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【市役所】出世する職員って・・・


 皆さんこんにちは。イ キ ナ リ デ ス ガ ー(楽天カードマンの言い方)、市役所で幹部職員になる要件について考えていきたいと思います。要するに出世する人ってどんな人?ってやつです。




出世している人に共通点はあるのか?

 3つの部署を渡り歩くなかで、たくさんの上司と仕事をしてきました。ありがたいことに、これまでの所属部署では、部長や教育長、副市長・市長と対面する機会が幾度かあり、その人となりや過去のエピソードを知る機会がありました。一方で、ろくでもないクソみたいな上司にも何度か出会っていて、その人となりや過去のエピソードを知ることもできました。

 そこで、これまでの知見をもとにして、幹部職員(出世している職員)の共通点と、普通の職員(出世していない職員)の共通点を私なりにまとめてみましたのでご覧ください。きっと何かの参考になるはず?

 今回、こちらの記事で書いた公務員出世論のアップデート版になります。この記事は(なぜか)急上昇中ですのであわせてごらんください。

 それと、あくまでも市役所に限った話ですので、霞ヶ関や警察・自衛隊、民間企業とかでは通用しない可能性があることはご了承ください。



出世している人の共通点

(1)最低限仕事ができる(わかる)

 何を当たり前のことを…と思われるかもしれませんけど、結構大事なことです。市役所の仕事(公務)は幅広く、窓口対応電話対応に始まり、予算のこと、決算のこと、補助金のこと、政策のこと、議会対応、システム関係などなど、色々あります。

 私が見た出世している人(おおむね次長以上)は、こうした幅広い仕事について最低限の知識はあって、最低限はこなせる人ばかりです。もちろん、現場のスペシャリストに比べれば劣りますけど、まったくもって意味わかりません、という人はいませんでした。少なくとも、わかろうとはされます

 一方、出世していない人(次長以上への昇進がなさそう)は、何かしらで致命的にできないことがあって、それに関してはわかろうともしないという姿勢の人が多かったです。


(2)質問が具体的・返しがある

 これは(1)にも通じるところですけど、わからないことや疑問点を見つけたとき、出世している人は具体的に質問される・あるいは、ご本人なりに解釈をつけて質問される傾向があります。

 「この○○ってところは、△△が■■だから、○○ってことですか?」

 というように。こちらに対し、「はい」か「いいえ」で答えさせるような返しをされています。

 一方、出世していない人たちは、わからないことや疑問点にぶつかった時、丸投げな返しをされる傾向があります。

 「え、意味わからない。どういうこと?」

 という感じ。もちろん、私の説明力が不足しているという前提ですけど、5W1Hすべてを1から説明しなければならないような返しですね。

 先述のとおり、最低限の知識があるか、まったく持ち合わせていないかで返しの差が生まれているのではないかと思います。


(3)顔が広い・愛想がいい

 市役所の幹部といえばお堅いイメージをもたれるかもしれませんが、意外にも幹部クラスの職員は人当たりがよく、明るい人が多いですね。飲み会はほぼほぼ確実に参加されますしね。

 逆に、課長や主査クラスに長いこといる人(つまり、年齢に比して職位が低いと感じられる人)は、コミュニケーションが取りづらい人が多かったりします。意外にも。

 この愛想の良し悪しが出世に響くのは、後述する市役所の独特なメンバー構成が関係しているような気もします。

 あと、鶏が先か卵が先かの話ですけど、幹部クラスの人はだいたいの人が知っていますね。「○○さん(幹部)ってどんな人?」と聞けば、たいていの場合は答えが返ってきます。一方、出世していない人はあまり名が知られていないことが多く、「△△さん(普通)ってどんな人?」と聞くと、半分くらいの確率で「知らない、誰だろう。」と返ってきます。

 幹部だから有名なのか、有名だから幹部になるのかは今後の研究です。


(4)こだわりがある

 上のほうにいる人達は、何かしら強いこだわり・熱い想いがある人が多いように思います。文言にすごく細かかったり、専門分野では上席にも意見を投げたり、独自の哲学があったり。

