ゆるきゃん△光岳(オリエンティア裏Advent Carendar2019 12/8)

ゆるキャン△光岳
◆登場人物
東将央(京葉OLクラブ)
田中基成(京葉OLクラブ)

◎プロローグ
「あ~キャンプしてぇ!!」
まさおは飢えていた。必ず、あの痛快無比なキャンプをしなければならぬと決意した。まさおにはキャンプはわからぬ。まさおはオリエンティアである。地図を持ち、コンパスを持って野山を走ってきた。けれども、キャンプに対しては人一倍敏感であった。
『ピコピコ』
突如鳴り響いた携帯電話。やな予感が胸をよぎる。
「光岳でキャンプしません?」
田中基成からこんな誘いがきた。冷静になるとやな予感はまったくせず、楽しみな響きを感じた。
「ふむふむ、「ひかりだけ」か。なんという幻想的な名前だろう。きっとみたこともないような高山植物が咲き誇り、幻想的な風景の中キャンプができるのだろう。素晴らしい。」
まさおは早速もとなりにキャンプ承諾の返事をした。
「ミ・アミーゴ」

1章 まさお、宙に舞う
キャンプ当日。車に乗って、光岳登山口に向かう。東名高速をくだり、静岡方面へのドライブだ。
道中車内にて
「きんにく!」「マッスル!」
などといったワードを飛び通わせつつ、高速道路を降りる。
さて、高速道路を降り、山道を進むも一向に登山口の駐車場に到着しない。
まさおは不安になり、もとなりに聞いた
「全然着かへんな。まだかな」
「高速降りてから登山道まで2時間位かかりますよ」
ん?2時間!?神戸から京都まで車でいけますけど!
聞いて、まさおは激怒した。
「あきれた道だ、おきておれぬ」
山道だったので、酔いやすさもあり、運転を基成に任せ、まさおは寝た。

起きたらそこは駐車場であった。ついに、登山口まで到達したのだ。
「運転ご苦労、基成。これより、いざゆかん光岳!」
まさおと基成は、ついにキャンプへの一歩を踏み出した。
その時、まさおは宙に舞った。この光景が、前途多難な今後を予感させた。

スタート橋

2章いざ、スカイランニング

さて、橋を渡るといよいよ登山開始だ。基成が先導し軽快に登ったり降りたりする。途中、過去の台風で流された橋を見ながら、「嗚呼、諸行無常也」などと宣う余裕さえあった。

1時間程度で「ウソッコ沢小屋」に到達。あれ、ペース速くね。キャンプしに行くだけなのに、このペース。でも、光岳にはつく気配がない。まだまだ眼前にそびえ立つ山塊。あれ、光岳って遠い?
「これって、後どれくらい登るん?」
まさおは恐る恐る基成に聞いてみた。
「あと、1500mくらいは登りますね」
やられた...!!キャンプするだけだと思ってたのに、こんなに遠いなんて!
おれはもっとゆるいキャンプがしたいんや!

そうはいっても、しょうがない。
これから、ひたすら登りが続く。
この区間はスカイランナーになった気分で登るしかない。
「うおおおおお!!まっするまっする!!」
叫びながら登っていると、ついに、山頂が見えた!あれが光岳か!?
「ついについたな!」
まさおは喜びに打ち震えながら、基成に言った。
もとなりはにこやかに言った。
「あれ、茶臼岳です。距離的にはようやく半分ですね~。あ、でも、もう登りほとんどないんで大丈夫っすw」
まさおは静かに息を引き取った。(以下は茶臼岳らへんからみる、聖岳の画像)

茶臼岳

3章 最果ての地、光岳
茶臼岳にくるまで、3時間程度経過している。あれ、ペース速くね。これってキャンプですよね。
(ちなみに、登山口から茶臼岳までの標準タイムは7時間程度である)
「なんか苦しい、吐き気がする。高山病だ。ああ、おれはここで死ぬんだ」
まさおは弱気になる。
「大丈夫です。ここからは基本下っていくんで。じゃ、走りますよ!」
田中基成のゴリ押しにより、尾根上を走ることに。

なるほど、たしかに下りが多い。別に大丈夫な体調ではないが、尾根上を走りながら進んでいく。といいつつも、登りがないわけではないので、下っている感覚はない。これだから、登山家の登高感覚は信用ならぬ。


