『週末探偵』

沢村浩輔さんの作品。沢村さんの作品は初めて読む。

町中に置かれた鉄道車両を事務所にして、週末だけ探偵業を行う瀧川と湯野原。

彼らの元に少し不思議な事件の依頼が来る。


表紙のような鉄道車両に探偵事務所があったら、とてもワクワクするだろうなと感じた。

「月と帽子とひったくり」の真相に驚いた。被害者が泣き寝入りしなかった理由に納得した。

「探偵たちの雪遊び」が一番好きな話だ。



印象に残っている文

「俺が始めたのは、週末だけの探偵だ」「なんだよ、その〈冷やし中華始めました〉みたいな、のどかな感じは」「もう少し別の喩えはなかったのか」

「まず否定から入るのが霊長類の悪い癖だと、俺は前々から考えていた」自分も霊長類の一員のくせに、湯野原が言う。

「浜口くんもユキダルマーなら知っているだろうけど、最終的な雪だるまの成否を決めるのは顔だ。雪だるまの良し悪しは顔で決まる。だが、いい顔をつくるのは難しい。とくに俺たち大人には」

「電車の運転手と飛行機のパイロットって、男の子なら一度は憧れますよね」


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