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【声劇】ドジっ娘ヒロイン☆うっかりん(3人用)

利用規約:https://note.com/actors_off/n/n759c2c3b1f08
♀:不問=1:2
約10分~20分
上演の際は作者名とリンクの記載をお願いします。

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何をしても上手くいかない、可愛いドジっ娘「雨歌リン」の日常を描いたシナリオとなっております。
後半に関西弁が出てきますが、イントネーションなど気にせず、大いにエセ関西弁で演じちゃってください。

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【登場人物】
雨歌リン♀:女性。(うっか りん) 何をしても上手くいかないドジっ娘。でも今日も元気に生きてます☆
オキニ♂♀:男女不問。魔法少女と共に行動するマスコット的存在。 家主と兼任。
ナマハゲ♂♀:男女不問。 顔が恐い鬼。秋田の妖怪(神様?)。 礼儀正しい。
家主♂♀:男女不問。恐怖のあまり、規則正しい生活を約束する一般市民。 オキニと兼任。

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雨歌リン:「ふぅ〜久し振りのお休みぃ〜☆」

オキニ:「『久し振りのお休みぃ〜♪』じゃないよ、リン!!」

雨歌リン:「だってぇ〜! 最近戦ってばっかりだったから、せっかくのお休みくらいアキバで、大好きなアニメグッズと可愛いメイドさんに癒され──あれれ? アキバって、こんなにきりたんぽのお店とか、あったっけ??」

オキニ:「はぁ……そりゃ〜、きりたんぽのお店くらいいっぱいあるよ……ここは『秋田』なんだから」

雨歌リン:「え? だ、だってだってぇ! 電車の車掌さんがアナウンスで『アキバ〜アキバ〜』って」

オキニ:「『秋田ぁ〜秋田ぁ〜』って言っていたんだよ! それに『アキバ』なんて場所はないの! 『秋葉原』を略して『アキバ』って言うんだよ!」

雨歌リン:「そ、そそそ──そんなぁぁぁぁ!!!!!」

オキニ:「まったくもう……こんなドジっ子が世界を守っている魔法少女だなんて……」

雨歌リン:「そ、それとこれとは関係無いでしょう!
それに、オキニが私に『君のお気に入りの、この世界を守らないか?』って言って来たから私は──」

オキニ:「──ボクはリンの隣の子に言ってたんだよぉ! それを、リンが勝手に自分に言われていると、うっかり勘違いして『守りたい!!!』って──」

雨歌リン:「だってだって!! 前にやっていたメイドのお仕事も無くなっちゃって、困ってたんだもん!!」

オキニ:「どうせ、そのメイドのお仕事も、ご主人様の服をストーブで乾かそうとして、うっかり忘れて火事で家を燃やした……みたいな感じだろ?」

雨歌リン:「ふぇぇっ!? な、ななななっ、なんで知ってるの!?」

オキニ:「はぁ、まさか本当にそうだったなんて……」

雨歌リン:「頑張って消そうと思って水をまいたんだけど、それがまさかの、ガソリンだったんだよね♪ てへっ☆」

オキニ:「言葉も出ないよ……」

ナマハゲ:「あ、あのぉ〜……この子は、悪い子ですか?」

オキニ:「そうだね。悪いも悪い。運が悪過ぎて、ボクまで運が悪くなっちゃう」

雨歌リン:「そ、そこまで言う事、無いじゃない! 私だって運が良い時だってありますぅ〜ε٩(๑> ₃ <)۶з」

ナマハゲ:「運……ですか」

雨歌リン:「この前だって、道で500円玉を拾ったんだから☆」

ナマハゲ:「そ、それは──その拾った500円はどうなされたのですか!! まさかネコババ──」

オキニ:「どうしたもこうしたも、偶然通りかかったお巡りさんに『落ちてましたぁ』って渡したら、お巡りさんに『それは500円玉じゃなく、ビールの栓だね』って……」

雨歌リン:「そうそう☆ 500円玉とビールの栓を見間違えちゃっていたのよね☆」

ナマハゲ:「はぁ……それはなんと申し上げれば良いか」

雨歌リン:「ちゃんと燃えないゴミに出して、私、しっかりん☆」

ナマハゲ:「おぉぉぉ!!! 素晴らしいですね!!! 良い行いをしましたね!!! ワタクシ、感動致しました!!!」

オキニ:「そんな事、当たり前なん、だ……け、ど? ──うわぁっ!?」

雨歌リン:「キャア!? 恐い鬼のお顔!! あなたは誰ですか!?」

ナマハゲ:「あ、いきなり失礼致しました。ワタクシ──あ、ちょっと待ってくださいね?
えっと、どこにしまったかな……あぁあったあったありました。
ワタクシ、こういう者です (名刺を渡す)」

