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【学習】理解力UPのコツ。HowだけでなくWhyとWhatを大切にしよう

今回は「理解力UPのコツ。HowだけでなくWhyとWhatを大切にしよう」というテーマで書いていきます。

これは塾で勉強を見ていて90%ぐらいの生徒に当てはまる残念なポイントです。ここを改善するだけでめちゃくちゃ理解できるようになって、学習効果も高くなるのに…と普段から思っているポイントをテーマにしました。

それだけ指導頻度も高いので、既に指導で言われたことがある人も多いと思います。

理解の要点はWhat, Why, How

塾の先生が何か新しいことを教える時

What(〇〇とは何か?)
Why(なぜ〇〇するのか?)
How(どうやって〇〇するのか?)

の3点を説明に入れるのが基本とされています。
(ウチみたいなコーチングの塾じゃなく、ティーチングの塾の話です)
本屋さんに売っている「わかりやすい教え方の技術」みたいな本にも、たいていこれは載っています。

例えば理科の圧力を教える時には

What:圧力とは何か?
⇒圧力とは「単位面積あたりにかかる力」のこと

How:どうやって圧力を計算するのか
⇒圧力は「力÷面積」で求めることができる

Why①:なぜ圧力という概念が必要なのか?
Why②:なぜ「力÷面積」で求めることができるのか?
①⇒モノを壊したり変形させるとき、その影響は力だけじゃなく面積にも依存するから
②⇒「単位面積あたり」だから面積で割っているということ

という説明をベースにします。
ここに肉付けをしていって

 圧力とは「単位面積あたりにかかる力」のことだよ。例えば、同じ力で殴られるにしても本の表紙の面の部分で殴られるより、本の角の部分で殴られた方が痛いよね?これは表紙の部分の方が面積が大きくて、角の部分の方が面積が小さいからなんだよ。モノを壊したり、変形させたりする時は、力だけじゃなくて面積も重要なんだね。だから「力」だけじゃなくわざわざ「圧力」という言葉が出てくるんだよ。ちなみに、理科の世界では圧力を計算する時、面積の単位には㎡を、力の単位にはNを使うから覚えておこう。
 では実際に圧力を計算していこう。30個のお菓子を6人で分けるとき、一人あたり5個のお菓子がもらえるね。計算式で書くと30÷6=5だよね。「一人あたり」を計算したいから「6人」で割り算しているということだね。つまり「〇〇あたり」を求めたい時は「〇〇で割る」という計算をすればいいということだね。
 今回は「単位面積あたり」を求めたいから「面積で割る」という計算をすればいいということがわかるね。だから圧力は「力÷面積」で求めることができるんだよ。繰り返しになるけど、面積の単位には㎡を、力の単位にはNを使うことが多いから覚えておこう。

みたいな説明が完成するワケですね。この肉付けの部分が講師の力量と言われていて、技術や研究や個性が出る部分です。

このようにWhat, Why, Howの3つが理解の要点になります。

(ティーチングをする)塾の先生は生徒に理解させるのが仕事だから、説明にWhat, Why, Howの3点を盛り込みます。
逆に言えばWhat, Why, Howの3点を自力で学習することができれば、塾の先生のティーチングを受けずとも自分で勉強を進めていけるということです。

勉強が上手い人は感覚的にコレをやっています
自分の中でWhat, Why, Howの3つを埋めていくように勉強を進めています。
だから一人で勉強していてもクオリティの高い理解をつくることができます。

みんなHowに注目しすぎている

でも、そんなことを感覚的にやっている人はほんの一握りです。
ほとんどの人はWhat, Why, Howのバランスが崩れてしまっています。

中でも一番多いのが

How(やり方)に偏りすぎている

というパターンです。
先ほどの圧力の説明でも、

結局、「力÷面積=圧力」を覚えておけばいいってことでしょ

という感じでHow(やり方)の部分にしか目がいかない生徒がめちゃくちゃ多いです。

でもこのHowだけに意識を置いた勉強は欠点だらけで
・忘れやすい
・応用できない
・他の知識と混同しやすい

という非効率極まりない勉強になってしまいます。
なんでこんな効率の悪い勉強をしているんだろうか?
これはおそらく

解きたい。答えを出したい。

という気持ちが強すぎるためです。
ほとんどの生徒は理科とか数学とか英語とか社会とか、学校で習う科目に興味がありません
ただカリキュラムに含まれていて、定期的にテストをされて、その成績が進路に影響を及ぼすから仕方なく勉強しています

彼ら・彼女らの心理としてはおそらく

別に理科(その他の科目も)がわかりたいワケじゃない
解きたいだけだ。
点数が欲しいだけだ。

というものではないでしょうか?
というか、僕は学生時代そうでした。

僕はその感情は悪いものだとは思っていません。
むしろ

英語も数学も国語も理科も社会も
全て向上心と知的好奇心を持って取り組んでいます!

