ノート

「お母さんもセックスしたの?」こども達からのまっすぐな性の質問に保護者も全力で答えつつ、皆で作り上げたワークショップ

先日、アクロストン初となる会場でのワークショップを開催しました。

テーマは「いのちの始まり」。受精の仕組み、卵巣・子宮のはたらきと生理、精巣のはたらきと射精、そしてセックスについてのワークショップです。(ワークショップの内容は以前noteに書きました:きっかけづくりの性教育

私達はワークショップの際に『その場の空気』を大切にしています。

もちろん基本的な内容や工作の手順は決めていますが、子ども達には自由に意見を言ってもらい、一緒に考え、作品を作り上げるようにしています。
したがって、どんな雰囲気になるか、どの部分で話が広がるかはその時次第。
この日は2回ワークショップを行いましたが、それぞれの回で印象的なことがありました。

1.予想外のアイスブレイク
まずは1回目。参加者は年長さん(本来は小学生以上ですが、人数に余裕があったため参加)と1年生、1年生と3年生、2組の兄弟が参加してくれました。

ワークショップのはじめ、まずは卵子と精子が出会うところからスタートします。
卵子が入っている場所である卵巣について話し、子宮の解説が始まったところでした。
私たちが用意した子宮用のモフモフの布を手に取ったところで小学2年生の子から「本当にこの大きさ?」と質問が。「本当にこの大きさ。だけど、この大きさじゃ産まれる前の赤ちゃんは入らないよね。子宮は赤ちゃんが大きくなるとどんどん大きくなるんだよ」と言うと、その子は「やってみようよ」と他の布を並べだしました。

「もっと大きい。もっともっと。」と若干煽ると、他の子ども達も一緒にドンドン子宮の布を並べだすお祭り状態に。

実はワークショップ開始後から緊張している子もおり、少しぎこちない雰囲気でのスタートした回でした。初対面の子と一緒かつ初めて来る場所、初めての大人に知らない事を教わるのだから無理もありません。

しかし今回は予想外のアイスブレイクによって緊張がほぐれ、その後は和気あいあいとした空気の中みんなで一緒に作品を作り上げていくことができました。

2. 自分で答えを導いた
今度はワークショップ2回目。参加者は2年生2人、3年生1人、4年生2人です。

生理の仕組み、射精の仕組みについて学んだあと、セックスについての話がスタートした時のことです。

私「精子と卵子はどうやって出会うかな?」
小4男子「ちんちん同士をくっつける!」
私「女の子にちんちんは無いね。」
小4男子「じゃあ、ここ(先ほど作った女性のからだの膣のところを指さしながら)にちんちんをつける?」
私「正解!膣にちんちんを入れるんだよ。」
小4男子「そこでおしっこをするんだ!」
私「おしっこじゃなくて。。。さっき男の人の体で精子についてやったよね」
小4男子「さっきちんちんから出ると言ってた白いやつ?」
私「そう!それ!射精をして精子をだすんだよ。」

このやり取りがあった会では、性交渉のことをなんとなく知っている子はいましたが「キスしたら、結婚したら、赤ちゃんができる」と言った感じで、詳しいことはわかっていない状況でした。そんな中、教わった知識からセックスによる受精の仕組みを自分で導き出したのは凄いことです。

3. 保護者とつくりあげた空間
私たちのワークショップでは基本的には保護者も後ろにいてもらうようにしています。(もちろん事情によりいられない場合は外出して頂いて大丈夫です。)

その理由は子ども達が学ぶ内容が性交渉まで含む、突っ込んだものだから。
自分の子どもがどこまで知っているのか分かると、家庭内でも話がしやすくなるからです。

さて保護者が一緒にいて下さったおかげで、こんなやり取りがありました。

性交渉の話になった時に小3の子が後ろにいたお母さんへ直撃の質問。
「お母さんもしたの?」と。

参加しているこどもや保護者、全員が沈黙して注目します。この状況でこの「セックスしたことあるの?」という質問、かなりキツイ状況です。

しかしこのお母さんは、まっすぐに子どもを見て、落ち着いた声で優しく答えていました。
「だからあなたがここにいるのよ。」

この返答は我が子だけではなく、その場にいる他の子全員にも答えているようでもありました。

果たして私自身が同じ状況で、こんな素敵な対応が出来るのか自信がありません。この問いと答えのおかけでワークショップの空気が変わりました。性の話が身近な話になった瞬間をその場にいた全員で共有することができた素晴らしい瞬間でした。

