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発泡酒もビール1000種チャレンジに含みます。ホワイトベルグ。 1000BeerChallenge(10/1000)

■発泡酒ってなんでしょう

僕は「ビールの廉価版が発泡酒」というくらいの感覚で生きていました。でも実はそうとは限らないみたいなんです。
鍵は酒税法。ビールの定義、それに伴って発泡酒の定義も、酒税法で決められていたのです。
酒税法いわく、ビールとは「麦芽とホップと水を主原料とし、麦芽の比率が50%以上、アルコール度数が20%未満の飲料」とのこと。それに加えて、使って良い副原料が決められています。主にスパイスやハーブなどの香り付けを行うためのものと、トウモロコシや芋類など麦の代わりに発酵させるためのものが、副原料です。

で、発泡酒とは、簡単に言えば上記のビールの定義に当てはまらないビールっぽいものです。以下のような発泡酒があります。

・麦芽の比率が50%未満のもの
麦芽を発酵させてアルコールを作るのが本来のビールです。でも麦芽は高い。なので、別のもので代用して安く済ませると発泡酒になります。トウモロコシ、芋類、大豆などの糖質を発酵させてアルコールを作るものが多いようです。
麦芽はビールの味わいの大事な要素になるので、それを減らすと若干ものたりない味になってしまうことがほとんど。なので、値段だけでなく味わい的にも発泡酒はビールの廉価版と思われるわけです。

・決められた副原料以外の原料を使用しているもの
麦芽の使用率を減らしていなくても、ビールの定義に含まれていない原料を使うと、それは発泡酒とされます。例えばベルギーのホワイトビールに特徴的な材料、コリアンダーシードやオレンジピール。これらが入っているとビールじゃなくなります。
ただ、麦芽を減らしているわけではないので、ビール本来の味もしっかりします。さらに副材料により豊かな風味が加わっているので、ビールの廉価版というイメージではなくなります。むしろ高い。そんな発泡酒もあるのです。


■第3のビールってなんでしょう

さらに発泡酒でもない、第3のビールとか新ジャンルとか呼ばれるものもあります。これは麦芽を使っていなかったり、多少麦芽を使ってつくった発泡酒に後から蒸留酒を混ぜたりしてつくったビールっぽい味のものです。
チキンナゲットだと思ったら大豆タンパクでつくったものでしたーとか、なんかもうそんな感じ。よくわかりません。


■酒税法が生んだ鬼子

なぜ発泡酒とか第3のビールとかが次々生まれたかというと、おそらく売価を安くするためです。
で、そこには麦芽が高いから節約したいという目的もあったでしょうが、もっと大きかったであろう原因が、ビールより発泡酒、発泡酒より第3のビールの方が税金が安いからという事情です。

350ml缶換算でざっくり計算すると、売価には以下の税金が含まれています。
ビール:77円
発泡酒:47〜77円(麦芽使用割合による)
第3のビール:28円

サッポロ黒ラベルが195円で売られていたら、ビールなので77円は税金です。本体は118円。
サッポロドラフトワンは105円だったら、第3のビールなので税金は28円、本体は77円です。
実は本体価格だけ比べたらビールと第3のビールには40円しか差がないんですね。
僕の場合、195円と105円だったらドラフトワンを選ぶかもしれませんが、もし118円と77円で売られていたら黒ラベルを買うことが増えるでしょう。税金憎し。

そんなこんなで企業努力の末、税金の安い第3のビールがたくさん売れるようになり、税収が減りました。すると今度は国の反撃です。発泡酒や第3のビールの税率を上げる、と言いだしました。でもただ上げるだけでは反発必至ですので、ビールの税率は下げるとも言っています。ビールっぽいものの税率は全部統一するよ、と。
2026年には、350ml缶換算の税金は、ビールも発泡酒も第3のビールもぜんぶ54円くらいになる予定です。
すると計算上は、黒ラベルが172円、ドラフトワンが131円。この価格差になったら、今ほど発泡酒は売れなくなるのではないでしょうか。


■[beer010]ホワイトベルグ

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さて、唐突にホワイトベルグの話です。これが個人的に最も頻繁に飲んでいる発泡酒なので。

ビール100種チャレンジに発泡酒を含めるかどうか一瞬考えたんですが、まあそれを言ったらヨーロッパの輸入ビールとかも分類上は発泡酒だったりして面倒なので、含めるとしちゃいました。

■ビール情報

名称:ホワイトベルグ
メーカー:サッポロ
産地:日本
タイプ:発泡酒。ベルジャンホワイト風。
アルコール度数:5%
価格:120円くらい
入手場所:スーパー


■味わいメモ

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外観:淡い金色。
アロマ:華やか。コリアンダーと柑橘系の香りが目立つ。
味わい:フローラル感。華やかで甘め。ホップの苦味は控えめ。
ボディ:ミディアムボディ

ベルジャンホワイト風ですが、もちろん完全再現ではありません。ベルジャンホワイトほど柔らかくもなく、酸味や酵母感もありません。どちらかというと普通のビールに近い印象ではあります。
ただ、華やかさはあるし、ホップも意外と感じる。コリアンダーの癖があるので好き嫌いは分かれそうですが、僕は好き。ベルジャンホワイト風だからと麦芽やホップを減らして節約しつつ、逆に香り付けは足して華やかな演出をする。発泡酒ではどうしても麦芽感やホップ感が足りない印象になりがちですが、それを逆手に取ったような味つけとバランス感。やり手です。

好き度:★★


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ビール代になります。