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【開発者向け】東京ゲームショウ2019参加感想ポエム

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この看板に自分の名前を刻むのが夢だった。

2019年9月12日から15日までの四日間、日本最大のゲーム展示会『東京ゲームショウ2019』が行われました!
ゲーム好きなら知らないものはいない、有名企業から専門学校まで出展する祭典に……Achamothも出展社として参加しました。

展示したゲーム

結果…
メディア掲載を多数いただけました!!

ブースはインディー選考ブース。無料、センスオブワンダーナイトへの参加資格をも有する代わりに審査を受けねばならないブースです。
日本どころか全世界から300を超える応募の中、映えある80ちょっとの選考に残ることができました!

出展が決まり、多くの方からお祝いの言葉をいただく中、同時に過去に出展したことのある製作者から「四日間の展示会は地獄のようだ、気をつけろ」とも言われました。
そのとき、わたしは……ずっと立っているから腰が死ぬんだろうなぁ、と思い、頼れるお手伝いさんを呼んだり、動きやすい服装を心がけたりして対策をしました。
でも違う……違うんだ……憧れと栄光にある地獄は、そういうものではなかったのであった……


天国と地獄を行ったり来たりするジェットコースターな四日間!


《TGSが始まるまでにやること》
ゲームショウに受かると、ぼちぼちとメールが来ます。
椅子やモニター、パソコンのレンタルの有無だとか、 マッチングシステムの案内、マニュアルの送付など。
一般企業向けのマニュアルとインディー選考ブース向けにマニュアルはまるで違くて、インディー選考ブースマニュアルは会期の二週間前ぐらいにメールで届きました。
全てがメールで送られてくるので、毎日チェックするメールアドレスで申請しておこうね!

悩むのがレンタルで、モニターとパソコンは無料で、どちらも大小選べます。
わたしはアプリゲームの展示だったので、モニターでプレイ動画を流し続けることにして、せっかくなので大きなモニターと、小さなパソコンを借りました。
この大きなモニターが後にいろんな問題を呼び寄せることに……

そのほかの物は有料です。わたしは1000円のパイプ椅子だけ休憩用に借りておきましたが、人員がいたために交代で休憩に行けたのでブースで休む必要がなく、あんまり使わなかったです。ソロで1日過ごす人はあって良いんじゃないかなぁ。
椅子は、背が高いプレイ用丸椅子もあったのですが、他ブースに設置されている様子を見るとあまり使う来場者もおらず、邪魔な印象。
いいなーと思ったレンタル品はモニターを高い位置に括り付ける器具で、遠くからでも映像で主張出来るので次回はほしいなぁと思いました。

他、A1横サイズのポスターとチラシを1000部用意しました。
デモ機は2台、これらを設置するとこんな感じに……


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さぁ当日、東京ゲームショウのスタートです!


《最強のブーススタッフ、バンギャル》
ゲームショウを一人でなんとか出来る気がしなかったのでお手伝いさんを呼びました。
四日間手伝ってくれたのは、バンギャルやってたときに知り合った友人。
バンギャだてらにゲームが大好きで、仕事柄展示会経験が豊富、時間も取れるとのことでお願いしたのですが……最強すぎた!!

•設営慣れしており、テキパキと設営
•トラブルが起きても即解決
•最強のアテンド能力
•一般的な英会話が可能

レンタルしたモニターは大型だったのですが、いや〜デカすぎ。
一人で持ち上げるのも大変!男性でも無理では……
その上、箱入り状態でブースにドーン置いてある状態から組み立てないといけなかったのですがテキパキとやってくれるし…撤収は部品一個無くさずに元どおり箱に収めないといけないのですが、それも管理してくれて…
初日に入場するときに出展社パス受け取りをたらい回しにされそうになったら即キレ…強めに主張して解決してくれ…
ものすごくアクが強いわたしのゲームを上手に案内し…
特にビジネスデイに多くやってきた外国人とのやりとりを翻訳してくれ…近くのブースの外国人とコミュニケーションまで取り友好関係を広げてくれる始末…

東京ゲームショウで得られるさまざまな恩恵を、最大限に享受できたのも彼女のおかげです、この場を借りてあらためて感謝を申し上げたい〜!

