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コロナ渦で地球さまよった船員Twitterまとめ(上編)


はじめに

こんにちは、ヒロクマです。

鍼灸師として乗船していたクルーズ船が、コロナの影響でアジア→アメリカ西海岸→アジアと地球をさまよいました。

行先不明、終了時も不明のミステリークルーズ

2月クルーズはじめ〜3月中旬ハワイまでのTwitterまとめです。

ちょっと長いです〜!

テキストだけで6,740文字(読むと約15分)

Twitterもあるので、もう少しかかるかも知れません。

蟄居(ちっきょ:家の中にひきこもっていること)中の暇つぶしにどうぞ。

「スキ」や「サポート」をしていただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。


コロナ前夜

コロナの影響を受けたクルーズは、「2月1日香港発・上海着14日間」のクルーズでした。

クルーズ出発の3日前に到着地が変更!!!

乗客は、クルーズ終了後の帰国便や宿泊を変更しなければ行けないから大変です。

通常クルーズの行程は2〜3年前に組み立てられ、予定通りに催行されます。

寄港地の政情や天変地異とかで、そりゃ変更もありますが…

この直前の航路変更は、コロナ渦の異常性を示唆しています。


ミステリークルーズのはじまり

2月1日 香港から問題なく出発しました・

2月3日 フィリピン入国拒否される😭→「さあ、どこに行こう」

2月7日 日本(沖縄に)入国拒否される😭

→「どこに行こう」がいよいよ本格化します。

沖縄の南東をプカプカして、行先を探していたつぶやき。

ここから契約終了され無職になり、6月まで下船できないとは思ってもいませんでした。


加熱する報道

日本から入国拒否されたことで、メディアに注目されることになりました。

クルーズ船に「新型コロナウイルスによる肺炎を発症した恐れのある人が確認された」って、濡れ絹だから〜〜〜〜😂

このころ、NHKのニュースでも放映されました。

うちの父(元公務員)は、わたしがNHKで取り上げられていることで「ヒロは大したもんだ」と、謎の褒められ方をしました。

えへへ。

でも、褒めるとこ、そこなのか父よ???


船で働く乗員なので、困ってもいないし、契約終了は7月なのに、

「もしかして、(予定前に)強制送還されちゃうのかな〜?」という不安がありました。


経験したことのない世界に行くと、知識が増えます。

まさかのワーグナー作曲のオペラのことを知るとは…

幽霊船の船長のオランダ人は「呪いを受け7年に一度上陸できるが、乙女の愛を受けなければ呪いは解かれず、死ぬことも許されずに永遠に海をさまよわなければならぬ」と嘆く。

出典:さまよえるオランダ人 Wikipedia

船の船籍がオランダ船でした。

船長もオランダ人です。

呪いが解ける「乙女の愛」は、ゼンダによってもたらされるのです。


オランダ船がさまよっている間に、乗客の下船港が見つかりました🙌

「7年に1度」より早く上陸できそうでよかった〜😭

ゼンダ、どうもありがとう〜〜〜!🙌


この頃には、世界中のメディアで話題になっていました。

日本入国拒否された7日より乗客はインターネット無料で提供されていました。

続いて、「家族や友人と連絡を取るため」と、乗員もインターネットが無料開放されました🙌

Webはほとんど開けなかったので、情報収集はTwitterからでした。

Twitter様様です💕


タイを下船港として向かっていた!

はずなのに、不穏な空気が流れ始めます…

「どうやら、タイはダメらしい」ニュースが流れてきます。

またなの〜?😭


「新型コロナウイルスによる肺炎を発症した恐れのある人が確認された」クルーズ船だけど、邦人5名は元気にしていました〜。

乗客乗員みんな元気です。

「発症した恐れ」って、いったい情報源がどこなのか、教えて欲しいです。


このころが一番日本のメディアで注目されていたときでした。

日本や海外のメディアから合計約20件「取材させて下さい」と連絡がありました。

乗員という立場なので、お断りさせていただきましたが…

(せっかくご連絡いただいたのに、失礼しました🙏)


不思議なことがありました。

タイにも入国拒否されているはずなのに、船は進路を変えず、スピードも落とさず、タイに向かっていました。

すると、キャプテンから放送がありました。

知っているよ、キャプテ〜ン。どうしてなの〜?入国拒否されたんじゃないの〜?


