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小学生の僕は、こんな性教育を受けたかった

「精子を出した時に入れる袋みたいなものはあるの?」

ワークショップが終わった後、小学校高学年の男の子とお母さんが僕(アクロストン夫)のところへ質問に来てくれました。

最初男の子は恥ずかしそうにしていたのですが、お母さんに促されて冒頭の疑問をぶつけてくれました。こういったやり取りはワークショップの楽しみのひとつです。

ワークショップで教えたのは、早くて10歳ぐらいから精巣で精子が作られること、寝てる間やちんちんに刺激を加えた時に射精すること。

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これを聞いて「精子を出した後(射精のあと)に周りを汚してしまうのでは」と心配になり、お母さんに聞き、二人で質問に来て下さったとのこと。嬉しくなって、つい盛りだくさんの説明をしてしまいました。

僕の話はこんな内容です。

射精で出た精子を入れる袋みたいなものはあります。コンドームといってセックスの時に使います。
ワークショップでは子どもができる方法としてセックスについて教えたけど、実は子どもを作るためではないセックスというのもある。
まずセックスは、好きな人同士、両方ともに「セックスしたい」と考えてするのが大前提。
そして「このセックスでは子どもは作らない」と考えた時に必ず使わなくてはならないのがコンドームという、ちんちんにかぶせるカバーみたいなもの。これを使えば精子は膣や子宮の中にたどり着けないから、受精を防げる。
あとセックスとは別に、精巣で精子を作りだすぐらいの年になるとちんちんを触りたくなる人もいます。
これは変なことじゃなくて、成長すると起こる自然な話。
きれいな手で触って、精子はティッシュに出して捨てれば良いよ。
人に見せるものではないから、一人でやろう。
注意して欲しいのが、力一杯こすったり、床とか硬いものにこすりつけたりはしないこと。
これを繰り返すと射精するのに強い刺激が必要になって、普通のセックスの時に射精できなくなるかもしれない。だから優しく触ろう。

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ちょっと長めな説明になってしまいましたが、男の子は終始耳を傾けてくれ、理解してくれたようでした。

実はこの話をしている最中、僕はこう考えてました。
「自分が小学生の時にこういう話を教わりたかったな」と。

僕が主に性の情報を仕入れていたのは塾の先生、詳しい同級生、先輩達、マンガから。だから間違ったこともたくさん教わりました。

たとえば床にこすりつける自慰、通称床オナ。これは友達の一人、A君から自慰行為の中のひとつとして教わりました。信じてやらなくてよかった、、。
コンドームの使い方にしても、誰かからちゃんと教わったことはありませんでした。「安全日なら膣外射精で大丈夫」なんていうとんでもないウソもマンガで多く流布されてました。当時はこれが正しいと思ってたわけですから恐ろしい、、。

当時の僕はスタンダードかつ正しい情報を知りたかったのです。でもそんなものは無く (本当は書籍ならあったのだけれど、存在を知らなかった)、断片的な情報を拙い脳みそでつなぎ合わせてました。恐ろしい状況です。

現在はどうでしょう。性教育の書籍はどんどん出版されてます。でも小学生が自分で選ぶにはハードルが高すぎるし、小学生が興味を持てるような本は多くはありません。
そして、インターネットからアダルトコンテンツに簡単にアクセス出来るため、僕が小学生の時よりもよりウソの情報、偏った情報にずっと出会いやすくなっています。
私達がやっているようなワークショップをも、保護者の協力が無ければ参加することは難しいです。

だからこそ、公教育で正しく、実用的な性教育を行う必要があると私達は考えています。
セルフプレジャーのことや、コンドームの使い方の練習など本当に必要な知識を学校で教えられる日は来るのでしょうか。

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妻・夫。二人とも医師。子どもに必要な性の知識を楽しく・ポップで・まじめなコンテンツにしてお届けします。 https://acrosstone.jimdofree.com https://www.facebook.com/acrosstone インスタグラム:@acrosstone