音響楽器ラボ_チラシ_最終版

音響楽器ラボ成果発表♪ヴァイオリン

今年6月14日に行なわれた音響楽器ラボの成果発表をします。楽器別にまとめたいと思います。文章読むより動画を見ていただいた方が早いかもしれません。

〇音響楽器ラボとは?
設立にあたってはこちらをご覧ください。


~1部/舞台の真ん中で真正面から、45度ずつ8方面演奏し、音の大きさや音の飛び方を調べる~
●ヴァイオリン
○結果
ヴァイオリンはトランペットなどと違って音が穴(F字孔)から直線的に出るわけではなく、広がりを持って拡散していく。基本的には著しく音量の変化はないが、反響版に反射して、跳ね返った音の伝わり方は角度により変化することがわかった。特に客席を背に向けた場合は音が広がる感じがした。
○ひとこと
立奏と座奏
座奏だと上半身の動きが制限される。立奏の方が響きが良いと感じた。

~2部/ピアノ伴奏付きの際に立ち位置による聴こえ方の研究~

●ヴァイオリン
・ピアノの真ん中で半開:(これを基準)
・ピアノの真ん中で全開:ピアノの響きがヴァイオリンを超えている印象
・ピアノの左側で半開:ピアノのふたの前に奏者がいないことからステレオ効果が期待できる。
・ピアノの左側で全開:全開にしたことで半開時よりも効果が大きくなる。
感想
ヴァイオリン/合わせやすさはピアノの左側で全開
ピアニスト/合わせやすさはピアノの左側で全開

◎他の楽器のレポートはこちらから

♪1部でわかったこと
音の指向性は大きく分けてトランペットを始めとしてベルから直線的にでるものと、ヴァイオリンのような広がりを持って拡散する2つに分類できる。
トランペットを始めとしてベルから直線的にでるものは指向性やホールの反響版などの影響を大きく受ける。特にホルンはその影響を強く受けている傾向があり、動画内の会話中であった「配置」についても今後研究していくと興味深い。
ヴァイオリンなどの広がりを持って拡散する楽器は共通性があり、客席を背に向けた場合は音が広がる感じがした。


♪2部で分かったこと
ピアノ伴奏時の際のふたの開閉について、第1部のピアノ独奏による研究(2部の動画をご覧ください)で明らかのように、単純に音量ではなく響きによる効果が大きいと感じた。
実際に楽器から音が出る場所によって音の伝わり方が大きく違うことがわかった。特にバスクラリネットのような地面に近く、ベルが上向きになっている場合は非常に興味深い。

◎全体を通して
ピアニスト(2部を通して):こんなにたくさんの楽器と合わせたことがなく良い経験になった。
(1部を通して):楽器の特性を知れたことはとても良かった。それが2部のピアノ伴奏時に役にたった。
ホルン:音の出る向きによる響き方について前から疑問に思っていた。伴奏時の立ち位置についてもいろいろ試せてよかった。
ユーフォニアム:全体的な感想で、実験前は楽器の角度を変えると響きが変わると思っていたが、実際にやってみていうほど変わらなかったと思った。第2回研究に向けて、吹奏楽コンクールでクラリネットなどが皆同じ動きをすることがよくあるが、その効果を実験してみたい。
お客様(ホルン):レッスンでも立ち位置を気にしろといわれるが、今回の実験を見て客観的に立ち位置が変わることでどのような効果があったかを見れて良かった。
第2回研究に向けて、吹奏楽のバンド内でもいろんな疑問を実験してもらえたら嬉しい。
フルート:楽器の角度による違いを知れてよかった。
お客様:楽器一つとっても、いろんな違いがあることが知れてよかった。

締め(吉田):やりもしないで決めつけは良くない。この研究のようにいろんなことを試してほしい。
次回第2回があったら吹奏楽のバンドを編成して、配置などの合奏時における疑問を解決していきたい。


◎次回の計画
3月ごろに国立音楽大学構内にて『合奏時の配置』について研究したいと考えております。
今後も応援よろしくお願いいたします。

お問い合わせ・ご要望
Twitter: @acousticlabojpn
Mail: acousticstudy2019@gmail.com

研究長 吉田 優稀 Twitter: @cbyoshida

研究理念「音響拡散を研究することで、自分の楽器や他の楽器に対して効果的な音の出し方を理解する」 皆が知らないような楽器の謎を音響の観点から解決していこうとする研究団体です 研究長 Twitter @cbyoshida