第一ゼミナールにアクティビストが投資!狙いは?
第一ゼミナールで知られるウィザスにアクティビストファンドのグローバルESGストラテジー(GES)が投資し、株主提案を行いました。
記事にもあるように、6月27日に開催された株主総会にて、GESが提出した株主提案のひとつが41.93%の賛成を得たため話題です。
では、GESがウィザスに行ったキャンペーンをみていきましょう。
https://prtimes.jp/a/?f=d135781-6-10b97c91d400a3e35dfacc878af145fb.pdf
いきなり「創業家に忖度した"番頭経営"からの脱却を」と強めのワードが並びます。
サマリーをさらにサマリーすると
・創業家のガバナンス問題、資本効率に無自覚
・ネットキャッシュ溜め込みすぎ
・創業家の堀川家の忖度
・会話してたけどらちが明かないから株主提案
・還元、ガバナンス改革、対話、買収防衛廃止を求める
との内容です。
GSEはウィザス株を19%保有。
ウィザスについて。
学習塾と通信制の高校・大学の運営がメイン事業。
ちなみに元サッカー日本代表の香川真司選手はウィザス高出身。
同業他社と比べてEBITDAのマージンは高いのに、EV/EBITDA倍率は業界最低水準。
それも一時的ではなく、10年近く業界最低水準。
通信制高校の営業利益率は42.3%。しかも毎年伸びている。そんな事業があるのにバリュエーションは低水準。
ネットキャッシュが4割近く積み上がっている。
配当性向150%でも財務は健全に維持できると主張
配当性向150%にすれば株価は6,667円まで上昇する可能性ありと主張。
ここからは創業家ガバナンスが論点になります。
前提として、ウィザスは創業家の堀川家が2割保有。
社長は雇われだが、創業者の長男が子会社社長、次男が社長室。
結構露出してる
創業者であり相談役の堀川氏に9年間毎月150万円の報酬。
業務執行取締役とほぼ同額。
創業者長男の直人氏は競合他社との社外取締役を兼務。
ウィザスの子会社の14%を創業者長男の直人氏が保有しており、ウィザスがその14%を3.5億円で買い取り。実質的な利益供与の疑い。上場審査に抵触する行為。
GESが説明を求めた際、雇われ社長の弁明が面白い。
取締役との個別面談は全て拒否されている。
”買収防衛策更新の目的において、買収防衛策の対象を 「外部者である買収者」と表現”
これは面白い。
これは超面白い。
意訳すると、「創業家が50%下回ってるし、今後相続とかで減るかもしれないから買収防衛策を導入します」と記載してます。
いやいや、本音の理由書いたらアクティビストから突っ込まれますよ。
企業価値を高められる人なら買収されてもいいんじゃないですか?
「創業家の持ち株が少ないから買収防衛策いれます」ってまったく理由になってないですよ。
以上、できるだけ短くまとめてみました。
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