考古学から国際協力へ――日本とスーダンを繋ぐ架け橋 /関広尚世氏(京都市埋蔵文化財研究所) #博士の選択
※記事の内容は「博士の選択」掲載当時(2017年)のものです。
古代スーダン鉄器の専門家で、研究と並行してスーダン国立博物館展招致活動も行なってきた関広尚世様(京都市埋蔵文化財研究所)に書面インタビューさせていただきました。考古学者として、研究者として、「社会貢献」についてもお考えを伺うことができました。
考古学の世界での活躍について
ご経歴について教えてください。
奈良大学大学院文学研究科博士前期課程を終了後、京都大学大学院文学研究科大学院聴講生を経て広島大学大学院文学研究科へ入学しました。京都大学大学院以降は、社会人学生でした。
奈良大学大学院の修了後は地元広島の埋蔵文化財の調査研究に従事しました。京大では聴講生として集中講義 を選択していましたので、その時だけ有休を取って夜行バスで通っていました。それから一般企業の総合職としてデジタルコンテンツ作成に携わった後、独立行 政法人国立文化財機構奈良文化財研究所での特別研究員などを経て現在に至ります。関西地方で日本国内の埋蔵文化財の調査研究をやってきました。
社会人学生という選択をとったのは奨学金の返済、学費や研究費の捻出、生活費の捻出を同時に行うためです。また、日本国内で専門職に就くことで人脈や実務経験を積むということが目的でした。
これまでの研究の内容について教えてください。
最初に取り組んだテーマは「先王朝時代のエジプトで用いられていた彩文土器」です。中学生時代、三笠宮寛
仁親王著「古代エジプトの神々」に影響をうけ、もともとエジプトに興味を持っていたこともあり、大学入学後はエジプトの研究と日本考古学を学ぶことを同時 に行いたいと思っていました。
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