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#Ⅳ ken兄の場合、再び。

初めての遠距離恋愛

masaくんとの微妙な恋愛を終えて、なんとなくで恋愛したらいけないのだと気づいた頃、ken兄から久々に帰るから会おうと、弟づてで連絡がくる。
その連絡で、いまだに好きなのだと気づく。
でも、彼の周りには女の子がたくさん。
複雑な気持ちを持ちつつ、会う日になり、久々に会った大学生の彼はますます大人に感じた。
車の免許をとり、車で何時間もかけて久々に実家に帰ってきたのだ。
バイトに学業の両立、新しい友達とのふざけた話、久々の再会に話が尽きず、暗くなるまで家の近くの道路で二人で話していた。
お土産~♪と渡されたキーホルダーが嬉しくて、手を伸ばすと、手を引っ張られて抱き締められ、キスされる。
きっと、まだ好きだったのが駄々漏れだったのだろう。
そのまま、ながーいキスをして、ぽわんとしたまま家に帰った。
この関係がなんなのか、確認することができず、キーホルダーをただただ眺めることしかできなかった。

それから、何度か電話で会話をするが携帯と固定電話ではあまり長く話すこともできず。
彼がまた帰ってくるのを待つことになる。
私の親が彼をよく思ってないことは知っていたので、彼との関係は言わないでいた。
ただ、年頃の娘が固定電話の子機をもって部屋にいっていたので確実に怪しいこと間違いなしである(笑)

会いたいなと思ってくれていたのか、時間がある時に頑張って帰ってきてくれていた。
バイトの関係もあったため、時間ができると平日に会いにきてくれていたが、平日私は学校のため、さぼるわけにもいかなかった。
彼が夜通し車を運転して、明け方つく頃に固定電話に電話をしてもらい、家から抜け出して近くの海までいった。
朝早く、こっそり家を抜け出したあの冷たい朝の空気感は今でも忘れない。
海を眺めて、他愛ない話を繰り返す。
このままの関係でいいやと思う自分と、彼とまた恋人になりたい自分のせめぎあい。
寒いねーといって、距離が縮まり、キスをした。
その後、好きなこのために車飛ばして帰ってきてるんよって言われ、もう一度ながーいキスをした。
家族が起きそうな時間帯に家に戻り、何食わぬ顔で朝の支度をして学校に登校した。
学校から帰宅後、すぐに彼の家にいき、出発する彼の姿を見送る。
この時、宇多田ヒカルのfirstloveがどんぴしゃで。
私の前では吸っていない煙草の苦さがキスを通じてやってきて、少し大人な気分に浸る。

ドキドキな大人の雰囲気に埋もれていた。


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