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ホワイトリネン 6月23日〜365日の香水

真っ白な麻の世界
そこから想像するのは、清潔さ、心地よさ、ハレ、おもてなし、そんな感じだろうか。
ラグジュアリーなホテルのベッドリネン、あるいは磨き上げられたキッチンのテーブルを覆うリネン。
生活空間でありながら、どこかあらたまった感じと、洗い清められた気持ちよさ、目に浮かぶ光景から生じる気持ちは、曇りがなく不安がない。
白は好きな色の一つだ。

ローダー夫人のイメージ世界
エスティ・ローダーが自身でもお気に入りにしていたというホワイトリネンは、古き良きアメリカの良心ある家庭のイメージをローダー夫人が抱いたものと言われている。
先に想像したような清潔で気遣いに満ちた空間。
あるいは、その真っ新で純白のリネンは花嫁のためとも言われている。
香調もイメージも6月にふさわしい香水。

アルデハイド
19世紀末に開発された合成香料のアルデハイド。
大量に用いて成功した香水といえばシャネルの五番(chanel/N’5).
以後は、欠かせない存在となり、特にその特徴が顕著な香調を持つものをアルデハイドタイプとしてカテゴライズしている。
五番から半世紀ほど経ったころ、アルデハイドタイプの鏡、絶対的な王道のような香水が登場する。
それがホワイトリネン。
調香師はソフィア・グロスマン。
大家の初期の代表作と言っていい。


White linen/estee lauder/1978
女性用として世に出たものだけれど、現代なら男女を問わない。アルデハイド独特の拡散性がある。その中で、ソープ用の香気、優しいウッディとムスク、グリーン感のあるローズ、これらが溶け合い「高級感」を漂わせる。さすがソフィア・グロスマン。
フローラルアルデハイドの手本と確かに言っていい傑作。

ホワイトリネンを纏うなら
真っ白のシャツやTシャツ、あるいはスポーティな白いワンピース、そしてホワイトリネン。
白に白を重ねながら、清潔感の中にはラグジュアリーを漂わせるようなコーディネート。
あるいはシック、モノトーンの色合いに添える純白。
こちらはギャップ使い。
想像した時に、しっくりこないのは、柄物や多色使いとの組み合わせ。
何故だろうと考えると、ホワイトリネンは香水でありながら装う時に完全にコーディネートの主役になるからかもしれない。
強すぎず、奇抜さがあるわけでもなく、リッチを訴求するわけでもなく。
清潔で心地よくエレガント。なのに、コーディネートの中で最も際立つ存在。

香り、思い、呼吸。
6月23日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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