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真っ当で平均点の高いビールが揃った伊勢角屋麦酒の4本 1000BeerChallenge(196-199/1000)

■伊勢角屋麦酒

伊勢角屋麦酒は、名前の通り伊勢のクラフトビール屋さんです。ただし、もともとはお茶屋さんだそうで。創業1575年の老舗です。伊勢参りに来る人たちにお茶や餅を出すところから始まったのでしょう。それから味噌や醤油をつくるようになったと、公式サイトにありました。それらと並行して昔からお酒も扱っていたのでしょう。
そして1997年にビールをつくりはじめたとあります。ビールの規制緩和のわりと直後、地ビール黎明期のころです。そして雨後の筍のように醸造所が生まれた地ビールブーム時代を生き残り、今では酒屋さんでもときどき売られているのをみますし、東京にも直営のビール居酒屋を2店舗持っています。つまりは歴戦の勇士なのです。


■商品ライン

伊勢角屋麦酒の公式サイトで紹介されているビールは6種ありました。
・ペールエール
・ヒメホワイト(ベルジャンホワイト)
・ラッシュホップIPA(IPA)
・インペリアルレッドエール(レッドエール)
・NEKO NIHIKI(New England IPA)
・ゴールデンドラゴン(セッションペールエール)

今回はその中から4本。


■[beer196] GOLDEN DRAGON

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まずはセッションIPAらしきゴールデン・ドラゴンから。セッションIPA好きなんで、と思ったらセッションペールエールなんだ。どう違うんでしょう。


■ビール情報

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名称:GOLDEN DRAGON
メーカー:伊勢角屋麦酒
産地:三重
タイプ:セッションペールエール
アルコール度数:4%
価格:700円くらい
入手場所:プラチナビアマルシェ(アトレ川崎)


■味わいメモ

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外観:淡い麦わら色。
アロマ:熟成香。フローラル感。柑橘感。麦の甘さ。
味わい:熟成香。フローラル感。ホップの苦味。柑橘感。酵母っぽさ。
ボディ:ミディアムボディ。

色は淡めです。ペールエールだからこんなもんかな。
香りはわりと賑やかで楽しい感じです。ホップの華やかさと苦そうな香りがあり、柑橘っぽさもあり。確かにセッションIPAに近い印象。そして熟成香と麦っぽい甘い香りも少しあります。
味わいもやっぱりセッションIPAに近いイメージです。ホップの華やかさと苦味がしっかりあって、柑橘感も加わります。ボディで麦っぽさと熟成香っぽい甘みが加わり、喉ごしでは酵母感のような酸味もふわっと。華やかで賑やかで楽しい。後味は麦の香ばしい感じで軽やか。
勢いよく昇って、スムーズに降りてきて、穏やかに波紋が広がる。ドラゴンっぽく言ったらそんな感じ。楽しい。

好き度:★★★★


■[beer197] PALE ALE

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セッションペールエールに続いて、ペールエールを。こちらが定番スタイルなのかな。


■ビール情報

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名称:PALE ALE
メーカー:伊勢角屋麦酒
産地:三重
タイプ:ペールエール
アルコール度数:5%
価格:700円くらい
入手場所:プラチナビアマルシェ(アトレ川崎)


■味わいメモ

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外観:淡い茶色。
アロマ:熟成香。フローラル感。麦の甘さ。カラメルっぽさ。
味わい:熟成香。フローラル感。ホップの苦味。バターのような甘さ。カラメルっぽさ。
ボディ:フルボディ。

色は薄めの茶色。ペールエールって感じです。
香りはホップの華やかさが中心なのですが、少し苦味風の香りがあります。そして甘い香りが特徴っぽい。麦っぽい甘い香りだけでなく、淡いカラメルっぽい香りもあります。
味わいはさらに甘さに傾く感覚です。口当たりはホップの華やかさと、苦味もそこそこあるのですが、そこに穏やかだけれどバターのようなコクのある甘さと、カラメル風の甘さが乗ってきます。でもしつこくはなく、喉越しはスムーズ。後味では苦味が目立つので、あれ、甘さどこいった、となります。
甘みがあり、ずっしり感もあり、麦の香ばしさの余韻もあり。すべての要素が真っ当で美味しい。でもオーソドックス過ぎてインパクトはないのかもしれません。美味しいんだけど。

