その辺は実際のところうまく言えないのですが。それにしてもダメだろっていうね。
まあビールは美味しいのもあるからねえ。とはいえねえ。
ビール代になります。