 コロナが大流行した年、とある上司にイベントの中止報告を提出すると、「コロナで中止になった」という表現から「『中止せざるを得なかった』に変えてほしい、俺は開催したかったんだ」と言われました。知らんがな。

 その他、従前から使い続けている挨拶文を真っ赤に添削して返した部長もおられますし、予算を減らされて財政に怒鳴り込んだ部長もおられます。

 よく言えば仕事熱心、悪く言えば頑固と言えるかもしれません。


(5)プライベートより仕事

 働き方改革やワーク・ライフ・バランスの重要性が叫ばれる令和の時代においては、仕事とプライベートのどちらを優先すべきかは重要な研究テーマです。どちらが良いという正解はなく、各々、または、各家庭ごとに正解を作っていくべきものだと個人的には思っています。

 ですが、幹部クラスに限っていえば、かれらは確実に仕事を優先している人たちです。(3)のとおり、かれらは顔が広く、人となりやエピソードを耳にする機会があります。だいたいドン引きするようなプライベート放棄の超絶過重労働エピソードが出てきます。漏れなく人間やめてます。

 それがかれらの全キャリアだというつもりは毛頭ありませんけど、社会人生活のうち最低でも1回は、仕事に全振りしていた期間があるみたいです。そこを評価されたからこそ、今の立場があるんだろうなと。



出世しやすい人が見えてくる

 ここまでの共通点を整理すると、出世しやすい人の傾向が見えてきます。


(1)いわゆる出世部署の経験者

 財政・企画・人事・他所への出向は出世コースとよく言われます。これらの部署の特性を考えると、幹部養成の要件が揃っているとわかります。

 これらの部署では、政策のこと、補助金のこと、予算・決算のこと、組織のこと、市民対応・電話対応など、幅広く対応することになるので、最低限(以上)の能力が身に付き、わかるようになります。また、他部署との折衝が多い部署ばかりなので必然的に顔が広くなりますし、コミュニケーション能力がないと成り立ちません。それに、傾向として残業が多い部署なので、プライベートは犠牲にして仕事を優先することになります。担当者レベルであっても意思決定が必要なため、こだわりをもつことにもつながります。

 一方、一般的に左遷部署と言われる出張所では、顔は広くなりませんし、定型業務かつ狭い分野の仕事が多いので幅も深みも生まれません。だいたいは定時で仕事が終わるので、必然、プライベートが最優先になります。

 このように、いわゆる出世部署に配属されると、そういう状況に追い込まれるので、自然と出世する要件が身につくのかなと。もちろん、出世部署に行って失敗した(適性なし判断された)場合、その限りではありません


(2)ジョブローテーションしている

 専門職採用でない限り、職員は数年ごとに異動を経験します。基本的には部局をまたぐ異動であり、まったく違う分野に飛ばされることも珍しくありません。当然、仕事は1から覚え直しですし、人間関係も構築し直しになります。公務員の異動は、転職と呼ばれるくらいに激動なのです。

 ですが、異動スパンや動き方には個人差があって、トンデモない振れ幅の異動を短いスパンで繰り返す人もいれば、同じ部内で長いことも過ごす人もいます。傾向として、優秀な職員ほど、前者になる可能性が高いようです。やはり、短期間で即戦力になれる優秀な人は異動も早い。

 頻繁にジョブローテしていると、色々な部署で色々な仕事を経験することになるので、市役所の仕事が最低限出来るようなるほか、自然と顔が広くなっていくでしょう。過去の組織図を見てみると、幹部クラスの人はだいたい意外な部署の名簿に出てくることが多いです。

