小柳悟志

資本主義、イノベーション、マネジメント、文明の衝突、共通善、社会的課題など、ポスト・コ…

小柳悟志

資本主義、イノベーション、マネジメント、文明の衝突、共通善、社会的課題など、ポスト・コロナの未来社会に関心があります。

最近の記事

時代の変化に向かって 学生の皆さんへ

はじめに すでに起きている変化が加速する 人生の大切な時期に突然の環境変化で自分の将来に不安を抱える人は数多くいるのではないでしょうか。自分ではコントロールできないことに直面した時に、それをどう受け止めるかによって、その人のその後の長い人生に大きな開きが出るかと思います。コロナの発生の前と後でこれから何が変わり変わらないのか、いずれ社会にでる皆さんに今起きている世界の大きな変化を考える大切な機会にしていただきたいと思います。 ドイツの哲学者ヘーゲルは「現実的なことは合理的

    • メタバースより、夢の世界に入れないものか?

      正月から寝すぎて、よく夢をみます、そんなことはありませんか。 私の場合、朝、目が覚めて起き上がる少し前に、色々と夢が出てきます。 面白い夢だとメモを取りたいと思い、起きてペンを取ろうと移動するまでの十秒間ぐらいで、夢の記憶は薄れて、ほとんど朝靄のように晴れてなくなります。 たまに怖い夢をみることがあります。 地震や火山の爆発が起こり、目の前の都会のビル群が倒壊していく光景を見たりします。 ややスローモーションで、ほとんどこの世の終わりかと思えるような映像が夢の中で上映さ

      • 恩師と呼べる方はいますか?

        「あなたには恩師と呼べる方がいますか?」と質問されて、すぐに答えられる人はどのくらいいるでしょうか。 著名なスポーツ選手や経営者のストーリーを読むとよく自分の恩師の話が出てきますが、一般的にはそれほど多くの人が恩師のことを話題にしている感じがしません。 辞書によると「恩師」は「教えを受け、世話になった先生」という意味と書かれています。 そういえば、自分も学生時代にお世話になった先生がいた、と思い出す方もいるかもしれません。 恩師の定義を少し以下のように膨らますと、もっと心

        • 大胆に失敗せよ 人生の節目に

          ユニクロの柳井さんには『一勝九敗』という本があります。色々な事業や投資を仕掛けても成果が出たのはそのうちの10%に過ぎないという主旨のことが書かれています。 名経営者と云われる彼をしてそうですから普通の人が事業で成功しようとしたらその確率はもっと低くなるでしょうね。ベンチャー企業に投資をする人たちは通常数十社に投資をして、その中で数件が成功を収めてくれれば投資は回収できるという算段をしているようです。 何が言いたいのか、物事はまずは手をつけて始めてみなければ分からないこと

        時代の変化に向かって 学生の皆さんへ

          本は本当に読んだ方がいいよ、本気で言っているよ

          恥ずかしいけれど高校を卒業するまでまともに本を読んだことはない。 小学校での読み物は漫画だけ。中学校は部活が楽しく本には関心もなかった。高校は受験勉強でそもそも時間がなく、、、まあ、大学受験が終わるまで私と本との縁はそんな調子である。 しかし、なぜか本をよく読んでいる人には敬意を払う気持ちがあった。自分の知らない作家の名前を持ち出す同級生には一目置いたものである。本を読んでいないことの後ろめたさがずっとあったことは告白しておこう。 ところがだ、ようやく受験が終わった、こ

          本は本当に読んだ方がいいよ、本気で言っているよ

          これから社会にでる後輩の皆さんへ   コロナが加速する「世界の5つの変化」 おわりに 人生100年時代を楽しむ

          おわりに  人生100年時代を楽しむ イギリスの経済学者ケインズは100年も前に2030年には週15時間労働が実現され21世紀は余暇の時代になるだろうと予言しました。テクノロジーが発達し、AIやロボットが人の仕事を代替すれば、人は余暇に大半の時間を費やすというのはさほど非現実とはいえないかもしれません。 他方、ロンドン大学の教授リンダ・グラットンは著書『ライフ・シフト』の中で人生100年時代の働き方を提唱し近年話題になりました。これから人は一つの会社で一生勤めるというよりも

          これから社会にでる後輩の皆さんへ   コロナが加速する「世界の5つの変化」 おわりに 人生100年時代を楽しむ

          これから社会にでる後輩の皆さんへ  コロナが加速する「世界の5つの変化」⑤ 地球規模の課題に取り組む 世界の共通善を目指して

          5. 地球規模の課題に取り組む 世界の共通善を目指して 最後になりますが、地球規模の課題について触れておきます。 国連は2015年にSDGsという略称で知られる「持続可能な開発目標」を採択し、貧困をなくす、飢餓をゼロに、地球環境を守るなど17のゴールを2030年までに達成する目標を掲げました。教育や健康、ジェンダー平等に関する目標も含め地球上「誰一人取り残さない」社会の実現を世界に呼びかけ多くの国や企業が賛同しこの課題に取り組んでいます。 同様に国連が提唱したESGという略