なんやかんやありつつも、易老岳を経て光岳直前の三吉平に到達。光岳まで、もう少しだ。しかし、目の前に広がるのは圧倒的な斜度の壁。
まさおは恐る恐る基成に聞いてみた。
「これってあとどれくらい登るん?」
「あと、300mくらいは登りますね。」
やられた!これだから、登山家の登高感覚は信用ならぬ。登山において、同じ高さのピークに到達するのであれば、登りはないと言い張りよる。

なんとか坂を登りきると、そこは素晴らしい景色が広がっていた。

登頂後

「光岳最高!このまま頂上に一気に行くぞ」
しかし、登頂後に広がるのは、こんな光景

光岳周辺

「なにもねぇ!がっかりだよ!しかも、てかりだけって読むんかい!だっせぇ!なんかはげあたまっぽい!」
出てくる出てくる罵詈雑言。限界登山の末期症状。

まぁでも、ちょっと奥にいくと、こんな光景も広がっていたので、
なんやかんや最高な気分になった。

光岳

ちなみに、光岳には6時間程度で到達した。
(標準タイムは12時間30分)

4章 きゃんぷ
いよいよキャンプ!
まさおの中でBGMはFF10のザナルカンド。
https://www.youtube.com/watch?v=7gLOamc8zQ8
寒空の下、湯を沸かし、温かい食べ物(リゾットやらリゾッタやら)をたべ、基成と色々語り合いながら、夜を明かす。
「最高やな~」
人並み外れた人並な感想を抱きながら、いよいよ初のテント泊。
1日の疲労もあり、18時頃には一瞬で眠りについた。
・・・・・・
と思ったら、一瞬で目を覚ました。
「まだ、19時?まぁ一日しんどかったし、ねれるやろ」
楽観的に構えていたが、この後10時間くらい寝れなかった。
シュラフの中は狭くて身体が動かせなくてストレスだし、クッションは薄くて背中が痛いし、
今日の登山でかいた汗で自分めっちゃ臭いし、寒いし
色々ネガティブな要素により、寝れなかった。あまりにねれないので、羊を数えることで、
眠気を誘った。500匹くらいは数えて、ようやく眠れた。

5章 下山
起床。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたるって感じ。
非常にスリーピーだが、ファスト帰りたいので、朝6時頃にゴーダウンマウンテンを開始した。
帰りは下りが多かった。でも、登山は下山も辛い。基成の足が死に、自分は吐き気に襲われた。

登りで来た道を下ると、その斜面の険しさに驚愕する。下るたびに
「いや、冷静に考えてこの斜面登ってきた自分たち偉すぎん?」
と自分たちを褒め称えてた。

そうこうしているうちに、5時間位かけて下山。
辛い登山だったが、楽しくもあった登山だった、何より、テント泊キャンプをすることができた。
まさおは誘ってくれた基成に感謝した。
「誘ってくれてありがとう!楽しかった。もう光岳に一生のぼることはないけど」
「いやぁお疲れさまでした!次はどこへキャンプしにいきます?」
こ、こいつ、、、既に次を見据えてやがる。。。さすが山男。
まさおは、こう答えた。
「うーん、霧ヶ峰でキャンプするのはどうだろう」

◎エピローグ

皆様はじめまして、京葉OLクラブの東と申します。
今更ながら、自己紹介します。
<プロフィール的な感じのやつ的なアレ>
・名前:東将央(あづままさお)
・出身校:横浜国立大学(KOLC)OB4年目
・所属クラブ:京葉OLクラブ
・2017年度インカレミドルのコースプランナーだったりしました。

上記の物語は、初めてテント泊キャンプをする男の感情の移ろいを書いた物語となっております。今後光岳に登る人は参考にしてください(記載の半分くらいは冗談です)。
そもそも、上記の光岳に行った理由は、今年度のOMMにそなえたトレーニングの一環でした。

結果としてOMMでは、StraightAクラスにて優勝することができました。
自分の準備(と田中基成くんのアドバイス、準備など)により、このようなが結果を出すことができ、大変嬉しく思っております。

OMMに向けては、それなりにトレーニングしました。
OMMに向けて自分がどんなトレーニングをしたか、自分の考えを整理し表明することで、
皆さんのオリエンテーリングライフの一助になればと思い、書いていこうと思います。

◆OMMに向けての準備
<目標設定>
まず、大切なのは目標設定です。
基成が「StraightAクラスなら優勝できるっしょ」と言うので、優勝を目標とすることにしました。
目標を定めないと、どのようなアプローチでそこを目指すか見えてこないので、目標設定は大切です。

