見出し画像

1日10分の免疫学(15)T細胞④


本「MHCクラスⅠ分子を発現する細胞は?」
大林「ほとんどすべての細胞!」
本「そう、ほぼすべての細胞に常時発現している。生体内の細胞は全てウイルス感染の標的となるため。だからCD8T細胞ほぼすべての種類の細胞を破壊できる」
大林「視点変えると怖いなぁ」
本「赤血球はMHCクラスⅠ分子の発現しない数少ない例外」
大林「他にもいるの?あと、なんで赤血球には発現しないの?理由知りたい!」
本は答えてくれなかった!!!

本「一方、MHCクラス分子は限られた細胞にのみ発現する」
大林「B細胞、樹状細胞、マクロファージ!彼らをまとめてプロフェッショナル抗原提示細胞と呼ぶ!」

★プロフェッショナル抗原提示細胞
MHCクラスⅡ分子を発現し、CD4T細胞に抗原提示ができる。
B細胞、樹状細胞、マクロファージ。


本「αβ型T細胞は、ペプチドとMHC分子の複合体同時に接触して認識する」
大林「γδ型T細胞は?まだわかってないのかな」
本「MHCクラスⅠ分子による細胞外抗原の交差提示により、直接ウイルスに感染していないプロフェッショナル抗原提示細胞もCD8Tの応答を活性化できる
大林「その交差提示のしくみがイマイチ理解できません!」

本「MHC分子をコードする遺伝子群は規模では6番染色体に存在している。この領域は非血縁者ドナーの移植組織に対してT細胞が拒絶反応を起こす原因となる遺伝子群として発見されたことから、主要組織適合遺伝子複合体と呼ばれている」
大林「主要組織適合遺伝子複合体……major histocompatibility complex:MHC……そういう経緯で名付けられたのか」

本「MHC分子遺伝的多型に富むが、免疫グロブリンやT細胞受容体ほどではない」
大林「ヒトMHCであるHLAって、確率低いとはいえおおよそ一致してる人がいるもんね、骨髄バンクとかあるし」

本「これまでのまとめ。MHC分子のペプチド特異性は低いため、多様な抗原ペプチドを多くのT細胞に提示できる。このことにより、感染症の流行に対してヒト集団での抵抗性を高めることができる一方で、移植医療では障害となっている」
大林「わかったようなわからんような」

本「第5章まとめ。T細胞受容体は、B細胞の膜型免疫グロブリンと同様に遺伝子再編成を起こして個々のT細胞はそれぞれ特異性をもつ」
大林「個々のT細胞が世界に1つだけのT細胞に」
本「免疫グロブリンとT細胞受容体の違いは、前者が分泌されエフェクター分子としても機能すること」
大林「T細胞受容体は、MHC分子に結合したペプチドのみを抗原認識し、B細胞よりも抗原認識が制限されてる」
本「MHC分子ペプチド特異性が低いので多くの異なるペプチド結合できる」
大林「つまり、多くの異なるペプチドをT細胞に提示できる」
本「MHC分子遺伝的多型をもち、これにより、異なるMHC分子をもつ個人間での移植では、T細胞による強い応答が引き起こされ、拒絶されることになる」
大林「さっきの説明がよくわかった!」

今回はここまで!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?