見出し画像

【保存版】自動翻訳活用のための日本語文章書き方ガイド 「ほんとに意味が伝わってるのかなぁ」って不安になっているあなたへ!

はじめに

自動翻訳技術の進歩により、言語の壁を越えたコミュニケーションが容易になってきました。特に、最近のChatGPTなどの生成AIは、文脈を考慮して足りない主語や説明を補うことで、とても自然な英語に翻訳してくれます。

しかし、日本語と英語の間には、文法構造や表現方法に大きな違いがあります。これらの違いが、自動翻訳の精度に影響を与えることがあります。例えば、日本語は主語が略されることが多いので、自動翻訳で勝手に主語が追加されて、「He」や「She」が違ってしまうこともあります。時には、人物の名前が曖昧なまま翻訳され、人物が『It』で表現されてしまい、誰のことを指しているのか分からないことも。

このガイドでは、自動翻訳をより効果的に活用するための13の重要な注意点を紹介します。これらの点に注意して日本語を書くことで、翻訳の精度を向上させ、より正確なコミュニケーションを実現することができます。

これを知らずに、自動翻訳を使ってしまうと、ちょっとした誤解から、大きなトラブルになることがあるので、うまく活用してくださいね!

サクッと知りたい!って人のために、まずは重要なポイントの一覧を掲載しておきますね。重要な順に書いているので、翻訳だけでなく、日本語を書くときも意識しておくと、メールやSNSなどでのミスコミュニケーションが少なくなりますよ。

「もっと、こうした方が翻訳精度があがるよー!」とか、「こんなことにも注意した方がいいよー!」とかあれば、ぜひ、コメント欄で教えてください!! 来年は大阪万博で、もっと多くの海外の方々が来日されるので、こういうスキル、マジで、これから重要ですよね!!

1. 主語と目的語を明確にする

日本語では主語や目的語を省略することが多いですが、自動翻訳では誤訳の原因となります。英語では主語が必須であるため、これをしっかり明示することが最重要です。

悪い例: 「明日送ります。」
潜在的な誤解: 誰に何を送るのかが不明確です。

良い例: 「私は明日あなたにレポートを送ります。」

2. 短い文に分ける

複雑な文構造は翻訳ソフトにとって解析が難しく、誤訳につながりやすいため、短い文に分けることは重要です。これにより、翻訳の正確性が格段に向上します。

悪い例: 「昨日の会議で決定した来月には本格的に開始する新プロジェクトは、来週から準備を始める予定です。」
潜在的な誤解: 文が長いため、各行動の主体や時間軸が不明確になる可能性があります。

良い例: 「昨日の会議で新プロジェクトを決定しました。私たちは来週から準備を始めます。そして、来月には本格的に開始する予定です。」

3. 敬語や丁寧表現を簡素化する

敬語や謙譲語は自動翻訳で誤訳されやすい部分です。シンプルな表現に置き換えることで、翻訳精度が向上します。

悪い例: 「お手数ですが、ご対応のほどよろしくお願い申し上げます。」
潜在的な誤解: 過度に丁寧な表現が直訳されると、本来の意図が正確に伝わらない可能性があります。

良い例: 「対応をお願いします。」

4. 曖昧な表現を避ける

「~と思います」「~かもしれません」などの曖昧な表現は、翻訳結果に不確実さをもたらします。具体的で明確な表現を心がけましょう。

悪い例: 「製品の品質が良くなったと思います。」
潜在的な誤解: 具体的な改善の程度が不明確で、単なる個人の印象と受け取られる可能性があります。

良い例: 「製品の不良品率が5%から2%に減少しました。」

5. 代名詞を具体的な名詞に置き換える

「これ」「それ」「あれ」などの代名詞は、具体的な名詞に置き換えることで、より正確な翻訳が期待できます。人物についても、「私」、「私たち」、「彼」、「彼女」を意識して書いておくと、誤訳が少なくなります。

悪い例: 「これについて詳しく説明してください。」
潜在的な誤解: 「これ」が何を指しているのか不明確で、誤解を招く可能性があります。

良い例: 「新製品の機能について詳しく説明してください。」

6. 慣用句や言い回しを避ける

慣用句は直訳すると意味が通じなくなります。国際的に理解しやすい表現に置き換えましょう。(最近は、自動翻訳もかなりレベルが上がっていますが、表現が微妙に異なると直訳になってしまいます)