<トレーニング方針の策定>
OMMでは様々な能力が大切になってきますが、優勝達成に最も必要な体力が圧倒的に不足していた状態だったので、フィジカルトレーニングを計画的に実施する必要がありました。

2019年上期は基本的に仕事で忙殺気味だったので、仕事が落ち着きを見せつつあったCC7の後から、本格的にフィジカルトレーニングを開始しました。以下の方針でトレーニングを実施するようにしました。
・トレーニングする環境・習慣を作る
・ランニング以外で山を走る能力を獲得する

■トレーニングする環境・習慣を作る
まずトレーニングを習慣化するようにしました。普通に生活すると習慣化できなさそうだったので、ジムに入会しました。仕事の後直接ジムに通うことで無理やりトレーニング環境を作りました。

■ランニング以外で山を走る能力を獲得する
具体的には、筋トレを多めにするようにしました。自分が住んでいる東京都台東区には全く坂がなくて、登坂力をつけるためには普通にランニングするには不十分でした(大学時代は普通に走ってれば坂にぶち当たっていたのですが。。。)。そこで、せっかくジムに通うし、ランニングマシーンだけではなく、筋トレマシンを利用し、下半身の筋トレをほぼ毎日することを目標にしました。

<具体的な目標>
優勝するには、どの程度の体力が必要か?
これを明確にしないと、目標達成レベルを測れないので、以下のように定義しました。
「オリエンテーリングのロングディスタンス競技を走りきれる体力」
オリエンテーリングのロングディスタンスを走りきれたら、OMMでも走りきれるだろうという想定しました。OMMで走りきれれば、ナビゲーション的には他の競技者と比較し優位があるはずだ。だから、オリエンテーリングのロングディスタンスを走りきれたら優勝できるはずだと考え、このような目標設定をしました。

<トレーニング計画>
CC7の後から、OMM本番までは時間がなかったので、「準備期」「鍛錬期」「調整期」と分けてトレーニングしよう計画しました。
■準備期(9月中旬~9月末)
ここでは、トレーニングの習慣化、鍛錬期に強度の高いトレーニングを行えるようにトレーニングのためのトレーニングを行うことを考えました。主に低強度のトレーニングを地道に積み重ねる感じです。

■鍛錬期(10月頭~10月末)
ここでは、強度の高いトレーニングを織り交ぜ、しっかりと体力をつけていくことを意識しました。自分の体力がつくパターンは過去の記録から「3:7=高強度トレ:中強度トレ」の割合でトレーニングをすることだったので、その比率くらいで高強度を取り入れることを考えました。できれば、150km程度走りたい。

■調整期(10月末~本番まで)
ここでは、長くてゆっくり走るトレーニングよりも、強度が高く距離が短いランニングを中心にトレーニングを行うことを考えました。また、オリエンテーリングのロングディスタンスを走ることで、現状の体力達成度合いを図ることを目標としました。

<実際のトレーニング量>
ランニング、筋トレ以外にも、登山、オリエンテーリングなど、様々な形で自分の体力向上を目指しました。最終的には、以下の通りのトレーニング量となりました

■ランニング:ジョグ、トレラン(高尾山~景信山往復)、オリエンテーリング
9月(9/18以降):23.92km 2時間4分
10月:127.32km 13時間15分
11月(11/8まで):35.03km 2時間40分
合計186.27km 17時間59分

■登山:3回(赤城山、光岳、塔ノ岳)
赤城山:6km 5時間
光岳:35.66km 11時間12分
塔ノ岳:14.82km 5時間32分
合計54.48km 21時間44分

■筋トレ
ランニング時間の60%を筋トレ時間:10時間48分
下半身、腹筋、背筋を主なトレーニングとしていた。(あくまでも、肌感覚なので、正確な値ではありません)

52日間合計トレーニング時間:50時間31分

振り返ると、もう少しやれたかな、と思わなくもないですが、
最終的に優勝する結果を得ることができたので、良しとしましょう。
StraightEクラスを走るのであれば、このトレーニング量では走りきれなかったかもでしたが、、、

◆最後に
長々とここまでお読みくださりありがとうございました!
自分のトレーニングの記録から、なんかヒントを得て生かしてくれる人がいれば嬉しいです。

オリエンテーリングを楽しむためには、きちんと走りきれる体力が不可欠だと個人的には思っているので、「体力に自信ないな~」と思っている人もきちんと体力つけてオリエンテーリングライフをたのしみましょ~体力つければ、見える世界が変わりますよ。
それでは!

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