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多様なニーズに向き合うためには、選択肢を増やしていく必要がある(不登校児専門の草潤中学校開校の話題から)

岐阜市に不登校児専門の草潤中学校が開校されることが決まった。その除幕式での京大の塩瀬准教授のスピーチが話題を呼んでいる。

スピーチの中でも述べられているが、「選択肢があること」が、これからの社会にとってはとても大切なことだ。社会に生きる人たちを画一的にとらえる時代は終わり、多様なニーズに向き合っていく時代になったからだ。いろいろなものが二分法ではとらえきれなくなり、あいまいさを許容していく必要がある。この曖昧さですれば、もともとの二分法に「当てはまらないから」という理由で使うことの方が多いと思うが、そもそも当てはまらないのは二分法であり、あいまいな存在の方ではない。

だからこそ、ひとつの社会通念や慣習に縛り付けずに、新しい選択肢を生み出し、それを選択することに対して許容していく必要がある。全ての人が満たされる選択肢を生み出すということではなく、まずはある程度の単位で新しい選択肢を生み出していけばいい。それだけでも、今までとは違った道筋が生まれ、それをそれぞれ自身が「選ぶ」ことによって、自分の責任で人生を切り開いていくことになるからだ。

誰しも選択肢のない一本道で、気づけば追い込まれていくような自動的な人生にはしたくないはずだ。でも、残念ながらそうやって社会の構造などによって追い込まれてしまう人も多いのも事実だ。

この草潤中学校の運営方針は以下のとおりだ。

その方針は、「すべての授業はオンラインも併用のため通学してもしなくてもOK」、「担任教師は生徒側の選択制」、「時間割は教師と生徒が相談しながら一緒に決める(義務教育としてはきわめて異例)」、「職員室は生徒に開放する、生徒は食事をしてもただくつろいでもよい」、「開校時の先生は異動でなく手上げ方式」といった、実に革新的なものだ。

大丈夫なの?って思う人も多いが、これが新しい選択肢であり、これが現社会の多様なニーズを満たそうとする選択肢なのだ。いきなり全てがうまくいかないだろうし、受け入れ難いこともあるかもしれない。でも、この方針でこの学校をつくるという「選択」が次の「新たな選択」を生み出しいくはずだ。新たな選択肢を生み出すことは変化を生み出すことにつながっていくはずだ。より多様化していく社会に対して、必要な変化を起こすためにも、選択肢の幅を広げていきたいものだ。


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