 稀に1つの分野を極めまくって部長まで上り詰める人もいるにはいます。何事も例外はつきものです。


(3)陰キャラより陽キャラ

 決して陰キャラを下に見ているわけではありません。私も陰キャラです。味方です、同志です。信じてください。

 ですが、残念ながら陰キャラやコミュ障よりも、陽キャラやウェイのほうが組織では上にいく傾向がありそうです。社会人ですから、大学生みたいな悪ノリをしろというわけではなく(普通に懲戒です)、コミュニケーションが上手な人、人間関係構築力が高い人、協調性が高い人が傾向として、評価されやすいということです。

 市役所は非常に狭い世界で、国や民間からの出向者を除き、構成メンバーが変わることはほぼありません。いうなれば大人版の高校です。異動や昇進があっても、それはクラス替えや進級があったようなもんです。

 となると、学生時代を思い返してみて、学年の中心にいたのはどんな学生だったでしょうか。クラスの端っこで静かに暮らしていた学生?否。クラスの中心で音頭を取っていたいわゆる陽キャラ(1軍メンバー)でしょう。

 実際、幹部職員は大体が顔見知り、または友達です。あと飲み会大好き。繰り返しますが、決して陰キャラ系が悪いと言っているわけではないです。あくまでも組織として。

 ちなみに私は、学生時代、陽キャラグループにも陰キャラグループにも入っていないのに、謎の宇宙人枠として人権を得ていた例外パターンです。



(4)女性より男性/既婚者より独身

 これはもう100%誤解を生む発言です。という前提で申し上げますけど、男性のほうが女性よりも出世しやすい構造にあると思います。あと、既婚者(とくに養育中)よりも独身のほうが出世しやすい構造にありそうです。

 市役所の仕事の本質は「市民の生活を守ること」にあります。日々の業務は違えど、突き詰めるとそこにたどり着くので、市民ファーストで動くことが職員には求められます。

 極端な話、大地震が起きて家族が震えている子供が急に体調を崩した、国の要請でゴールデンウィークや年末年始に仕事ができた、疫病対策で徹夜してでも対応が必要ギックリ腰で動くのも辛い急な衆議院解散と総選挙といった場合、優先すべきは家庭よりも公務です、理論上。となると、こうした事態で出てきやすい(組織から見たら呼び出しやすい)のは傾向として独身の人であり、女性よりも男性だと思います。傾向としてね。

 近年では、プライベートを優先できる風潮ができつつありますから、絶対仕事を優先しなければならないわけではありませんけど、組織からすれば、公務最優先で身を捧げてくれる職員を要職に置いたほうが都合が良いこともまたたしかかなと。

 仕事とプライベート、どちらを優先するかに優劣はありません。ですが、こと出世という観点だけに絞ると仕事を優先できる人が優遇され、今の日本の構造では傾向としてそれは独身者や男性がやりやすいのはあながち否定できない事実ではないかなと。

 決して男尊女卑の思想はありません。決して。




まとめ

キャリアビジョンをたてよう

 今回記事を作ってみて感じたことは、漠然と歯車になるのではなく、自分のキャリアビジョンをたてて歯車になるべきだということです。

 こと市役所職員でいうと、ゴリゴリ出世するディガレックスみたいな働き方もできるし、各種の福利厚生を活用してプライベート優先、仕事はその次というアオアシラみたいな働き方もできます(モンハンです)。

 ですが、しっかり方針を見据えておかないと、気持ちアオアシラで役割はティガレックスとか、その逆になる危険性があります。

 なので、自分はどちらの働き方をしたいか、結婚や育児でその考えは変化しているのかなど、定期的に見直す必要があるでしょう。そして、価値観が変化したり、組織とズレがある場合はきちんと主張しましょう


 ちなみに私(我が家)は、「育休を取らない選択肢はない」と妻から通達されており、私自身もそう思っていますので、ガンガン育休をとってプライベートを充実させようと考えています(人事面談でも言っています)。というか、2回・8ヵ月も休職しておいて出世とか望み(望め)ません。働かせてもらっているだけでも幸せでございます。いつもありがとうございます。

 皆さんも、今一度、自分のキャリアビジョンをたててみてください。



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