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病院薬剤師がつくる"医学論文を読むきっかけ"【医学論文の活かし方】

2023年の今頃は
初めての英語論文投稿を目指し
執筆作業に没頭していました。

アクセプトまで実現できたのは
一緒に頑張ってくれた人がいたからです。
チームの大切さをとても感じます。

また、日頃から可能な範囲で
英語論文に触れ、読む習慣をつけていた
ということが大きいと思います。

医学論文を読むきっかけがない…
という方は多いかもしれません。

今回は、私も以前に読ませていただた
「医学論文の活かし方」という本を参考に
論文を考える時間を作れたらと思います!



論文はいつ読む?

"抄読会"の機会を作る
これが1番実践的であると思います。

抄読会(しょうどくかい)とは
主に医療や研究分野で行われる会合の一種です。
特に医療機関や研究機関において、新しい知識や研究結果を共有し、議論するための場として開催されます。

chat GPTさんの返答

なぜなら
日常業務をこなすのも大変で
つい優先順位が低くなってしまう中
強制的に時間を確保できるからです。

いつか…の気持ちでは一生できません。。
ただし、無理矢理ではただの負担増です。

開催頻度も考慮しながら
少しでも楽しくという気持ちで
取り組めるチーム作りも重要ですね。


論文の探し方

PubMedGoogle ScholarWeb of Science
その他にも色々ツールはあると思います。

初心者の私はPubMedで十分と感じます。
GoogleやYahooで調べる時と同じように
気になるワードで検索をかけます。

1年以内に発表されたものに限定できたり
類似論文なども同時に紹介してもらえたり
様々な機能は使用しながら学べます。


論文の読み方

英語にアレルギー反応が。。
という方も多いかもしれません。
私も英語は得意ではありません。

内容を早く把握したいときは
Googleの日本語翻訳機能を使います。

PDFなどの資料であっても
Shaper(改行を自動的に直してくれる)
DeepL翻訳の順で、流れるように
英語の問題は解決することができます。


論文のまとめ方

論文をまとめるとき
PICO」で整理する
というのがポイントです。

P (Patient)
: どのような患者が研究の対象となっているかを定義
I (Intervention)
: 研究で評価される介入または治療法を特定
C (Comparison)
: 比較対照となる介入や治療法を定義
O (Outcome)
: 研究で測定される結果や効果を示す

chat GPTさんの返答

初めに紹介させていただいた
「医学論文の活かし方」では
まさにこのPICOでわかりやすく
1つ1つの論文内容が説明されています。

この本を読んだことをきっかけに
目を通した論文はOne noteなどのツールに
PICOでまとめるようになりました。

後で見返してもわかりやすいため
おすすめの方法です!


論文の解釈

同じ論文を読んでも
人によって全く異なる印象を受ける
というケースがあります。

また、同じ人が読んでも
時期が異なれば違った解釈になる
というケースもあります。

抄読会のよいところは
強制的に論文を読む機会を作れること
だけではありません。

色々な人の解釈を共有することで
視野を広げることができるのが
抄読会の魅力の一つです。

例えば、
新薬の有効性を示した論文について
プラセボに比べ生存期間が1ヶ月延長し
有意差を認めたという結果があったとします。

有意差があったことから
1ヶ月の延長を大きな効果と考え
新薬を使いたいと考えるか。

有意差があったとしても
安全性評価の副作用にも注目して
1ヶ月の延長は左程かなと感じるか。

また目の前の患者さんと
論文の患者さんの背景が異なるため
この結果を適用できないと判断するか。

注目すべき点も異なると
解釈は全く違ってきます。


最後に

今回は、薬剤師のみなさんに
少しでも論文を読むきっかけができれば
という気持ちで記事を書きました。

論文執筆まで実現できた
1人の薬剤師の経験や知識を
還元できる機会になれば幸いです。

論文を読むのも書くのも「1人でするもの」
というイメージがありますが
決してそうではありません。

やはりチームを作ることで
初めて動き出すのかもしれません。

足立いつき薬局からも
いつか論文投稿できればいいなと
高い目標を持って頑張ります!

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