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二泊三日で青ヶ島。上陸できるか? 帰ってこれるか? (1)実は日帰り可能説編

■青ヶ島旅行のベストシーズンは?

青ヶ島は上陸すること自体難しいって本当?


青ヶ島のことを知ったのはいつだったかな、けっこう昔だったはず。
小笠原とともに、行くのが大変な島として記憶になんとなく残っていました。小笠原はただ遠くてフェリーでしか行けないから行くのが大変。最低でも1週間はないと旅行には行けない。だから、青ヶ島もそんな感じなんだろうと思っていました。

でも、それは誤解でした。
青ヶ島はフェリーが欠航になることが多すぎるから行くのが大変らしい。平均すると50%くらいしか船が出ないとか、天候が崩れると平気で1週間くらい欠航するとか。

それは確かに、会社員が週末プラス有給でさらっと旅行するにはリスクが高い場所だな…

しかし、そこには盲点が。
船の就航率は季節によってかなりの差があるらしいのでした。特に5月は天候が安定していて、80%くらいは就航しているとのこと。
しかも、船だけでなくヘリでも行けるらしい。ヘリの方がさらに安定していて、5月ならば90%以上は余裕で飛んでいるとのこと。

また、青ヶ島は東京から行くには、距離的には実は大して遠くない。約370キロほど。大阪よりも近い。
羽田から八丈島までは飛行機で1時間弱。八丈島から青ヶ島まではヘリで20分。
こんなの通勤圏じゃないか。天気さえ良ければ。

それに気づいたのが5月の半ば。
行こう、今月行こう。だって今5月だもの。今月しかない。
唐突に決心したのでした。


青ヶ島はチケット争奪戦により近くて遠い島になった


5月の週末にプラスして金曜日か月曜日に休みをつくって、2泊3日で青ヶ島まで行ってやる。計画はそれだけでした。
しかし、飛行機は余裕なのに、ヘリの予約が取れない。
ヘリは八丈島と青ヶ島を1日1往復。定員は9人

1日9人しか行けないのかよ。

そんなこんなでチケット争奪戦に負け続け、結局5月中の予約は取れませんでした。
しかし、ようやく6/2(土)の青ヶ島行きの予約を確保。続いて6/3(日)の八丈島に戻る予約も確保。これでとりあえず往復のヘリに乗れることになりました。

ただ、6月なんです。
電話でヘリの予約受付の人に聞いても、青ヶ島の民宿の人に聞いても、6月の1週目くらいに梅雨入りすることも多く、そうなると天候は不安定になり、ヘリも飛べなかったりするとのこと。
非常に不安。
どうしよう。行くべきか、今回は諦めておくべきか。

で、軽く迷ったのですが、まあ2泊3日ずっと八丈島でも仕方ないと覚悟すればいいだけだし、と。
でも、青ヶ島に行けたけど戻ってこれないってなったら最悪です。有給なくなっちゃう。ネットが繋がるらしいから仕事して許してもらうか、でもなあ。

しかし、このチャンスを逃したら、次はまた来年。それはちょっとなー。

とりあえず決行を決断。
あ、決行って欠航につながるわ、縁起悪いわ。
なんて思いながら、それから毎日天気予報チェックしつつ、出発の日を待ちました。


■秘境青ヶ島、実は日帰りできる?


青ヶ島までの交通手段


秘境。行くの大変。たどり着ければラッキー。なんて言われる青ヶ島ですが、東京から(っていっても青ヶ島も東京だろってツッコミは不要として)実は日帰りができるのです。
天気が良ければですが。

青ヶ島へのアクセス手段はヘリと船の2つ。

ヘリは、
八丈島(9:20発)→青ヶ島(9:40着)受付は8:50まで
青ヶ島(9:45発)→八丈島(10:05着)受付は9:15まで

船は、
八丈島(9:30発)→青ヶ島(12:30着)
青ヶ島(12:50発)→八丈島(15:50着)
*金土は青ヶ島(13:30発)→八丈島(16:30着)
*木日はお休み

で、八丈島へのアクセスは羽田だと
羽田(7:30発)→八丈島(8:25着)
羽田(12:15発)→八丈島(13:10着)
羽田(15:55発)→八丈島(16:45着)
八丈島(9:00発)→羽田(9:55着)
八丈島(14:05発)→羽田(15:00着)
八丈島(17:20発)→羽田(18:20着)

なので、
朝7:30の飛行機で羽田から八丈島に飛んで、8:25に到着
ヘリの受付デスクは同じ空港内なので8:50までに間に合う。
そして9:20発のヘリで八丈島から青ヶ島に上陸

青ヶ島滞在は3時間10分。ヘリポートからゆっくり港に歩いても間に合います。島内を見て回ろうと思ったら流石にレンタカーが必要になりますが、主な見所は回れると思う。

帰りは12:50発の船で青ヶ島から八丈島へ
15:50に八丈島に着くので、羽田行きの飛行機17:20までは余裕があります。港から空港まで歩いても間に合うくらい。タクシーで行けば島寿司を食べるくらいの時間はあります。

なんと、日帰りが可能。土曜日だったら青ヶ島滞在がさらに40分伸びて3時間50分もいられるんです。
週末日帰りで青ヶ島行ってきたよー、なんて言ってみたいものですね。


青ヶ島までの交通費は?


