『あぶない叔父さん』

麻耶雄嵩さんの作品。

霧の田舎町で起こる不可解な事件を解決していく物語。

主人公の優斗には、便利屋をしている叔父がいる。事件の裏には叔父がどうやら絡んでいるようで・・・。

叔父さんはちゃっかり証拠を隠滅して、過失致死をなかったことにしている。叔父さんに便利屋の仕事を頼まないほうが良いということが分かった。タイトルの意味に納得できた。

叔父さんは墓場まで持っていくような秘密をたくさん持っていて、精神的に辛くないのかなと思った。

学校に勝手に立ち入ったらだめなのではないかと思ってしまった。


印象に残っている文

転校生もシーズン途中なら少しは盛り上がったかもしれないが、始業式直後ではインパクトがほとんどない。クラス替えでいくらか知らない顔が混じっているのだ。

女の恨みは嫉妬となり同性に向けられる。

だが、どうして女って生き物は関係ない事柄から強引に糸を紡ぎ出せるんだろうか。

「本当?」女の勘は猫の爪並に鋭い。

「優斗。友達は財産だから大事にしなければいけない。真剣な相談をつまらないと笑っちゃいけない。そして友達が道を誤らないようにするのも、友達の役目なんだよ」

冬の霧は手先に顔に首筋にと、露出した皮膚に執拗にまとわりつき身体を冷やす。嫌がらせ以外のなにものでもない。

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