すべての方々に美術鑑賞のたのしみを①✨
アコースティガイド・ジャパンのnoteへようこそ。
音声ガイドを利用してみたいけれど、耳が不自由だから・・・、
もしかしたらそんな方もいらっしゃるかもしれません。
弊社では、かねてより、耳が聞こえない人、聞こえづらい人にも音声ガイドをお楽しみいただければと、スクリプト(音声ガイド原稿)の貸し出しを行ってまいりました。
この度、志を同じくする独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンターの企画で、株式会社サンドプラスさんよりお声がけをいただき、「手話で楽しむ美術館コレクション」として日本手話で作品を鑑賞する動画教材に協力させていただきました。
今回公開されたのは、東京国立近代美術館に所蔵される作品から、上村松園《母子》と北脇昇《クォ・ヴァディス》、瑛九《れいめい》。
上村松園《母子》1934年
北脇昇《クォ・ヴァディス》1949年
瑛九《れいめい》1957年
サンドプラスさんの動画のすごいところは、手話映像という点だけではなく、作品の鑑賞のポイントに合わせて、画像がクローズアップして見られるところ。そしてろう者のナビゲーターが、解説内容に合わせて興味深く説明しており表情が多彩なのも、作品の理解につながるなと個人的には思いました。
ろう者の方向け【手話のみ】版だけではなく、【日本語字幕・音声付き】版では日本語字幕で難聴者の方向け、そして私たちが作った日本語音声が加わったことで、聴者も一緒に楽しむことができる、とてもいい教材になりました。
本来ミュージアムは、障がいのあるなしに関わらず、すべての方々に開かれた場所。ですから、障がいがあることによって、利用をためらうというのはあってはならないことで、そうならないよう、いろいろな人と対話を重ねて状況が改善されていくことを切に願います。そして今回の取り組みを通して、手話が言語であること、多言語の一つとして取り入れられ、ろう者・難聴者の美術鑑賞がもっと身近になれば幸いです。弊社といたしましても、自分たちに何ができるのかを常に考え、努力を重ねていくつもりです。
今後、このような教材が、いろんな美術館、いろんな作品にもっともっと広がりを見せるといいですね。 (す)
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