ともかく、TGSを全力で享受するならば英語は必須です。
かならず英語ができる友人を連れて挑みましょう。もしくはじぶんで英語を覚えよう!!(わたしもTGSを経験して英会話をガチで覚えようと思った)



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《インディーとは世界の中に》
そう、東京ゲームショウは本当に世界中からいろんな人が来ます。インディー出展社も半分は外国の方だし、ビジネスデイに訪れる来場者も海外の会社がたくさん。
わたしのゲームは香港をイメージしたもののためか、香港・台湾のパブリッシャーからめちゃくちゃアプローチされました。一社とはミーティングルームで話すとこまで……
逆に中国本土のパブリッシャーと話した時は、中国は残虐表現が厳しく血のエフェクトだけでもNGでね…とゲームの不気味さを知った先方がどんどん顔を曇らせる一幕もあったり。
出展側ではバンギャルのおかげで近くのブースだったドイツやチリ、中国の人たちと交流することができました。
また、センスオブワンダーナイトは8出展社のうち半分が外国の方で、最優秀を取ったのはアメリカの方でした。

そんな中にいるうちに、わたしはすごく広くて、広大で、果てのない場所に来たのだと感じました。今まで固執していたあらゆるネガティブなものが全て小さく見えて、そんなことに怒ってこだわっているよりも、世界に目を向けて精進した方がよっぽど良く思えました。わたしが足を掛けたインディーゲームというものは、世界とつながっているんだ!

日本には昔から同人という文化があって、有料でゲームを売ることについて、何がインディーで何が同人なんだかよくわからん、という話題は幾重にも交わされてきました。
東京ゲームショウに出てなんとなくその違いがわかりました。インディーは海外からやってきた概念……つまり、インディー・ロックやオルタナティブ、パンクと同じではないか、と。それは、こっそりずっと思ってきたことでしたが実際に出てみてそれを痛感しました。

センスオブワンダーナイトで今回選ばれたゲームたちは、すべてが「ゲームの当たり前」を壊すような実験作、意欲作ばかりでした。そして壊した結果、プレイヤーとゲームプレイを見ている人との関わりや、プレイヤー同士の関わりを作ったりするようなものが多くありました。
そんな、ゲームの実験場は、まるで往来のオルタナティブ・ロックやニューヨーク・パンクを思い出させました。これらはロックの実験場だった、わたしはゲームの実験を行えるような場所にいるんだと。

だから……そう……英語を覚えようね……

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《そして訪れる暗黒》
会期中は本当に多くの方々に遊びにきていただけました!
ツイッターのフォロワー、Unityギルドの面々、フリゲ時代の知人など、会いたかった人たちに会えて本当に嬉しかったです。
また、気になっていたけどアプローチできなかった製作者さんだとか、憧れの作家さんとか、お話しできたりしてマジ感激でした!
会いたかった人たちに会い、ビジネスデイが終わってすぐに複数のウェブメディアに取り上げられたりもして充分な手応えがあったのに、3日目……
パブリックデイ初日、サイコーに暗い気持ちになってブースから離れてベンチに座って頭を抱えていました。
このときにはっきり分かりました、先の出展者が言っていた地獄ってヤツが……

絶え間なく、展示され続け多くの人が触っていくごとに少しずつ、現状の問題点が見えてくる。それは本当に基礎的なことでなんで今まで気がつかなかったのか不思議なくらいで、気が付かなった自分がひどく愚かに思えてくる。
バグもでる。初日の夜に徹夜で直したけれど、スマホアプリってやつは操作によっては意図しない動きをかなりする。
わたしのゲームはともかくコンセプトとグラフィックが人目をひくけれど、ゲームとしての魅力はアイテムの合成にある。けれどもそれがパブリックにうまく伝わったようには見えない……わたしのUIとチュートリアルの設計ミスだ。ゲームが人を選ぶから、という言い訳をしたくなるけれど違う、単純にわたしのせいなのだ!
数々の問題点が次々と見えてくる。そして広いインディーの、数多くの実力者がいるのがハッキリと見える。自分の力不足に情けなくなって泣きたくなる。


これが……地獄なんですねっ………鉛のようなプレッシャーが……

ゲームの展示は今までなんどもやってきたけど、こんな気分になったことはなかった。東京ゲームショウには魔物がいる。魔物は自身の中からやってくる。どんなに人員を増やしても、体力に気を使っても逃れられないのよっ!!!!!!

そんな暗い気持ちから救ってくれたのもまた、友人たちでした。
そしてなによりもユーザーひとりひとりの表情や仕草、ゲームを遊ぶ姿を何度も何度もこの目で見るたびに、数多くの展示物の中からわたしのゲームを選んで触れた、彼らに価値があるものを届けたいと心から思いました。

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《新しい出発点》
そんなことを考えていると、暗い気持ちがどんどん前向きになってきました。
何を真っ先に勉強し作って行ったらいいかがわかってきました。これから時間を割き、努力することが見えてきました。
陳腐な言葉だけれども、ゴールだと思っていた東京ゲームショウ出展が新しい出発地点になった気がしました。

改めて、この四日間ブースに遊びに来ていただきありがとうございました!
本当ににような、ときに悪夢でさえあった四日間で、インディーゲームを作ろうとしなければ得られなかった感情、出会えなかった人たちと多く出会い、また成長できた気がしました。
イベント出展はデジゲー博を最後にしばらくお休みをし、製作に注力していくつもりです。
ゲームは来年にリリース予定なので是非とも触手を買っていってね!



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