雨歌リン:「これはご丁寧に……ナマハゲ、さん?」

オキニ:「ぬぁっ!? ナマハゲだってぇ!?
ナマハゲと言ったら、夜遅くに人の家に勝手に上がり込んでは、子供を泣かせる、何とも恐ろしい怪人!!」

雨歌リン:「えぇっ!? 小さい子供を泣かせるなんて、そんな事をしちゃあ、ダメなんだよ!!」

ナマハゲ:「い、いや、ワタクシは──」

オキニ:「リン!! 魔法少女『しっかりん』に変身だ!!」

雨歌リン:「うん!! 魔法のステッキをポシェットから取り出して──っと、
『ビックリ、ガッツリ、うっかりん☆
ヘソクリ、チャッカリ、しっかりん☆
あなたを、しっかりポックリン☆ いかせてあげる☆』」

ナマハゲ:「いや、ですからワタクシは──」

雨歌リン:「せっかくのお休みで、可愛いメイドさんとお喋りしようと思ってアキバに来たのに! おじゃま虫は、この『魔法少女しっかりん』が許さないんだから☆!!」

ナマハゲ:「あぁ〜いや、ここは秋田なんですけれど……
え? あのぉ〜……それは、変身? なされているの、ですか??」

雨歌リン:「えぇ!! 私は魔法少女しっかりん! 悪い子はしっかりわたしが──あ、あれ? あれれぇ?」

オキニ:「リン……そ、その手に持っている、変身用のステッキ……」

雨歌リン:「ステッキ? ……あれれれぇ〜??
これってステッキじゃなくて──きりたんぽぉぉ〜!!!!?
あわわわぁ〜☆ 魔法のステッキときりたんぽを間違えて取り出しちゃった☆!?」

オキニ:「ぐっぐぐぐ……ぐぅぅ〜…… (苦しむ)」

ナマハゲ:「良いですねぇ!!
変身される際のステッキが、秋田名物『きりたんぽ』の魔法少女なのでしたら、こちらの──
よっと秋田名物『ババヘラアイス』という、可愛らしいアイスなんていうのも如何でしょう!!」

雨歌リン:「ふぇっ!? ふぁぁ〜すっごく可愛いお花みたいなアイス☆」

ナマハゲ:「はい♪ バナナとイチゴのアイスをヘラでお花の形にして盛っていく、口溶け爽やかな秋田県ならではのご当地アイスです♪
若者の中でも『SNSで映える』と、人気でございます!!
次回魔法少女に変身される際は、ぜひ♪」

オキニ:「どぅうぉぉぉ〜……きりきりきりきりきりたん……ば、ばばばばへら……あ、あぁぁぁがっ……」

雨歌リン:「シャリシャリしてるけど、シャーベットとは違うし、アイスクリームとも違う☆ 甘さ控えめで、すっごく食べやすい!! ん〜っ美味しっ☆
オキニも一緒に食べよ☆」

オキニ:「ぬぁぬぁぬぁにぃうぉぉ〜……ぬぁんでぇぇぇ〜……」

ナマハゲ:「おや? オキニさん──でしたか? いかがされました?」

雨歌リン:「オキニ、どうしたの──きゃっ!? 」

ナマハゲ:「オ、オキニさんの服が、赤色なラメ入りで、キラキラしてコテコテの昭和漫才師の様なスーツに──」

オキニ:「お、おお往来おうらいの真ん中でぇ〜!! 香ばしい焦げめっ焦げめっ焦げめの美味しそうなぁぁ!!!き、ききりたんぽ振り回してぇぇ!!!
ど、どどどこからかアイス、アイスククククリームゥゥウ!!!!
あ、アカンン〜〜あぁぁきまへぇぇ〜ん!!!」