悪い例: 「彼は頭が切れる人物です。」
潜在的な誤解: 直訳されると、全く異なる(そして不適切な)意味になってしまいます。

良い例: 「彼は非常に知的で賢明な人物です。」

7. 固有名詞にアルファベット表記を併記する

人名や地名などの固有名詞は、カタカナ表記とともにアルファベット表記を括弧内に記載しましょう。

悪い例: 「畑田陽菜が反町で講演します。」
自動翻訳結果: "Haruna Hatada will be giving a lecture in Sorimachi."
潜在的な誤解: 名前の読み方が不明確で、正確な発音や表記が伝わらない可能性があります。

良い例: 「畑田陽菜(Hina hatakeda)が反町(Tanmachi)で講演します。」

8. 専門用語や業界特有の表現を一般的な表現に置き換える

専門用語や略語は、可能な限り一般的な表現に置き換えましょう。特に、社内で使っている略語や和製略語(ネット、スマホなど)は、正しく翻訳されない場合があります。

悪い例: 「ノートを持っていくので、プレゼンできます。」
潜在的な誤解: ノートが、文房具のノートか、ノート型パソコンか曖昧になる。

良い例: 「ノートPCを持っていくので、プレゼンテーションはできます。」

9. 時制を明確にする

時制が曖昧だと、翻訳で誤った時間表現になる可能性があります。明確な時制表現を使用しましょう。また、日本の商習慣である今期とか本年度も区切り方が違うので、具体的に、「来年の3月末」とか、「今年の9月から12月」といった表現を使うと間違えないです。

悪い例: 「年度末にプロジェクトが完了しています。」
潜在的な誤解: 「完了しています」という表現が、未来の事象を現在形で表現していることや、年度末が前年度なのか、本年度なのか曖昧で、さらに、国によって年度の区切りが違うので、時期が違うことになる。

良い例: 「来年3月末に、プロジェクトが完了する予定です。」

10. 否定表現に注意する

二重否定や曖昧な否定表現は誤訳の原因となります。明確な肯定または否定で表現しましょう。

悪い例: 「行かないわけではない。」
潜在的な誤解: 二重否定が直訳されると、意図が不明確になり、誤解を招く可能性があります。

良い例: 「行きます。」

11. 数字や単位を明確に記述する

数字や単位は省略せずに明確に記述しましょう。可能であれば国際的に通用する単位も併記するとよいでしょう。

悪い例: 「数百万の売上がありました。」
潜在的な誤解: 具体的な金額が不明確で、「数百万」の解釈が円なのか、ドルなのか曖昧。

良い例: 「売上は3,500,000円(約35,000米ドル)でした。」
自動翻訳結果: "The sales were 3,500,000 yen (approximately 35,000 US dollars)."

12. 受動態を能動態に変える

可能な限り受動態ではなく能動態で表現しましょう。

悪い例: 「会議は来週に延期されました。」
潜在的な誤解: 誰が会議を延期したのかが不明確です。

良い例: 「私たちは会議を来週に延期しました。」

13. 文法と句読点を正しく使う

適切な文法と句読点の使用は、翻訳ソフトが文の構造を正確に解析するのに役立ちます。

悪い例: 「彼は早起きして朝食を食べ会社に行った」
潜在的な誤解: 句読点がないため、行動の順序や関係性が不明確になります。

良い例: 「彼は早起きしました。そして、朝食を食べました。その後、彼は会社に行きました。

おわりに

これらの例で示したように、自動翻訳を使用する際には、元の日本語の表現方法が翻訳結果に大きな影響を与えます。このガイドの13の注意点を意識して日本語の文章を作成することで、自動翻訳の精度を高め、より正確で自然な翻訳結果を得ることができます。

特に、主語と目的語を明確にすること、長い文章を避け短い文章にすること、敬語や曖昧な表現は避けることは、非常に重要です。日本と他国の文化の違いを意識して日本語を書きましょう。ここを意識すれば、自動翻訳時に誤訳や意味の歪みを引き起こす可能性が小さくなります。

ただし、人と人とのコミュニケーションなので、箇条書きのような無味簡素な情報を伝えるだけではなく、お互いに理解し合うという気持ちは忘れないようにしてください。また、契約などの重要な場面では、自動翻訳だけに頼るのではなく、国際契約などを手掛けている専門家に相談するようにしましょう。サインしてから「こんな意味ではなかったのに・・・」となっては、手遅れです。

自動翻訳は便利なツールですが、完璧ではありません。だからこそ、そこを知恵で乗り切って、うまく使いこなしましょう。異文化コミュニケーションを楽しむ気持ちを忘れずに!!

もうちょっと知りたい人への参考

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?