好き度:★★★★


■[beer198] HIME WHITE

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ヒメホワイトは、ベルジャンホワイトのようです。何が姫なんだろう。確かにベルジャンホワイトって姫っぽさあるけど。


■ビール情報

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名称:HIME WHITE
メーカー:伊勢角屋麦酒
産地:三重
タイプ:ベルジャンホワイト
アルコール度数:5%
価格:700円くらい
入手場所:プラチナビアマルシェ(アトレ川崎)


■味わいメモ

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外観:くすみのある淡い麦わら色。
アロマ:熟成香。柑橘感。麦の甘さ。酵母っぽさ。コリアンダー。
味わい:柑橘感。麦の甘さ。フローラル感。ホップの苦味。コリアンダー。
ボディ:ミディアムボディ。

色はいわゆるベルジャンホワイトっぽい、淡い濁りのある感じです。
香りもおそらくスタンダードなベルジャンホワイト。柑橘感があって、麦っぽい甘みがあって、コリアンダーの個性的な印象。
味わいは意外と軽いなって感覚でした。口当たりで柑橘感が前面に出てきて、後から麦の甘さ、ホップの苦味、柑橘系の酸味と渋みが混ざったようなフレーバーがきます。そしてコリアンダーの香りがふわっと。後味は意外と苦味がメインな感じです。
酵母のまったり感があまりなく、苦味もそこそこあるのが、いわゆる正統派ベルジャンホワイトとは違うのかもしれません。でも、ボディが意外と軽い分、ホップの華やかさや苦味やコリアンダーの感覚がすっきりと目立って感じられるのが面白い印象でした。

好き度:★★★★


■[beer199] ねこにひき

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猫2匹。キャッチーな名前。ラベルのデザインはいまいちポップではないんだけど、それがかえって醸造所の猫なのかなって思わせますね。


■ビール情報

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名称:ねこにひき
メーカー:伊勢角屋麦酒
産地:三重
タイプ:ニューイングランドIPA
アルコール度数:8%
価格:700円くらい
入手場所:プラチナビアマルシェ(アトレ川崎)


■味わいメモ

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外観:濁りのある濃い麦わら色。
アロマ:熟成香。柑橘感。フローラル感。ホップの苦味。
味わい:熟成香。柑橘感。フローラル感。ホップの苦味。
ボディ:フルボディ。

色は濃いというよりはオレンジに近いという印象。濁りもあります。
オレンジ色に引っ張られたわけではないでしょうけれど、香りも柑橘感を強く感じます。ホップの華やかさや苦味もあり。力強い香りって印象です。
味わいも強め。口当たりはトロピカルな熟成香が目立って甘い印象なのですが、ホップの華やかやさ苦味がじわっと出てきて、さらにボディは濁りのあるイメージの通りまったり。ずしっずしって感覚。でも後味は意外とすっきりきれていって、苦味がさらっと残るくらいです。
色の印象で、これは個性派だな、と思うわけです。味わいの方も確かに個性派。でも基本として押さえるべきところは抑えてるでしょ?って感じで、しっかりまとまりもある感じです。

好き度:★★★★


■真っ当な道を歩むストロングスタイルの醸造所

伊勢角屋麦酒のビールはどれも真っ当でした。基本を踏まえ、質を高く保つ。外連味なく正面から美味しいものをつくります、って感じ。きちんとしてますねえ、王道ですねえ、というイメージです。
平均点もとても高い、伊勢角屋麦酒のビールならどれ飲んでも信用できるって感じがしました。とはいえ、お値段的にね、ハズレだとつらいしね、美味しいけどずば抜けた感じがしないのもね、お値段的にはインパクトも欲しいよね、なんて思ってしまうのは消費者のわがままなんでしょうねえ。



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ビール代になります。