とはいえ、日帰りは一日中天気が良ければ可能という話です。
行きの飛行機が遅れたらヘリは待ってくれませんとも言われましたし、当然帰りの船が遅れても飛行機は待ってくれません。なので、余裕を持った計画を立てました。とはいえ2泊3日なんですが。

(1日目)
出発
12:15 羽田発の飛行機→13:10 八丈島着 (約13,000円)
八丈島泊

(2日目)
9:20 八丈島発のヘリ→9:40 青ヶ島着 (約12,000円)
青ヶ島泊

(3日目)
9:45 青ヶ島発のヘリ→10:05 八丈島着(約12,000円)
17:20 八丈島発の飛行機→18:15 羽田着 (約13,000円)
帰宅

空を飛ぶ部分の交通費は合計で5万円くらい。まあ南の島に行くと思えばこれくらいはしかたない、っていうところですね。


■青ヶ島旅行day1 八丈島上陸


近いぞ八丈島


旅行に出る日はいつでもなんとなく浮ついた気分になるものです。
空港行きのバスでビールを飲んでしまう程度には浮かれている。
おそらくこれから国へ帰るのであろう、ちょっと疲れたのか、帰るのがちょっと寂しいのかという表情で同乗している人たちには申し訳ないが、つまみとビールくらい許してください。臭かったらごめん。

空港でも一杯飲みつつ、 #エアポート投稿おじさん も決め、いよいよ搭乗。

平日昼間の便だからか、ゴールデンウィークと夏休みの間は閑散期なのか、がらがらで快適。

しかも、八丈島、近い
うとうとっとして、あれ、揺れたかな、って目を覚ましたら、もう着陸してた。羽田から1時間足らず。


八丈富士登頂失敗


とりあえず宿にチェックインして、今日はふらふらと散歩して過ごすことに。もう飲んでるからレンタカーも借りられないし。
曇っているけれど雨は降らず、そこそこ気温は高めだけど汗だくになるほどでもなく、景色はなんとなく南国でいい感じ。

市街地と言えそうなのは空港の南東側あたり、歩いて30分くらいの範囲か。

スーパーで島寿司とビールを買って、山に登ってみることに。
八丈富士、確かに富士山みたいな形。

地図に、登り口から頂上まで1時間くらいって書いてあったから余裕だと思って登り始めたものの、途中でなんか変だと気づく。これじゃ1時間で頂上まで行けるはずがない、という距離と傾斜。
どうやら、頂上に行くための登り口(車道がなくなるところ)から1時間で頂上、という意味だったらしいことに気づいたのは歩き始めて30分ほどもたったころでした。

たっぷり1時間かかって、ようやく登り口まで到達。


これから頂上まで行っては、帰り道は真っ暗になっちゃうな、ということで断念。お鉢巡りしたかったけどなあ。

とはいえ、登り口のところには牧場があって見晴らしもすごくよく、まあとりあえずここまででもいいか、と思える場所でした。
スーパーで買ってきた島寿司とビールでひと休み。


けもの道で空港へ


さて、牧場からの帰り道、来た道を下るのか、また1時間歩くのか、とさすがに嫌になって来たところに、脇道を指す看板が。

空港方面遊歩道、とかなんとか。

ほんとに? この道? というか、これ、道?

でも、これはきっとショートカットだ。行くしかない。
ということで、突入。

少し歩くと道っぽくなった。車が通った後もある。これならきっと空港までつながってるだろう。よしよし。

かなり歩きにくかったけれど、山の斜面をほぼまっすぐ降りられた気がするので、結構ショートカットになった。はず。

そんなこんなで空港にたどり着いたときには、宿まであと30分歩く気力は残っていなかった。ちょうど最後の羽田行き飛行機が飛んでいった直後だったからかまだタクシーが残っていて、それでいったん宿へ。

宿は港近くのバリ風のホテル。八丈島でバリってのも不思議ではあるけれど。テレビはいつも通りの内容なので旅行に来ている感が薄いけれど。まあ東京都から出てないもんなあ。


寿司→寿司→刺身


夕飯は居酒屋風の料理屋さんで島寿司。
さっきスーパーで島寿司買って山の上で食べたけど、もう一度、島寿司。

さすがにスーパーのよりも魚もご飯も柔らかくてふんわり美味しい。
でもネタが全部づけってことだから、白身魚の細かい違いは僕なんかにはわからない。

寿司に天ぷらを追加して、ビールを2本飲んで、まだ日が暮れきっていない。
やはりふらっとしてみるかと、またスーパーの方に歩いていってみる。お店はちらほら。まだ早いのか、シーズンオフだからか、開いていないお店もわりと多い。

スーパーも過ぎて、そろそろお店も途切れるかなというところで、なんとなく良さそうなお店が。入ってみよう。

そしてお刺身。


八丈島では昔わさびが手に入りにくかったそうで、その名残か島寿司にはカラシが使われているとのこと。今度は、わさびもあったけれど、唐辛子を醤油に入れて食べると言われた。
舌にぴりっとアクセントがくる。なかなか楽しい。美味しかった。

すっかり暗くなった道をふらふら帰る。
天気も良くないので月も星も見えず、ネオンが目立った。

明日はヘリ飛ぶかなあ。


2018年6月




ビール代になります。