見出し画像

今さら聞けない印刷&デザイン用語その5 「ゲラ」

こんにちは。アドパブリシティのタカヒロです。

先月、「く」から始まるシリーズが終わったばかりの今さら聞けない印刷&デザイン用語シリーズですが、今回からは次のワードの「け」から始まる言葉を4回に渡ってご紹介するシリーズ第1回になります!
さっそくいってみましょう!

[前回の記事はこちらから]

[ゲラ]

ゲラとは、笑い上戸な人ではなく、スプーン曲げで有名なゲラー氏・・・でも残念ながらなく、校正を行うための印刷所で刷られる試し刷りのことです。もしかするとあまり馴染みのない言葉かもしれません。
これを使って誤字脱字がないか、そもそも原稿通りになっているか・・・などの確認を行い、その後、改めて印刷作業に入ります。
なので、「ゲラちょうだい」みたいなことを言われて、ゲラゲラ笑っても気まずくなるだけなのでご注意ください。

なぜ「ゲラ」と呼ばれるようになったのかというと、組版で印刷していたころに使われていた、活字を並べるための底が浅く幅が広い枠箱の形が、ガレー船を思わせることからgalley(ガレー、ギャリー、ギャレーetc)と呼んでおり、それが転じてゲラと呼ぶようになりました。時代の流れと共に組版やゲラそのものもほぼ無くなっていってしまいましたが、言葉としてのゲラは今日まで長々と使われている、歴史の重みのある言葉なのです。

ゲラ2

このようにいろいろ背景を見てみると、名前こそは愉快なものですが、作業としては大詰めも大詰めの最終チェックの部類。長かった作業もゴール間近でついつい気が緩みそうですが、ここで失敗して笑えないことに・・・とならないよう、最後までちゃんと気を引きしめたいですね。

いかがでしたか?
もし今後、赤字などが書かれた原稿などをみる機会がありましたら、言葉の裏に隠された、長い印刷の歴史を感じてみてくださいね。

次回は「け」からはじまる言葉第2弾!お楽しみに!