わんこそばにときめかない人達へ【2】

約２分遅れて到着した
CYGシグ走った距離と速度が
しっくりこないのは知らない道程ならでは
MさんとMMさんはすでに鑑賞中
目があった瞬間にMさんからシャッター音
事前予約で
１１時から１１時20分
１１時20分から１１時４０分
の枠で申し込みしていた為
時間に余裕はあったのにやはり走ってしまう

シグは白い空間だった
zineがサイズとテイスト毎に
分けられて展示されている
本の形にする製本作業が一番大変な
イメージだけれど紛れもなく本が並んでいる
本屋さんに置かれていても遜色ない
一冊一冊の本の林
一人一人の世界が広がっている
歩き回る
この空間
歩き
立ち止まり
捲り
とじて
また歩く
ウインドウリーディング
ビビっとクールな一冊を求めて

つれづれ団の大きな紙の使い方の本を見つける
書いた本人が目の前にいる
マスクの下にやにやしながらMMさんを見る
購入したい本があったら
そこかしこに用意されている
四角い紙に一冊一冊に割り当てられた番号を書いて
カウンターまで持って行くシステムらしい
時間ぎりぎりまで迷って選んだ一冊は

続今どうしてる?

これにしましたよって
Mさんに見せたら
シナモンさん好きそうな感じだと思ったって
類は友を呼ぶ
類友とスタンド使いは惹かれ合う
各々気になるzineを購入さて
お昼はどうしよう?
特に考えてなかった我らは
数秒固まる
こういう時は
と受付の
ホニャララ「オカ」さんにおすすめを聞きに行くMMさん
ちょっと離れたところで私とMさん
わんこそばの美味しいお店がすぐ近くにあるらしい
そばかぁ
盛岡って言ったらそばだね
しかし
普通のそばでいいね
普通のそばがいいなぁ
わんこそばだけではないよねぇ
わんこそばより
そばがいい三人組
シグから歩いて１分
即到着

わんこそばは前日まで予約と張り紙
という事はわんこそばだけではないね
って色めき立つ三人組
カラカラと引き戸を開けて
一番奥の席に三人座る
一息着いてメニューを捲る
まず丼物が目につく
期間限定が目立つ
丼物か限定か
いやでも
カレー南蛮も気になる
こういうそば屋さんの丼物って美味しいよね
ってMさんにふってみる
間違いないって力強く頷いた
Mさんが頼んだのは【かぼすそば】
一番奥で早々と決めていたらしい
MMさんは【かつ丼】
私は【月見そば】にした

そばが出てくる前にヘラルボニー
のパンフレットを
二人に配布する
私の午前中の顛末を説明する
二人とも意外に知らなかったらしいヘラルボニー
シナモン氏は何時に帰りますか?
１５時の電車で帰る予定ですよ
このご時世
早め早めに行動して
早め早めに帰りましょう
了解では何処に行こうかな

このあと本格的にツアーが始まる
そばとそばと丼がやってくる
食べている時は無言で食べる
もくもくもぐもぐ
新しい生活様式
新規のお客さんが特製かつ丼の特製ってなんですか?
と聞いている
お店の方が
特製って書いているけれど普通のかつ丼ですって答えているのが聞こえてくる
枚数が違うのだろうか?

声
小さくないですか
と聞かれて
自分ではよく分からないけれど
確かに声の出力が抑えられている様な気がする
マスクと世間に抑圧されている?
元々声はそんなに大きくないのに
マスクという壁を隔てる事により
空気の振動が抑え込まれているのかもしれない
三人組お昼ご飯を満喫する

カラッとした暑さの盛岡
を縦一列でドラクエスタイル
新しい生活様式で巡るのだ