最近の市役所人事に見えるもの3選
社会人の皆さん、こんにちは。今週もお仕事お疲れさまでした。
時の流れは早いもので、私ももう社会人6年目になります。気持ち的には新卒・新人のままなんですけど、年次も年齢も下の人が増えてきました。
勤続が長くなると、昔では見えなかったものが見えてきます。その1つが人事異動。大規模な異動を何回も目にしていると、大まかな特徴や最近の傾向なんかが見えてきます。
そこで今回は、私が思う、市役所人事の最近の傾向についてお話させていただこうかと。人事関係の皆さん、ご意見お待ちしております。
1.私からみた傾向3選
まず、最近の市役所人事ですけど、3つの傾向が見受けられます。
(1)派手な異動が減った
市役所(に限らず事務系公務員全般)は異動が多い。これは今も昔も変わらないと思います。ですが、私が入ったころと比べると、人事異動の内示がおとなしくなったような気がします。
どうおとなしいかというと、まず、部局をまたぐ異動を命じられる人数が減ったように思います。内示が出ている人数は毎年ほぼ同じなんですけど、単なる昇格人事の割合が増えていて、ほんまもんの人事異動は少しずつ減ってきているように思います。
とくに、管理職への昇進人事においてその傾向が顕著にでていて、新任の管理職はまず所属部署の長になり、何年かしてから他の部署へ異動する傾向が見られます。持ち上がりってやつですね。
(2)若い管理職が増えた
あと、ここ数年は、管理職の平均年齢が下がってきている気がします。
私が入ったころの管理職(課長待遇以上)といえば、大体は50歳を超えていて、新任の管理職でも50手前の人ばかりだったような気がします。ただ、ここ最近は40過ぎで管理職になっている人を見かけます。
在職年数が増えて、知っている管理職が増えただけかもしれませんけど。
昇任試験を通過した人はあまり滞留させず、次々と上へあげていく方針に変わっているのかもしれません。
(3)所属が統合され始めた
ここ数年で、〇〇課と掲げる部署が減ったような気がします。たとえば、〇〇部の〇〇担当とか〇〇事業の〇〇グループみたいに、部署は大きく括っておいて、そのなかでグループ分けをするという傾向が見受けられます。
なので、たまにしか関わらない部署だといつの間にか名前が変わっていて面食うこともしばしば…。先述した内示でも、所属部署が統合されて名前が変わっただけで実質異動ではない内示も見かけます。
2.考えられる要因
では、こうした市役所人事の傾向を私なりに分析してみます。
(1)若者の公務員離れ
なんやかんやで人事当局が若者の公務員離れを意識していると思われます。若者が公務員になりたがらない。なってもすぐに辞めてしまう。
若手職員が減ったままだと、世代交代したときに中間管理職が空洞になるリスクがありますから、組織としては対策したいでしょうね。
ということで、むちゃくちゃな部署異動で心身を壊してしまう職員を減らそうとしたり、早いうちに昇進できることを見せつけて動機づけを与えたりしているのでしょう。
私からすれば、若手に配慮された人事方針はありがたい話で、役職や権限もくれるんだったらもらっておきたいですね。そういう人です。
とはいえ、公務員の仕事って民間とは違うキツさがあるんで、公務員離れは止まらないと思いますけどね。
(2)正職の減少傾向
残念なことに、組織に占める正職の割合はどんどん減っていっています。結果、正職員ひとりあたりが管轄する職務の数は増えていっている。それで部署を細かく区切るのが難しくなったのでしょう。
ということで、広く○○事業と括っておいて、あとは事業内で適当に担当割りしておいてよ、という人事当局の投げやりな姿勢が見受けられます。
あと、正職が減ったことによって、管理職の倍率が相対的に下がってきているのでしょう。定年や自主退職で抜けていく上層部に対し、昇進できる(したい)人数が減っている、となると、管理職になる年齢も下がる。
これは残念な側面ですね。
(3)名ばかり管理職・・・?
所属は統合されていっているのに管理職候補の年齢は下がってきている。いくらなり手が減っているとはいえ、ポストが足りない気がします。
それに、現に管理職をやっている上の世代はどうするのでしょうか?私が知る限り、降格の人事はほとんどありません。あったとしても、自分で進言した人だという話を必ず耳にします。
考えたくないですけど、名ばかり管理職を作ろうとしてないですかね?
やっていることは係長と変わりないのに、管理職としての役職(と管理職手当)を与え、残業代や目に見える残業時間を減らす。あるいは、それっぽいポストを増やしておいて、全盛期を過ぎた(出世コースから外れてしまった)人を置いている。そんなことはないでしょうか?
書いてみたら暗い話題だった
この記事を企画した段階では、働きやすい環境を作るため、人事当局側が意識を変え始めているのだと思っていました。
ですが、書いていくうちに、公務員や管理職のなり手不足、働き方改革に見せかけた名ばかり管理職疑惑など、悲しい考察記事になりました。
まぁ、税収の減少や行政の負担増が指摘されるこのご時世で明るい話題になるわけもないか。見通しが甘かったですね。