『幸福な食卓』

瀬尾まいこさんの作品。

自殺未遂を起こした父、別居をしている母、大学進学を蹴って農業に就職した兄。

家族には様々な形があるなと感じた。

最初は大浦くんのことを嫌な人だと思っていたけれど、読み進むうちに評価ががらりと変わった。まさか大浦くんが亡くなってしまうとは…。生きていてほしい人だった。

ヨシコさんも初めの印象は悪かったが、ただ気持ちを伝えるのが苦手で人として大切なものを持っていると感じた。

ヨシコさんの作るシュークリームを食べてみたいと思った。


印象に残っている文

我が家は昔から記念日は豪華な朝食をとる。中華とかイタリアンとか和食とかジャンルを決めないで、むやみやたらにみんなの得意料理や好物を並べる。

↑ 読んでいるだけでお腹が空いてくる。

生徒の主体性を伸ばすためだとか、自治能力を付けるためだとか、そんなの教師の逃げだ。そりゃ、みんなで前を向けたら理想的だ。でも、それには教師のバックアップが必要だ。

もっともっと、ちゃんと愛していることを伝えてあげればよかった。思い出すことも、後悔することも山のようにあった。誰といても、何をしても、結局大浦君がいたらなあ。思うのはそれだけだった。

人は時々、いつもと違うことをする。それは知らない間に、何かの予感が身体のどこかにあって、そうしてしまうんだと思う。

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