ナマハゲ:「そんな、馬鹿な……頭もテレビ映えするくらい面白く禿げ上がって、言葉も聞き慣れた言葉から、変わっていく!?」

オキニ:「つ、ツツツツッコミをいられずには……いられまへんっ──アカンっ辛抱しんぼうならへんっ!!! ツッコミながら、ズッコケてまうぅぅ!!!」

雨歌リン:「あなた、まさか『お気に入り』のオキニじゃなく──」

オキニ:「ぬおぉぉお!!!!!
『二人とも、どこに食べ物をしまっとりまんねぇぇぇえん!!!!! ズゴォォ!!!!』」

ナマハゲ:「関西弁の『おおきにぃ』の、オキニ……さん!?」

雨歌リン:「また関西人〜!?」

オキニ:「はぁ……はぁ……バレてもうたら、仕方があらしまへん!!
まさか魔法少女に変身するならまだしも、きりたんぽを振り回すっちゅう恥ずかしい事を、当たり前の様にやっておきながら、そこから普通にアイスクリームを食べて、食レポしだすとは、思ってもおらんかったさかいに……」

雨歌リン:「ど、どうして──」

オキニ:「雨歌リンのドジっ娘パワーを利用して、世界を爆笑の海に──ほんで、ゆくゆくは『M-1』初出場優勝を狙っていく計画が、こないな計画性のあらへんボケに、ワテが突っ込まされるやなんてぇぇえ!!!」

ナマハゲ:「ダークホースの肩書きを、自ら狙っておられるとは……なんと恐ろしい」

雨歌リン:「だから人を泣かせる怪人を狙って……」

オキニ:「雨歌リンはんっ!! ワテは諦めた訳やあらしまへんで!!
いつの日か、雨歌リンのドジっ娘振りを予測、コントロールして、ワテとコンビを組んで、この世界に『笑いの新旋風』を巻き起こしてもらいますよってに!!!
ほなまたぁ〜!! (逃げ去る)」

雨歌リン:「私、お笑いなんて……分からないよぉ〜」

ナマハゲ:「ワタクシもお笑いに関しては、全く分かりかねますが……それでも、人を笑顔にするという部分では──リンさん、あなたは向いてるとは思います」

雨歌リン:「ふぇっ!? そ、そんな私なんていつも失敗してばかりで、みんなに迷惑ばかり──」

ナマハゲ:「──でもあなたは頑張る事を、けっして諦めない!
ワタクシはナマハゲ……人々の『不規則な生活』を、この恐い顔で戒(いまし)め『規則正しい生活』を約束して貰う為に存在しています。
あなたと一緒なら『悪い子はいねがぁ!!』と子供を怯えさせる必要もなく『規則正しい生活』を、笑顔で約束して貰えるかもしれません……」

雨歌リン:「規則正しい、生活を……」

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雨歌リンM:「リン! やっと自分の天職に巡り会えたのよ!! みんなを笑顔にする大切なお仕事!
気を抜かないでしっかり頑張るのよ☆
……と思ったのもつかの間──」

雨歌リン:「がお〜☆ 悪い子はいませんかぁ☆」(ガシャン)

家主:「おわあぁ〜!? 先祖代々から受け継がれてきた、家宝のツボがぁ!?」

ナマハゲ:「あわわわっ!? す、すいません!!」

雨歌リン:「がおがお〜☆ 悪い子はいませんかぁ〜☆」(パリン)

家主:「ぬぁ〜!? 世界的に有名な陶芸家から譲り受けた高価なお皿もぉ!?」

ナマハゲ:「あわわぁ〜!? すいません! すいません!!!」

雨歌リン:「がおがおがお〜☆ 悪い子はいませんかぁ〜☆」(ゴツン……グラグラ)

家主:「そ、それは──」

ナマハゲ:「あ、あぁぁぶなぁぁあい!!」

家主:「祖母のぶつだぁぁん!!!!? (がっしゃ〜ん!!!)
あ、あぁ……規則正しい生活をするから!! お願いだから──二度と来ないでくれぇ!!!」

ナマハゲ:「ワ、ワタクシのイメージが、さらに悪く……」

雨歌リンM:「ナマハゲさんと一緒に、色んなお家を周り初めて二日。
うっかりその家の宝物とか、大切な物とか壊しちゃったのが原因で、秋田県から出入り禁止されちゃった☆
はぁ〜、まさかこんなに早く次のお仕事を探さなくちゃいけなくなるなんて──」

雨歌リン:「うっかりん☆ びっくりん☆」

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