謙虚も過ぎれば毒となる

自分自身が忘れたくないことなので、今日はこのお話。

わたしは創作活動が好きです。絵を描くのも、歌うのも、物語を作るのも。創作活動をしていく中で、同じく創作活動を楽しんでいる方々と交流します。いろんな表現方法やその人なりの感性を知ることができるので、創作作品を見聞きするのはすごく楽しいことです。

ただ、たまにお見かけすることがあります。

作品を発表するときに「下手だけど作りました」「あんまりうまくはできなかったけど見てください」

称賛のことばをいただいたときに「そんなことない、まだまだダメダメだ」

そんな、マイナスな言葉たち。

なんだか少しだけ、もったいないなぁ、と感じてしまいます。

いやでもその気持ちはわかる

「一生懸命がんばって作り上げた!けど、周りから見たらそんなにうまくは見えないかな…調子乗ってるって思われるかな…ここ納得いかなかったけどここは好きだから発表したいな…発表してみたけど、やっぱりここもう少しこうすれば良かったなぁ、私まだまだダメだな…え、すごいだなんて、AさんやBさんのほうがすごい作品を作っていらっしゃるからわたしなんか全然すごくないんですよ…」

自分で書きながら自分にすごく刺さりました。身に覚えがあって今頭抱えてる。

作品に対して真剣だからこそ、もっとすてきな作品を作りたい!という向上心があるからこそ、こんな心境に陥ることもあるんだろうと思います。

でもこれ、言われた側に立ってみると、その作品をどう見聞きしたらいいのかわからなくなるんですよね。

見聞きする人の感性を否定していませんか

すてきな作品だなぁ~と思って作品の概要欄を見ると、「作ったけど全然ダメでした。」…わたしはすてきだと感じたんだけど、全然ダメな作品なのか。そっかぁ。

この作品だったうまいなーと感じたよ!と伝えると、「いやいや全然下手でしたあの作品。わたしなんかまだまだです」…いいな、と感じたことばも跳ね返されちゃうのか。そっかぁぁぁ。

あくまで見聞きする人がなにを感じるかも、それを作者にどう伝えるかも自由。と同時に、作者が作品についてどう思うかも、届いた反応にどう返すかももちろん自由です。

ただ、「自分がいいなと思ったものに否定の反応が返ってくる」これがずーっと続くと、その方の作品を見聞きするのによくないフィルターがかかってしまう気がするんです。

いまの全力が出せたらそれでOKじゃないかな

例えば舞台やライブ、配信ツールを使っての声劇など、生の表現の場においては、どれだけ事前に準備を念入りにしていても、本番の空気で自分の思うようにできなかった…ということもありうると思います。悔しいと思う出来でもあるかもしれない。

それを「あれは最悪の出来だった」と口に出して言ってしまうと、作品を受け取る側の人のなかには「え、わたしは最悪のものを見せられたの…?」なんて感じる人もいるかもしれない。

なんだかもったいない気がします、わたし。

うまくいかなかったところはあれど、その時の全力を尽くしたのなら、まずはそれでOKじゃないかな。もちろん悔しかったところ、もっと改善したいところもあっていい。でも全力だったんでしょう?

まずは全力で作品に向き合った、それでいいと思うんです。

自分自身も適度に謙虚に

創作においてだけではなく、自分自身に対しても同じことが言えるな、と思っています。

「私なんか…」これ、わたしの口癖だったんです。自分に自信がないからとにかく自分を相手より下に置いちゃう。でもこれ言えばいうほど、どんどん自分に価値がないように感じてしまうんですよね。

結果わたしは、「他人に雑に扱われても仕方ない」と思ってしまう人間になっていました。同時に、わたしを雑に扱う・言いなりにさせる人が近づいてくるようになりました。これに気が付けないんですよ…わたし自身そう思われても仕方ないって思いこんじゃってるから。

そんなことないじゃないですか。

この世に生きてる生物みんな、他者に軽んじられていいものなんてないんですよ。

…かなり主語が大きくなってしまいましたが。

卑屈になるときだってあります。人間だもん。素敵な人を見て素直にいいなって思える時もあれば、それに比べて…って自分を卑下してしまうこと、あります。人間だもん。わたしだってもっと鼻が高ければいいななんて思うし。論理的に話せる人を見てわたしはまだまだだーって思うし。いい声してるなーとか、この人の言葉選び素敵だなとか、それに比べてわたしは…ってなるし。

でもずーっとその状態が続くのは、もったいない。

そんな自分を「いいな」って思ってくれる人に申し訳ない。

何を思うかなんて自由なんです。それをどこまで表現するかも自由だから、わたしは「謙虚ではあって卑屈ではない」ラインを日々探しています。

創作作品もわたし自身も、今のわたしの全力であることは確かだから。

いただいた言葉は素直に受け止めて、くすぶる情熱は結果で出せるように。

なんて思いながら今日も創作活動にいそしみます。


謙虚も過ぎれば毒かもしれませんよ。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。何かあなた様の心に残せるものであったなら、わたしは幸せです。