しかし、その後「タイに行くのは保留中」との放送がありました。

下船できないのに、お別れ会をするのも謎です。


船は、タイの軍艦に見守られ(監視され?)、タイ沖に待機をしていました。

軍艦に見守られていたのは、タイ海軍の港に予定していたからです。


そして、キャプテンから放送がありました。

みんな行先がわかりホッとします。

乗客のみなさん、大変なときなのに拍手をしてくれるました👏

みんな大人な態度に「すごい」って感動しました。


陸が近い予感がしました。


日本のメディアは、カンボジア・シアヌークビルまで来てました。

カンボジアに下船できることになったのは、クルーズライン本社のあるアメリカの力が大きかったとか。

コロナ渦では、親中のカンボジアは貴重でした。

ほんと、ありがたいことでした。


色々なメディアに取り上げられます。

実際に船に乗船していた身としては、「報道って、内容が結構テキトーなんだな」って思いました。


カンボジアに到着!!!

乗員は、窓のないキャビンにいたって船が泊まるのがわかります。

これは、鍼の治療室からの風景です。

治療室から見える景色が毎日変わるって素敵でしょ✨


乗客の下船手続きをしています。

カンボジアから入国審査官がボートで来て、帰っていきます。

キャプテンの放送がありました。

ついに入港です。

キャプテンの声も嬉しそうです♪


友人から「テレビに出ているよ」と港の写真が届きました。

テレビに出ていることが、リアルタイムで起きています。すごい!


わーい、ついに入港です🙌


乗客が、カンボジア港を眺めてウキウキした様子が見られます。


カンボジアにて、乗客の下船がはじまる!!!

体調不良を訴える乗客20名にPCR検査行い陰性で、コロナの疑いのある乗客がいないことがわかりました🙌

カンボジアからの航空便が少ないため、乗客は数日かけて下船予定でした。


朝、デッキに行くと楽しいことが起こりそうな放送を聞きました。

急いでデッキに向かいます。

首相来ましたー🙌 (超ミーハーです)

ヘリコプターで登場、カッコいいです。

きゃ〜フンセン首相〜💕

デッキやバルコニーから見ていた乗客は、大盛りあがりです🙌

カンボジアの歓迎を受けながら、いよいよ乗客の下船がはじまりました。


【プチまとめ】

この14日間クルーズの航路です。

本来ならば、入港した港の数は①〜⑩まであるはずでした…💦

①と②と現在地を示す▽を含めると3つです。シンプル…


航海日が多い〜〜〜😂

観光を楽しみにしていた乗客はもちろん残念なのですが…

航海日が多いってことは、勤務時間が長くて、港で気分転換もできないので、乗員にとっても大変なことなのです。


日本人乗客の下船!!!

各国の大使館員が乗客のケアをするために「相談コーナー」を設けられました。日本大使館員も来ていました。


2月15日に日本人乗客が下船しました🙌

日本人乗客と大使館員が同じ日に帰って行き、静かになりました。

ちょっと寂しい… けど、ホッともしています。


そして、その夜…

「首都のプノンペンから帰れない」と日本人乗客から連絡がありました。

むむむ…

何が起こっているんだろう…

第一陣で下船した乗客がマレーシアに到着してトラブルがありました。

体調不良を訴え、PCR検査で陽性がでたために、他の乗客の帰国が一時停止していることがわかりました。

ガーン!!!


マレーシアでの陽性事件に、「安全である」と受け入れたカンボジア政府も、クルーズ会社も困惑しました。

そして、まさかの乗客下船停止…😭


カンボジア首都プノンペンと船に残る乗客乗員の健康調査に問題がなかったか確認されました。

下船がはじまる前、船の健康調査には問題がないとされています。


わたしも困惑しました。

「どうしてこんなことが起こるんだろう?」と考えました。

2月1日に香港を出発したあと、乗員乗客が、最後に下船したのは2月4日台湾・高雄でした。

コロナの潜伏期間は14日間と言われており、陽性になったのは15日のことでした。

感染しているとしたら、2月1日の出発地香港、もしくは2月4日の高雄でしょうか…?