と言われる方が怖いくらいです。
だから別にいいんです。
ただ、ラクをして点を取りたいはずの人たちが、なぜか苦労する方法を選んでしまっているのは自己矛盾です。

How:どうやって解くの?どうやって答えを出すの?
という問いだけでなく
What:〇〇って何?どういう意味なの?
Why:なんで〇〇するの?なんでこういう計算になるの?

という問いの立て方をすることで、理解が深まり、結果的に勉強の負担は軽くなるということを知っておいて欲しいと思います。

数学の例(因数分解)

少し抽象的な話が続いたので、ちょっと具体例を出していきます。

スライド1

この問題は中3の1学期に習う内容で、まぁ普通に勉強した人なら難なく解けると思います。

掛け算して「6」になるのは、2と3だから…

っていう感じで考える人が多いかな。
(答えは (x+2)(x+3) です)
これはHow(やり方)を知っている状態です。

でも、意外と

因数分解って何ですか?(What)
因数分解ってなんでするんですか?(Why)

に答えられる人は少ないハズです。
全体の10%もいないんじゃないかな?

ほとんどの人が難なく解ける因数分解ですら、WhatとWhyは置き去りにされてしまってるんです。
これが、みんながHow(やり方)ばかりに目が行ってるということです。

これらの問いの答えは、好きに考えたり調べてくれたら良いんですが、この2つの問いに注目するだけで因数分解がらみの問題の思考力・応用力は飛躍的に上がります。

僕は生徒の勉強を見ていて

この計算めっちゃやらされますけど、そもそも因数分解って何なんですか

とか

因数分解ってなんででするんですか? 

とか

なんで「掛けて6」「足して5」の数を見つけたら答えになってるんですか?

みたいな質問をする生徒には勉強のセンスを感じます。
目のつけどころがシャープです。
こういう生徒は間違いなく伸びます。

英語の例(受動態)

もうひとつ例を。今度は英語です。
受動態(中学では受け身と呼んでいる)という文法です。

この受動態という文法も

受動態

なんかこんな感じの図式を覚えて、問題を解いていく感じが多いです。

でもこれも同じで、

受動態って何ですか?(What)
なんで受動態にする必要があるんですか?(Why)

に答えられる人はほとんどいません。
でも高校英語のある程度のレベル(ざっくり関関同立以上ぐらい)になると
・受動態の正しい定義
・受動態を使う方が望ましい場面、能動態の方が良い場面
などがわかっていないと対応できない問題も出てきます。

WhatとWhyを質問するところから始めよう

ということで、
・How(やり方)に注目していたら理解力・応用力がつかないよ
・WhatとWhyにも意識を払わないといけないよ

が今回一番伝えたかったことです。
とはいえ
「WhatとWhyにも注意しようねー」
で終わってしまっては、実際に学習が改善されることはほとんどありません。

「これまでWhatとWhyに注意を払ってこなかったな」

と思う人は、まずこれらを誰かに質問するところから始めましょう

ウチの塾生なら、僕か、ウチの講師たちに質問してみて下さい。

もちろん最終的には自己解決できるようになる必要があります。
ただこの技術については質問さえできるようになれば、僕らに質問することをスマホを使ってGoogle先生に質問するようにすれば良いだけです。

とてもありがたいテクノロジーに溢れた現代では、
正しい問いを発することができれば、ほとんどはお手軽に解決できます

まずは「1日1つ質問をする」というところから始めてみましょう。

【アカデミー神戸進学会】
神戸板宿・宝塚山手台にあるコーチング型個別指導の専門塾です。「学習のプロ」が生徒の学力を細かく観察・分析し、学習法・計画法・キャリア形成に特化した指導をしています。 noteでは塾生向けに学習法・受験・進路・キャリアについての情報を 保護者の方向けに教育・受験・キャリアについての情報を発信します。

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