          これから社会にでる後輩の皆さんへ  コロナが加速する「世界の5つの変化」⑤ 地球規模の課題に取り組む 世界の共通善を目指して

          これから社会にでる後輩の皆さんへ   コロナが加速する「世界の5つの変化」 ④ 国家はどう変容するのか? 個人の権利と責務

          4. 国家はどう変容するのか? 個人の権利と責務 ベストセラー『サピエンス全史』の著者であるイスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリはコロナ危機に際して、これから国家が全体主義的な監視を強める方向に行くのか、それとも国民の権利拡大を認める方向へと向かうのか、私たちは重大な選択を迫られていると新聞に寄稿しています。 コロナ感染が広がる中、世界の多くの国々で都市封鎖や外出制限が行われ、個人や企業の行動は厳しく制約を受け、人々は初めて体験する戦時下のような生活を強いられました

          これから社会にでる後輩の皆さんへ   コロナが加速する「世界の5つの変化」 ④ 国家はどう変容するのか? 個人の権利と責務

          これから社会にでる後輩の皆さんへ コロナが加速する「世界の5つの変化」③ 資本主義はどこへ向かうのか ラディカルな発想の転換を

          3. 資本主義はどこへ向かうのか ラディカルな発想の転換を 2013年にフランスの経済学者トーマス・ピケティが著した『21世紀の資本』は世界的なベストセラーとなり、不平等の問題について世界の識者の関心を集めました。 今年、アメリカの大統領選挙の民主党候補者だったサンダース上院議員は自身を民主社会主義者と称し、富裕層に対する増税や最低賃金制の導入、学生向けローンの免除などを打ち出し、格差是正を求める多くの若者の支持を得ました。アメリカで社会主義や共産主義が若者の間で公然と語られ

          これから社会にでる後輩の皆さんへ コロナが加速する「世界の5つの変化」③ 資本主義はどこへ向かうのか ラディカルな発想の転換を

          これから社会にでる後輩の皆さんへ コロナが加速する「世界の5つの変化」② 米中対立の激化  柔軟な戦略的思考が必要となる

          2. 米中対立の激化  柔軟な戦略的思考が必要となる アメリカの著名な政治学者グレアム・アリソンは古代ギリシャのアテネとスパルタの戦いを引き合いに出しながら、歴史上、覇権国家とそれに挑む新興国家との間では戦争の可能性が一気に高まるということをギリシャの歴史家の名を冠した「トゥキディデスの罠」という言葉で表現しています。15世紀以降の国家間の覇権争いでは多くのケースで戦争を招いたものの、20世紀前半イギリスからアメリカへの覇権のシフトは例外的に平和裏に終わった。しかし、現在の米

          これから社会にでる後輩の皆さんへ コロナが加速する「世界の5つの変化」② 米中対立の激化  柔軟な戦略的思考が必要となる

          これから社会にでる後輩の皆さんへ コロナが加速する「世界の5つの変化」① 世界の転換期の渦中にある 歴史の臨場感を持つ

          1. 世界の転換期の渦中にある 歴史の臨場感を持つ 今から100年前に起こったことを少し振り返ってみましょう。 1918年から19年にかけての第一世界大戦の最中、いわゆるスペイン風邪が世界的に大流行しました。一説では世界の人口の3分の一が感染し5千万人以上の人が亡くなったといわれています。ヨーロッパでの犠牲者は兵士や一般市民のみならず、社会学者のマックス・ウェーバーや画家のクリムトら著名人も含まれていました。パンデミックが貧富の差や社会的地位に関わりなく伝播したという点ではコ

          これから社会にでる後輩の皆さんへ コロナが加速する「世界の5つの変化」① 世界の転換期の渦中にある 歴史の臨場感を持つ

          これから社会にでる後輩の皆さんへ   コロナが加速する「世界の5つの変化」はじめに すでに起きている変化が加速する

          はじめに すでに起きている変化が加速する 人生の大切な時期に突然の環境変化で自分の将来に不安を抱える人は数多くいるのではないでしょうか。自分ではコントロールできないことに直面した時に、それをどう受け止めるかによって、その人のその後の長い人生に大きな開きが出るかと思います。コロナの発生の前と後でこれから何が変わり変わらないのか、いずれ社会にでる皆さんに今起きている世界の大きな変化を考える大切な機会にしていただきたいと思います。 ドイツの哲学者ヘーゲルは「現実的なことは合理的で

          これから社会にでる後輩の皆さんへ   コロナが加速する「世界の5つの変化」はじめに すでに起きている変化が加速する

          BBB Build Back Better

          X:最近、海外のビジネスリーダーがBBBという言葉をコロナ後の世界を再構築するキーワードとして使っていると読んで、さすがに表現がうまいと思ったけど、日本では阪神大震災以降「創造的復興」という素敵な言葉で専門家の間ではすでに使用されているんだね。 Y:BBB、トリプル・ビーはどうしても企業の格付けをイメージしてしまうけど、我々の格付けにぴったしかも、キャッシュは弱いけど、将来化けるかもしれないので、まだ、投資不適格にしないみたいな。 Z:アフター・コロナ、ウィズ・コロナとか

          BBB Build Back Better