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【なぜあなたの農業は儲からないのか】 1年でちょっと良くなる

こんにちは浜松で柿農家をしています。このブログは3代目柿農家が経営を学び、農業で食っていけるようになるまでの記録です。新規就農者の方や2代目農家の方におススメのブログです。

柿


経営の勉強をしていく中で、経営の師匠から言われたことです。
「1年にひとつでいいから、自分に競争力をつけていきなさい」

経営を学びに行っている最中はあれもこれもと夢中になっていて、いろいろなことに手を付けては中途半端にしてしまうというのを繰り返していました。よくよく考えるとこれは私の子供のころからの癖で、いろいろなものに手を出すがすぐに飽きてしまってやらなくなってしまう。ということを繰り返してきたように思います。


そうではなくて1年にひとつずつでいいから、会社に競争つけるように集中して取り組んでごらんという教えでした。
わたしはすぐに効果が見えるものが好きなので(困ったものです)、小手先の戦術を繰り返してきました。しかし、こうして教えてもらったことで、どのような会社にしたいかを考えて(ゴールを決めて)それに合ったものを1年かけて作るということを繰り返してきました。


この時、私は自社の目標を
「自分が35歳までに直売での販売を8割に伸ばす」としました。
まず、1年目は静岡県が実施している農家向けの経営セミナーに参加して、柿の出荷箱を新しくしました。コンセプトを「和モダン」として、高級感のある化粧箱を作りました。

2年目は直売所をきれいにすることに時間を使いました。今までは仮設のテントで販売していましたが、お客様が増えて手狭になってきたのでテントを増やして、内装をきれいにすることにしました。本当は直売所を建築したいと思っていたのですが、いろいろな人に相談した結果、今の経営状態では固定費が大きくなりすぎてあぶないと言われ、やめました。代わりに、この仮説の直売所を良くするために毎年50万円までは投資をすることを決めて、そのように投資をしてきました。おかげでちょっとずつですが仮設とはいえ必要最低限の設備をそろえることができました。また、こうした無謀な投資についても相談できる人がいることが今ではありがたいことだったなと思います。

3年目はHPを新しくしました。今まではネットでの注文はメールでの受付のみでしたがECモールと連携して買い物かごを使うような仕組みに変えました。こうしてお客様が商品を買いやすくなったと同時に受注作業の仕事の簡略化ができるようになりました。このころから、秋の季節 忙しすぎて時間が無くなってしまうという問題が出てきたことで効率化というものに注力するようにしていったと思います。
4年目はお客様向けの季節のお便りを始めました。今までもハガキを使ってお便りを送ってきたのですが、この年から、季節の話題やご注文方法を乗せた封書を送るようにしました。こちらも専門の方に見てもらいながら作り、お客様が不快にならないようなものを作るように心がけました。

5年目は自社ブログの更新です。今までも自社のブログはやってきていましたが毎日ではなく時々気が付いたらやっていた程度でした。しかしこの年2020年はコロナウイルスが流行りました。緊急事態宣言で人が外の出ないという現状を見て、直売所に人が来ないのでは?と考えてネット通販を強化するべく、自社の情報を積極的に発信していくことにしました。そうした結果、巣籠需要とマッチして販売を増やすことが出来ました。
こうして、毎年ひとつずつ、競争力をつけていくというのを繰り返した結果、いつの間にか目標の「直売の販売を8割に伸ばす」というのを達成していました。しかも売り上げは毎年伸びていたので、目標を掲げた時の予想をはるかに超えた結果でした。
今年、6年目はさらなる販路の拡大を目指して通販の販路を拡大するという目標を掲げて活動をつづけました。結果としては通販で取り扱ってくれる会社を10社以上増やすことができました。これだけあれば1件1件の取引数は少なくても昨年と同様の売り上げは確保できそうです。
これらの結果も、経営の師匠からの教え
「1年にひとつずつ競争力をつけていく」というのを実践してきた結果でした。1年にひとつだったので、他のことをしたくなる誘惑がありますが、なんとか実践できたのだと思います。もし、あれもやってこれもやってという癖のある人は参考にしてみてください。

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