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映っているはずなのに

一年前、僕の視界の隅っこに君が映っていた。
意識が自然とそっちに映るんだ。
目の前の友達と喋っていることなんかより
君が何を喋っているのかが気になっていた。
あの日、行事で君と喋る機会があった。席替えだ。

君と席が横になる日が来るなんて、

よろしく~

言葉に詰まるも喉からこみ上げさせた。

、よろしくッ!

文化祭の案を出すために横の席の人と
話し合いが行われた。
企画の案を君と出し合う。微かに鼻を刺激する君の服の匂い。
僕と喋る君。甘い匂いが漂う。
君と目が合う。2秒後にそらす僕。不思議そうに僕を見る君。
文化祭の案はそっちのけで君は僕に趣味を聞く。

同じ音楽が好きな君。胸が飛び跳ねる。思考が口に追い付かず
喋りたいことが頭の中で渋滞している。

すっかり毎日喋れる関係になった。おはよう、の一言が一日の始まりだ。
あの頃の僕は思いもしないだろう。
例のあの子と喋ってるよ!!
消しゴムを落とす僕。拾う君。
ありがとうっ!!
少し声が裏返る。
帰り道、消しゴムの返事を頭の中で猛省する。
ちょっとキモかったかな...

二人で祝日に遊びに行く関係になった。
予定時間よりも40分も早く来てしまい、改札から出てくる
人を眺める。予定時刻よりも少し遅れて君が到着。

いつもの制服とは違う君に感嘆の声がもれる。
どう言えばいいか、分からず綺麗だねと一言。

一緒に歩く道。汗ばんでくる手を何度もズボンで拭く。
カフェでお喋りをする。
好きって何なのか君に聞く。
好きって感覚だと思う。人に強要されるものじゃなくて
あっ好きだ。ってなる感じ!分かるかな~

まさしくそれが好きだと僕も賛同した。
その日の夜は眠れなかった。

好きな人の相談が来た。唐突の出来事に三回聞き直してしまった。
どうやら事実に間違いなく、クラスのXXXのことが好きらしい。
君の独壇場で話は進む。身振り手振りで全力で、、、、
呼吸がしにくい。
特に目立って惹かれる要素はなかったはずなのに、
話が進むにつれて、顔が紅潮していく君。
もう夏だし、暑いんだろう。アイスティーを二人分頼んで
ひとまず落ち着く。
顔は紅潮し続けたままだった。

さっき目が合った!!

やったじゃん。

友達のB子が私のことXXXに聞いたんだって!
かわいいと思うって言ってたんだ!

そうなの?

明日XXXと映画館に行くんだ!

もう、いいからあいつの話やめろよ


恋愛相談乗ってくれてありがとね!
ずっと友達だよ!!!

いつからこうなったんだ。
君に僕は異性として映っていなかったの?
目の前にいた僕はあいつと何が違うんだよ。
あいつよりも君のことを知っているのに
君はアイスティーを頼む際砂糖を多くもらう。
君の歩くスピードは僕より少し早い。
僕と同じ好きな音楽のあの曲が一番のお気に入り。
君にとっての好きは、、、僕と同じ考えだ。
僕は君にとってどう映っていたんだよ、、

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