このCOVID-19の陽性に関しては、真偽が問われました。

コロナ…一体何が本当なのか、よくわかりません…


PCR陽性になった83歳女性は、病院に運ばれて安定していました。

ご主人は陰性だったとのことです。

よかったです😊


このころ、未来のクルーズは、徐々にキャンセルとなりました。


最後に下船予定だった乗客は、船内に留まっていました。

上陸も許可されていませんでした。

もちろん乗員も上陸できません。

そんなときには、食べることが楽しみになります。


一方、カンボジアの首都プノンペンで待機していた日本人は、PCR検査が陰性と結果が出て、帰国が許可されました🙌

「残る乗員の1名は下船を希望していない」という一文には、心外でした。

もうこのころには、先が見えない不安が広がっていましたから、できれば乗員も帰国したいところでした。


乗客が全員下船!!!

2月19日、船に留まっていた乗客全員のPCR結果が陰性で、ついに下船が許可されました!🙌


そして、待ちに待った最後の乗客の下船です!🙌

船の汽笛は、通常、船が出港するときに鳴ります。

気をつけて帰お帰り下さい〜👋


なんども二転三転して、やっと乗客の下船ができました!🙌

お祝いで、コロナビールで乾杯しました。(不謹慎ごめんなさ〜い)

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カンボジアでの日々

乗客は全員下船したあとは、乗員のみが船に残されていました。

そして、乗員のPCR結果は全員陰性でした🙌

わたしは、カンボジアと日本帰国時で、合計2回PCR検査を受けています。

日本では希望している方も受けられない中、全く貴重な体験です。


そして、クルーズラインは、3月、4月のクルーズサービスを停止しました。

影響がどんどん大きくなっています。


そのころ、日本では、はり師・きゅう師の国家試験が行われました。

(きゅう師が先になっているのはご愛嬌💕)


乗客全員が下船した2月19日の4日後、ついに乗員の下船許可がでました🙌

わーい、わーい、わーい🙌

本当に嬉しいです。


カンボジアでは、名物の生コショウ料理が美味しかったです。

ヒシュラン(ヒロ+ミシュラン)星3つ⭐⭐⭐:足を運ぶ価値がある

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また食べに行きたいです💕


ついにカンボジアを出港しま〜す。

乗客の下船を受け入れてくれたカンボジアに感謝💕


マニラで太平洋横断の準備

フィリピン・マニラまで、3日間の航海をしました。

マニラでは、給油と食料の積み込みをしました。

船のビールは約160円で安いですが、ニコニコ挨拶をしていると結構な確率でもらえます。えへ😆


そして、マニラ出港します。

暇なときは、ジムによく行っていました。

船内で健康を保つ工夫です。


フィリピンからハワイまで16日間

すでに乗客のいない船で、暇・暇・暇…

暇つぶしを模索しています。


少しずつ前に進む船。


カンボジア出発前には、マニラからハワイまで10〜12日間の予定だったのに、16日間かかる予定に変更となりました。

ショック😂

そのときは、船ではアナウンスされていませんでしたが、一度港に着岸すると「感染源と暴露した可能性がある」とのことで、密かに隔離をされていたそうです。


スパにいるときは、温かいセラミックの椅子で時間を潰していました。

(乗客がいないまでも、一応勤務中です。えへ)


空を見る日々 (暇なのです)


「地図上で日本が近い」と喜ぶわたし。


タイムゾーンの変更を、乗客がいるときは通常夜中に行います。

しかし、乗員だけなので、昼に行なうという初体験をしました。


3月5日 乗員の無料wifiは翌日終了となる😭

このときは、エンターテイナーもいて、ショーが観れました。


3月はまだ寒かったです。


友達に易占いをしてもらいました。

この占いで、頑張ればハワイで下船できたかもしれないのに、見送ってしましました。

よかったのか、悪かったのかは未だに不明です…


弁護士の橋下さんが、船のことを書いていました。

「沖縄にて、ヘリコプターで邦人が救出されるのを見たかった」という橋下さんのドラマチックな結末に、笑ってしまいました😂


暇つぶしに、「役に立たなさそうなことを勉強すると楽しいかも」とラテン語を勉強し始めました。(読み方だけ学んで止めました)

ハンバーガーは、美味しかったな。

ホーランドアメリカに乗船したら、ぜひオススメです💕


夕陽を眺める日々


日付変更線を東向きに通ると、同じ日付が2日間になります。

一日が24時間とか、一年が365日とかいう概念は、嘘なのかもと思いました。


海の色が徐々にカリブ海と同じに見えてきました。

きれいな青!!!

