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モミの木を買う

日本だとクリスマスは友達や恋人と過ごす人が多いように思うが、ヨーロッパのクリスマスは日本のお正月のようなもので、年に一度家族や親戚がみんな集まり、数日かけて食べ物を用意し家の飾り付けをして、みんなでゆっくりと一年の終わりをお祝いする。なのでこの時期にヨーロッパに行くと意外にも街は死んでいて、クリスマスマーケット(観光客向け)と教会ぐらいしか見るものがなかったりする。とはいえ今年はコロナの影響で、オーストリアではクリスマスマーケットも中止になってしまったのだが。

クリスマスの主役と言ってもいいぐらい重要な役割を果たすのがその名から分かる通り「クリスマスツリー」である。日本でもクリスマスあたりになるとクリスマスツリーが街中に現れると思うが、こちらでは街中だけでなく各家庭に(最低)一本という勢いで、クリスマス前になると街中にモミの木売り場が出来始める。

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片手で運べそうな小さなものからトラックがいりそうな大きなものまで様々だが、小さいものは安くて数十ユーロ、大きいものは〜三百ユーロぐらいするようである。本物の木を購入したことがないのでこの値段が妥当なのか、安いのか高いのか全く見当がつかない(私が確認した場所は地価が高いところだったので、田舎に行くともっと安いのかもしれない)。

一般的にポピュラーだと思えるものは二〜三メートルぐらいのもので、大体大人二人でかつげるぐらいの大きさである。クリスマス直前になるとネットに包まれたクリスマスツリーを運ぶ男二人組を目にすることが多くなる。ヨーロッパの昔ながらの建築は天井がやけに高いことが多いが、クリスマスツリーのためなのかと思うと納得できる(そのためだけに高くしているわけではないと思うが)。

日本にいるときはクリスマスツリーを買おうなど考えたこともなかったが(そもそもどこに行けば手に入れられるのか知らない)、本場の国ではこれがないと始まらないと言った感じであろうか。特にオーストリアでは子供たちのクリスマスイブのプレゼントは靴下の中ではなくてクリスマスツリーの下に置かれるらしいので、これがないと子供たちもプレゼントを受け取ることが出来ない。ちなみに余談だがオーストリアではプレゼントをくれるのはサンタクロースではなくて、クリストキントというキリストの子供らしい。

本物の木なので来年に使い回すことができるわけもなく、おそらく終わったら廃棄されるはずである(少なくともハンガリーではそうだった)。枯れない人工的なクリスマスツリーももちろん売っているが、やっぱり色の深みや質感は本物の木とはだいぶ異なるように思う。もしクリスマスにヨーロッパに来ることがあれば、小さな本物のモミの木を購入して飾り付けをするのも楽しいかもしれない。

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中央ヨーロッパで生活しながら大学院生(博士課程)をしています。暮らし、旅行、研究のことなど。 恵文社一乗寺店(http://www.keibunsha-store.com/)へ寄稿中。週一を目安に不定期更新。