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リエン・ウェイ『アントフィナンシャル』

中国に行きたいなぁと思っているので読んだ。これはFintech読書会をしたいなぁと思える素晴らしい本でした。会社の尊敬する先輩も5回くらい読んだと仰っていたのですが、そりゃそれだけ読み返すわと思える本でした。

内容としては、アリペイを展開するアントフィナンシャルが、EC→決済→インクルーシブファイナンスへと拡大して中国における金融インフラとなる変遷が詳しく描かれています。

何度も「アントはFintechではなくてTechFinなのである」ということが強調されますが、確かに読みながらテクノロジーに圧倒的な強みを持っているゆえに様々な金融サービスを仲介することが出来ているのであることがよく分かります。消費者との接点の多さがEmbed可能な購買シーンを多くもたらしいていること。強力なビッグデータ解析力。オープンプラットフォームとして与信情報を外部提供していることにより、さらなる与信性能の強化が可能であること。これらの強さが圧倒的な参入障壁を作り出していることがよく分かります。
あのアントでさえも自前で金融サービスをやらずにあくまでも仲介を行うことを志向していることに貸金業自体の難しさを感じました(周囲のステークホルダーとの関係性含めて)。

執筆が2019年ということもあり、当局の規制強化前の内容であること、インドのPaytmの立ち位置についてもUPI対応が遅れてシェアが後退する前の内容なので、ぜひ追加増補版の出版を希望したいです。

中国に行く前に事前学習を深めたいもの
・サプライチェーン型の融資モデル
・現在のto B向けの事業ポートフォリオ
・ペイロール分野で何かやってるのか

※本noteで利用しているAmazonリンクはアソシエイトリンクです。

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