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海水温は、温度で決まるらしい。


3月10日(2日目) 

度重なる時間変更と、3月10日が2日で、日付がわからなくなってきます。


日付変更線を通るときは、いつも「日付変更線ないかな?」って探しています。

今までに、日付変更線を4回越えましたが、見えたことはありません。

(当然です)


日本好きな外国人に日本語を教えました。

意味の説明が難しかったです。


また、暗雲が立ち込めるニュースです…😭

5/11からのカナダ発のアラスカシーズンの予定でしたが、発着地であるバンクーバーの港が閉鎖されてしまいました。


ここでも早く陸に行きたくなっています。
(オペラの中では、ゼンタの愛で呪いが解け、陸に行けるので)


「さまよえるオランダ人」ボードゲームにもなっていました。


クルーズラインは、全船のサービス停止を発表しました😭

明るいニュースがない中、それでも船は進んでいます。

とうとう翌日にハワイ到着です。ウキウキしています。

上陸ができるかわからなく、ドキドキもしています。


陸に到着する前日くらいから鳥が周りを飛び始めます。


(翌日ハワイと思っていたら、一日勘違いしていました。)


ブリッジツアーをしました🙌

特別なときじゃないと入れません。

船に残されている乗員を楽しませようと「なぜると幸運になる頭」の張り紙がありました😆


20日の船上生活を経て、ハワイに到着です!!!

ビルに興奮してテンション上がっています😆


ハワイ

到着前には上陸許可が出るか心配していました。

しかし、許可がでました🙌


さっそくお出かけして、スーパーへで免疫強化サプリをチェックしました。

ハワイの薬局でビタミンD3が豊富にあるのは、太陽サンサンだから必要ないってことかも知れないと思いました。

太陽に当たることで、ビタミンD3作れるから。

ヨーロッパや北米では、D3だけ採っている人も多いです。

その分、ビタミンCや亜鉛は売り切れがちなのでしょう、きっと。


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ワイキキ港にあるハワイタワー

ハワイは雨季でした。

ハワイ州のシンボルである、虹は見ることができなかったけど…🌈

雨上がりで、水たまりに映る船がカッコいいのです。

この写真は、とっても気に入っています。


ハワイ2日目は、ワイキキビーチへ行きました。

嵐でしたが、ハワイらしい風景を堪能しました。

多くのお店は閉まっているところもありました。

それでも、食事と買い物をし、カフェでくつろぎました💕


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本場のアイランドビンテージコーヒー

(日本にもあることを後から知りました💦)


2日間滞在したハワイを出港します。

このときは、カナダやアラスカに行く予定でした。

カナダやアラスカに行きたかったので、せめてもの希望を託していました。


海から見たダイヤモンドヘッドです。珍しいでしょ♪


ハワイを出港後、陸が見えなくなるまで眺めていました。


上編まとめ

当初クルーズは、2月1日香港発の14日間の予定でした。

日本に入国拒否されてから、行先も終わりも不明なミステリークルーズがはじまりました。

下船港はタイと発表されたあとも、取り消しになり、結局カンボジアへ向かいました。

ついにカンボジアにて、2月19日までに乗客を全員下船させることができました。

カンボジアから乗員だけを乗せて、ミステリーツアーは再開します。

フィリピンを経由し、ハワイに到着しました。


下編予告

ハワイから太平洋を東に向かい、アメリカに到着します。

そして、クルーズ会社の「クルー帰国大作戦」がはじまり、前月に横断した太平洋を再度横断することになります。

ヒロクマは、一体いつ、どこで帰国ができるのか。


最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

「スキ」や「サポート」をしていただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

いただいたサポートは、帰国後2週間の自主隔離が終わったあと、鍼灸師としての活動再開の立て直しに使わせていただきます。