4. 発展した内容
この3のエピソードの後には更にやり取りが続きました。

小3女子「ちんちんはどうやって膣に入れるの?」
私「普段は柔らかいのが硬くなるんだよ」
小3女子「どうやって? 」
私「パンツを脱いで裸にならないと入らないね」
こども達「えー。できない!!」
私「だよね。誰とでもできなよね。お互いはだかになれるなんて、とても特別な関係。大切な人としかできないよね。」
こども達「お母さんもしたってこと?」(さっきの質問した子ではない子達が口々に)
お母さん達「しないとあなたは生まれてきてないよ」

親にまっすぐきくことなんて、なかなかないこの質問。
性といのちについて肯定できるこの応答はすごいな、と提供者ながら感心してしまいます。

更に質問は続きました。
小3女子「何回もこれをするの?」
私「1回で赤ちゃんができるとは限らないから何回もすることもあるよ。あとは、赤ちゃんが欲しいと思わないときでも、大事な人ともっと近づきたいと思ってすることもあるよ。その場合は、赤ちゃんができないようにしっかりと対策をしないといけないんだけどね。」

今回のワークショップでは生殖行為としてのセックスについてまでは扱いますが、愛情行為としてのセックスや避妊についてはその先の内容(今後ご要望があればやる予定)です。子どもからの質問のおかげでそこまで話を広げることが出来ました。

ワークショップとは

本来「ワークショップ」とは、参加者の感性や気付きを共有し、新しい視座を創り上げるという場です。私たちがワークショップを開催する際はいつも、単なる工作教室にならないように心掛けているのですが、今回は参加者・保護者の皆様全員で作り上げた「ワークショップ」となりました。

私たちにとっても学びが大変多い時間となり、感謝の気持ちでいっぱいです。

アクロストンのワークショップは会場形式と訪問形式があります。
・会場形式
洗足池のcafe634、2階にあるスペースで行います。ワークショップ前後にコーヒーや焼き菓子を楽しむ方も多いです。

次回開催は未定(2019年の4月頃?)ですが、ホームページから参加優先申し込みができます。
既に数人の方から申し込みがあります。
申し込みはこちら

・個別訪問形式
ご自宅、レンタルスペース、公民館など用意して頂いた場所にアクロストンが伺います。こちらも数件の申し込みを受けています。
申し込みはこちら
開催人数、場所(遠方でもお受け出来る場合があります)、内容などもカスタムできますので、興味のある方はご相談下さい。
連絡先はこちら

#性教育 #ワークショップ #アクロストン

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妻・夫。二人とも医師。子どもに必要な性の知識を楽しく・ポップで・まじめなコンテンツにしてお届けします。 https://acrosstone.jimdofree.com https://www.facebook.com/acrosstone インスタグラム:@acrosstone

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コメント (2)
性教育をどのようにこどもに伝えれば良いのか、うまく答えが見つかりませんでしたが、こんなワークショップのやり方があるなんてと、感動しました。
複数の親子が集うなかだからこそ、親がセックスをしたという話を、こどもたちもいやらしいこととしてではなく、命の誕生の話として受け入れられるのではないかと思えました。
参考にさせていただきます。
ありがとうございます!性の話は親子の数だけ語り方があると思っているので、複数集まる場ではその場ならではの雰囲気や話が出来ている感じがします。私達がむしろ参加してくださる保護者の方から学んでいます。
細かい工作の手法など、何か気になることとかありましたらお気軽にご連絡ください。
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